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軽井沢、晩秋の旅 [ハーバル]

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ここ2週間でメリッサ(Melissa:Melissa officinalis)を使い倒す。

「高価なので、ここ一番!という時にしか使えません。」
とバーグ校長がよくおっしゃっていたが、この2週間は私にとって「ここ一番」の連続だったのだ。

めちゃくちゃ憂鬱だけれど踏ん張らなきゃ、という日が続き、心も身体も折れそうになる。
そんな時、灰色の気持ちをやさしく撫でながら背中を押してくれるこのオイルが心に染み渡る。

私って案外丈夫、と自分を鼓舞する日々の裏に、黙ってこのオイルが香っている。

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母を連れて、晩秋の軽井沢に出かける。
思えば、父に気兼ねして母と二人で旅行することなんてなかったなと思いながら。

母は、車窓から久しぶりに見る大自然の動きに、何度も感嘆の声をあげる。

朝管理会社に電話し、暖房を入れておいてもらった山荘は程よく暖まっていたが、夕刻底冷えのしてきた部屋に薪ストーブを焚き付ける。
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「ストーブとろうそくの火は、本当に幸せな気分になるものね」
と、母はここ数日で激変した生活の荷を下ろしたようだ。

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翌朝、一面紅葉色の部屋の中で、大好きなスケッチをする母。

これでよかったのだ。

母は私が思うほど、あの施設での生活を悲観していない。
むしろ、父のせわしいペースで混乱したまま生活しなければならなかった毎日から開放されたことに、安堵の表情さえ見せる。

健常者のとがった神経で真っ先にキャッチする繊細な喜怒哀楽の感覚を、まるでやすりをかけるように徐々に奪うことは、老人が残り少ない人生を穏やかに送れるように、天が与えた最後の贈りものかも知れない。

スケッチする母の後ろ姿を見ながら、私はそう自分を納得させた。

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