成城、プラント・ランゲージ [ブレンド・プロダクツ]
「おかあさん、まだかなー」
成城石井の前で心細げなワンちゃん。
小雪が鼻先に落ちては溶けていく。
何やかやでアップが遅れたが、タイ帰国の翌日から2日間はカート・シュナウベルト博士のセミナーで、またまた成城のLSAへ。
この頃、面白いセミナーが続くので、成城通いが続く。
しかし・・・
気温30℃のタイから、いきなり雪がちらつくTOKYOをうろうろすることの寒さ、厳しさ。
ホームの下から吹き上げる冷風に、モンスーン気候で弛緩した身体がひょえ〜っと縮み上がる。
「アドバンスド・アロマテラピー」(安部茂・バーグ文子共訳/フレグランスジャーナル社)の著者、カート・シュナウベルト博士は、お茶目なリチャード・ギアといった風情で、独自の化学的立場からアロマテラピーを分析する。
「海外のホテルでは、ベイ・ローレル(Bay Laurel:Laurus nobilis)をシャワー後に脇の下に擦り込むんだ。そうすると慣れない生活で低下した免疫機能がアップするよ」
3年前のセミナーで教えられた通りに実行してきて大いに助けられた私である。
今回は、どんなオイルたちと来日し、どんな話しをしてくださるんだろう。
寒いっちゃ寒いが、博士への興味が完璧に勝っている。
ワークショップのテーマは「Plant Language」。
簡単に言ってしまうと「エッセンシャルオイルを通して、植物からのメッセージを聞いてご覧」ということである。
こう書くと何やら抽象的なイメージが先行するが、そこは化学者であるシュナウベルト博士である。
光合成によって植物の中に蓄えられるエッセンス(抽出されてエッセンシャル・オイルとなる)は、植物が5億年も自分達が「生き残るため」に製造してきた二次代謝物のうちのひとつであり(一次代謝物は植物の基本的な成長に必要な成分)、人間はその二次代謝物の力に着目して、さまざまな薬品や化粧品に利用してきた。
その業界は大きな利得を生むので、より利用し易く、大量に生産できるように、植物の生態系を変えたり交配させたりしてきたのだが、それはかなり人間本意の不遜なことなのではないだろうか?
純粋に本来の形で栽培された植物から採取されたエッセンシャル・オイルを身体に使えば、植物が何をしたいと思ったのか(例えば、自分を食べるムシを寄せ付けたくない=昆虫忌避、枯れさせる病気のもとを退治したい=殺菌)が自ずと判るはずだし、その効果は必ずそれを使う人間にも及ぶのだ、と。
あー、博士!
「アロマテラピーはどうして健康を保つのに効果があるの?」という質問に、なんて端的で、説得力のある答えをくれたんだろう!
もうKissしちゃいたいくらい。
日頃疑問に思っていたオイルの禁忌についても独自の見解を明確に打ち出してくださったし、個人的に大好きなヘリクリサム(Helichrysum:Helichrysum augustifolium)に特化した講義の部分もあり、みぞれの中、はるばる成城まで出かけてきた甲斐が十二分にある。
前回同様、ご自分が見つけた素晴らしいオイルの香りも嗅がせてくださり、アロマ好きには何とも魅力的過ぎるセミナーである。
アロマテラピー、本当に奥が深い。
しかーし、とんまな私は、業界を批評したその側から、タイ帰りで、とバーグ校長に空港で見つけたジャスミン(Jasmine:Jasuminum grandiflorum)のプロダクツを持っていってしまう。
最近どうも私のようにタイのジャスミンに注目している業者がいるらしい。
タイにおいて数年前までは、花はふんだんにあるものの、ジャスミンに特化したプロダクツはほとんど見かけなかったのに、この頃はこんなブランドもあるんである。
抽出が難しく、水蒸気蒸留ができないこの花の性質を反映してか、アルコールを使うミスト類には「香料」という形でしか表示されていないジャスミンだが、このハンドクリームはエッセンシャル・オイル入り。
擦り込むと、えも言われぬジャスミンの香しい芳香が手の甲に残る絶品である。
(手前はタイの名物「吸い込み仁丹」→私の勝手な命名)
博士、ごめんなさい!
こういう人間がプラント・ランゲージを聞き損ねるんですよね。
タイのジャスミン、大丈夫だろうか?
THE ORIENTALのハーバル・ボールは、オブジェのように美しく、スパイシーな香りをまき散らして、玄関の飾りにぴったりだ。
2010-02-16 19:01
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コメント(2)
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目からうろこのお話です、なんだかアロマをまた違う視点から見ることができた・・・といったような。
ジャスミンの香り、最近、香ってないなぁ~恋しいw
自分でせっけんや化粧水を作るようになって、特に、化粧水ではエッセンシャルオイルのパワーを借りています。
もっぱら、ラベンダー or ネロリですが、ラベンダーでも、いろんなラベンダーがあるから面白いです。
お風呂上りに、娘も、「ちょんちょん」といって手を広げ、ラベンダーウォーターをおねだりしてきます^^;
by しょーこ (2010-02-17 01:18)
しょーこさん、いいですねー。
日本でももっとアロマテラピーを、しょーこさんのようにアットホームに使うようになってほしいです。
「アロマテロピーは贅沢ではなく、健康を維持するのに、もっとも費用のかからない方法である」とシュナウベルト博士も言っています。
なんかしょーこ家のお嬢さまも楽しみですねー。
by mana (2010-02-17 07:55)