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めぐろパーシモンホール、舞台へ [ウッド]

発表会と名が付くものは、子どもの頃のピアノの発表会ぐらいしか経験が無い。
教育者だった両親は、私がどんなに懇願しても芸能系の習い事を一切許してくれなかった。
濃い舞台メークや派手な衣装を嫌ったらしい。

50歳を過ぎてフラを始めたのは、舞台に立つことが目的ではなかったけれど、「楽しければいい」カルチャークラブとは一線を画した「人に見せられるフラ」を、というスタジオの考えに従い、今回初めてホイケ(ハワイ語で発表会)に参加することになったのは前述のとおり。

何十年も踊っている年配の女性のフラは本当に優雅で美しいが、昨日今日始めた50過ぎのオバサンのフラを観客が見たいかどうか(私は見たくない)は、甚だ疑問ではあるのだが。

先生を頂点にしたヒエラルキー的人員構成の舞台は、その他大勢(もちろん私もそこにいる)であっても、持てる力をすべて出し切って個々の役割を果たすことが要求される。
それはとりもなおさず、舞台を盛り上げるのにはどうしても必要な底辺であるからだ。

準備のためにここ数ヶ月、イレギュラーな練習も沢山あったし、感情の揺れもあって、診療に忙殺されている夫にも仕事にもミナサン(トイプー3匹)にも、多大な迷惑をかけた。
個人で開業している以上、私にはまず夫をサポートしなければならない大前提があるはずなのに、である。

優先順位を付けてみた時に、今、本当にフラを一番にすべきなのだろうかと自問自答も嫌というほどした。

それでもホイケに参加するのを辞めなかったのは、この山を通過して初めて見える景色を見たかったからだ。
踊りの力はもちろん、価値観や、限界への意識はどう変わるのだろうか。

永遠にその日をたぐり寄せることは出来ないような気がしたが、ホイケの日はやってきた。

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めぐろパーシモンホールは1200人収容の新しいホール。
前日からの雨も上がって、快晴。

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前日夜遅くまでの音合わせに引き続き、当日は5時起きで集合。
我々のクラスだけの楽屋には、ここまで来たら体力勝負よと、沢山のおにぎりやお菓子が。

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お弁当もロコモコ風。

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舞台前の緊張緩和にラヴェンダー(Lavender:Lavandula officinalis)とサンダルウッド(Sandalwood:Santalum alba)を持ち込む。
本当はデフューザーを持ってきて楽屋中に拡散したかったけれど、香りが苦手なクラスメイトもいるかも知れないので、嗅ぎたい人だけが使うようテーブル上に置いておく。

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ここ数日、踊りの練習がほとんど出来ないほど4曲分の衣装と小物の準備に追われ、晴れてそれを身につけるクラスメイトたち。

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開演直前まで、多くのスタッフが舞台の準備に追われている。

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観客の入るほんの数時間は、単なる結果でしかない。

舞台は、そこへ至るまでに費やされる膨大な練習と準備の時間と労力にこそ意義があり、そこに生まれる連帯感や達成感を獲得することが個人を突き動かすのだ。

その長い準備は終わった。

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さあ、舞台へ・・!


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