自宅、ローズマリーの香り [ハーバル]
ロンドンに引き続きNYへ突撃した3週間は、これまでの人生の中でもかなり上位に入る濃さであった。
去年の6月もハワイとエジプトに出かけた濃い週間があったけど、今回の比では無かった気がする。
気持ちが一点へ集中していると、他の何かが疎かになるもんである。
犠牲はクロである。
もともと他の2匹に比べ病院通いが多い子であったが、私の留守中に糖尿病を発症して病院に担ぎ込まれた。
先天性の遺伝によるものだから仕方ないとドクターには言われたが、犬の糖尿は発症したら1ヶ月足らずで急激に進行するらしく、その1ヶ月が私の旅行期間とちょうど重なってしまった。
NYから帰ってブリーダーさんからクロを抱き取った時、もの言わぬクロのあまりの軽さと(1週間で2キロ減った)真っ白に白濁した目を見て、思わず泣いてしまった。
出かける前とは別な犬のようだった。
視力が急激に失われていく時に、私が側にいなかった彼の不安はいかばかりだっただろうと思うと、ロンドンもNYも私の中で急激に色褪せていく。
出かける前にリニューアルを済ませた中庭には、いつのまにかローズマリーが花をつけている。
Rosemary=海の雫(Rosmarinus officinalis)の名の通り、うす水色の可憐な花だ。
ミナサンを庭に放すと、みんなローズマリーの香りを身体に付けて家に入って来る。
そんな日常のささやかな楽しさが、心のギャップを埋めてくれる。
NYでも何度か目にした穏やかな日常は、たまに手にするエキサイティングな体験以上に、我々の生活には必要なものだ。
またそこに戻っていけることに、今は安堵している。
2011-10-22 10:31
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