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赤坂、メディカルアロマセラピストの周辺 [クリニック・シンドローム]

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さあ、これから出掛けようというツメ。

電車の時間まで残り30分。
身支度・化粧と、ミナサンの世話と、戸締まり・・・と。
その「ここが勝負!」っていう時に、毎朝このヒト(イヌ)がこうなのである。
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ちょっとぉ。
この抱き癖つけたヒト、出てきなさい!

いつもお気軽ブログを書いてるんで、どうせ有閑マダム(何だか懐かしい言葉だ。一条ゆかりサンの「有閑倶楽部」思い出すなあ)のお出掛けでしょ・・・って感じもちょっと悔しいので、今日はちょっと自分の仕事について語ろうかと思う。

昨日、仕事の打ち合わせをした。

私の仕事は、ブログのサブタイトルから推測すれば「メディカルアロマセラピスト」ということになろうが、いったいメディカルアロマセラピストってなに、と自分でも思う。

このタイトルをつける時は、「(サロンやスパではなく)医療機関で働いているアロマセラピスト」という意味で気軽にその辺に落ちていた言葉を拾ってつけてしまったが、最近雨後のタケノコのように開校しているお手軽アロマセラピスト養成機関のHPなぞを開いてみると、この言葉が氾濫しているではないか。

このことについては以前も書いたかも知れないが、アロマセラピストは民間資格である。

ゆえに養成機関が認めれば、究極養成機関になんか行かなくても、そこのけそこのけの勇気さえあればアロマセラピストと名乗って仕事することだってできちゃったりする。

私はIFA(International Federation of Aromatherapists)というイギリスの資格を取ったのだが、当時はアロマセラピストという言葉もまだ完全に浸透していなくて、日本におけるIFA資格取得認定校も少なく、九州や北海道から来ている生徒もおり、知識と実技両方を学びながら試験やアサイメントにに追いまくられる”充実した”時間を過ごしたと記憶している。

しかし今や、IFA認定校も日本で42校と増え、別にイギリスの資格じゃなくても、通信教育でだってアロマブレンダーやらアロマコーディネーターやらアロマアドバイザーやらという意味不明の資格が乱発されるものだから、なんか日本のこの業界は完全に混沌としてしまい、「アロマ」と冠詞をつけさえすれば業界参入、即収入可、みたいになってしまった。

もともとアロマテラピーは、ヨーロッパで現在の西洋医学が発達する以前に、エッセンシャルオイルの薬効成分を使って医療の分野で多く使われていたものだから、ルーツからすればそれは医療機関で使われることが正統な気がするのは、学ぶ側からすれば自然なことだ。

しかし、これだけ西洋医学が発達した現在では、アロマテラピーの医学的役割は完全に終了しているはずで、医療機関においてのアロマセラピストの需要は、特にアロマテラピーの歴史的使用例がない日本では残念ながら限りなく低い。

医療分野でのアロマテラピーの出番は、医学がすでに及ばないところまで進行した一部のターミナルケアや予防医学の分野、そして医療の指の隙間からこぼれ落ちた(この表現を私はよく使う。完全な医療を受けても満たされない、主に精神的な部分を指す)部分だろう。

産科医療においては、アロマテラピーは完全に後者の一部分と付加価値を担っているに過ぎない。
6年間、クリニックでアロマテラピーを実践してきて、そう思う。

だから基本的には医療機関でのアロマテラピーは対価を求めずに行われるボランティア的な活動に徹するのが自然だろうと思う。
メディカルアロマセラピストなんていう職業はそもそも無いし、少なくとも日本ではほとんど成立しないのだ。
(一部の医療機関において、サービスの一環として取り入れたアロマテラピーが集患数をアップすると見込んでセラピストを雇い、給与を支払う例はあると思う)

アロマテラピーは、実際に自分の生活の中に取り入れてみれば、習慣的・予防的な健康法としては本当に価値があるものだと実感する。
また産科クリニックでアロマテラピーを実践してきた6年間は、職業として実際に成立するかという意味では敗北感を味わい続けたが、施術をしてきた患者様との接点は、人の役に立ちたいという人間の基本的な欲求の琴線に十分触れるものであったことは間違いが無い。

その目的のために、これからも私はクリニックでこの仕事を続けていくだろうし、その目的のために、広告や流行に踊らされず真摯にアロマテラピーを学び、世に出て行く人たちが増えることを願ってやまない。



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M.K

コメントなどしたことはないのですが、私の生活環境が大きく変化する中、日頃参考にさせて頂いているブログに対する感謝の気持ちとして。

こちらのブログは、フレグランス関連でパチュリを検索していた際にヒットして以来、当時は距離的に近い浦和にて、妊婦の妻と共に住んでいたいう親密感から、拝読させて頂いております。

今回のお仕事への真摯な姿勢につきましては、これまでのブログ内容からすれば自ずと窺い知ることが出来ました。日頃の好奇心と深掘り、そして卓越した行動力がお仕事にも大きな差別化をもたらしていることでしょう^_^。
日常生活に絶えず彩りを散りばめ続けるその生活STYLE、ご子息より少し上の年齢である私にとりまして、今後の
過ごし方への参考とさせて頂きます。
益々のご活躍を願っております。

軽井沢より
by M.K (2013-07-07 18:58) 

mana

M.Kさま

どういうふうにお返事を書いたものかわからないほど、ありがたく、また大変うれしくコメントを読ませていただきました。
年甲斐もなく、エンジン全開おばさんのブログをこんなに評価していただいて、汗顔の至りです。

医療現場におけるアロマテラピーの位置を考え続けて年を取っていくようですが、この頃ようやく私なりの方向が見えてきたように思って書いたブログでした。

今週末は私も友人たちと軽井沢に参ります。
本当にありがとうございました。
by mana (2013-07-08 15:53) 

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