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クリニック、税務調査 [クリニック・シンドローム]

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薄紙を剥ぐように、という例えが病気が少しずつ癒えていく様子を表すなら、クロの容態は薄紙を重ねるように、本当にかすかな下降線を辿りつつ来るべき日に近づいているようだ。

先天性の糖尿病を発病して2年半、毎日インスリンを打ちながらよくここまで頑張ってきたと思う。
もう、他の2匹のいるソファにも上がれなくなり、夜私のベッドにも上がるのには手助けがいる。
何よりラテン系の陽気な鳴き声をほとんど発しなくなり、寒さの訪れと共に重苦しさが募る。

そんな中で、今週クリニックは税務調査。
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開業していると、こんな小さな有床診療所でも、保健所の検査だ、消防署の検査だとひっきりなしの検査漬け。
お役所にがんじがらめである。

その度に上から目線で重箱の隅をつつかれるので、受ける側にとっては決していい気持ちのものではないけれど、日本で業を営んでいくんであるから義務化されているものは受けなきゃ仕方ない。

そんなオブリゲイトリーな検査・調査の中で、素人ながら15年クリニックの経営を預かってきた私が当事者となるのが税務調査。
医療法人になってからは初めてタックス・オフィスと相見えるのである。

言ってみれば、財布の中身や家計簿を隅から隅まで他人に点検されるような感じだから、まあとっても気持ちがいいもんかと言うと、絶対そんなことはないのである。

夫は「納税は国民の義務。しっかり納税して残りを堂々と遣う」と言い放つ、税務署のスローガンのような人だから、大した節税もしていない(・・というか経営には無頓着)このクリニックにはもう差し出すものは無いはずなんである。

なのに、である。

何かは見つけてやるという税務署魂がひしひしとこちらに伝わってくる。
ちくちく言われて、当事者たる私はもう吐きそうである。

毒キノコを食べて食中毒になったという会計事務所長のバカ話(アイスブレーカーでもあるし、これで調査の時間を削るのが受け手の応戦体制の常らしい)にも、税務署員の目は決して笑ってないんである。

2日目にはむしろこの真剣勝負っていうか、腹の探り合いを第三者的に見物しようって気にもなる。

中絶手術に使う麻酔薬と手術数を徹底的に調べ上げるという最もトラディショナルな産婦人科対応調査(麻酔薬の方が多ければ手術数を過少申告しているという今どきあり得ない嫌疑を大前提としている。資料を差し出す職員たちも大憤慨)に4分の3の時間を割いて、調査終了。

逆に鋭利な税務署員になって、気づかないところにびしびしメスを入れ、さらなる税金を召し上げる達成感も味わってみたくもあるけれど、私の在任中にはもう二度と来ないでね。

今夜はドロ酔いしてやります。
・・・・って前園か?







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