自宅、ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ [マイハーベスト]
母の4年目の命日。
クリスチャンなので、〜回忌という言葉も、法要も無い。
お墓は先週末に掃除をして来た。
戦前に茨城の片田舎から東京女子師範に進んだ知力と勤勉さをもってすれば、どんな人生の主役にもなり得たろうに、万事に目立つ振る舞いを好まず、父の支配下に辛抱し続けて閉じた野草花のような生涯。
父はとうにその日のことなど記憶から消し去っているので、私一人が心の花を手向ける日だ。
お母さん、これでいいんだよね。
そんな普通に始まろうとする一日の始めに、どうやって覚えていてくれたのか数人の友人からメール。
思いがけない人から花も届く。(S谷、ありがとう)
何気なくその花との写真をFBに上げると、普段母親のアップロードなど完璧無視の海外赴任中の息子二人から、”おばあちゃんの思い出”コメントが寄せられる。
二人の孫の才能をとことん信じ、無条件に愛してくれた母は、間違いなく息子達の心の中に居る、と確信する。
その晩は、大学生の頃、うちで散々酔っぱらっては母に迷惑をかけていた7つ年上の従兄が仙台からふらりと遊びに来て、二人で神田須田町のアンコウ鍋をつつきながら思い出話をする。
母も、こんな命日を喜んでくれたと思う。
・・・・というのを皮切りに、そんな地道な母の要素を何一つ受け継がず、恥も外聞も無く表に出るのが大好きな還暦娘は、飲み会ウィーク突入である。
ドラムのレッスンの後のダブルヘッダーという日もあり、さすがにヘロヘロである。
(関係ないけど、化粧ポーチも破れた・・・)
寛大な夫とは、一週間玄関のメモで、伝達事項を伝えるのみ。
日曜はさすがに倒れ込んで、カリブの熱風に吹かれる。
「BUENA VISTA SOCIAL CLUB」(監督:ヴィム・ヴェンダース/ライ・クーダー、イブライム・フェレール他/1999年ドイツ・アメリカ・フランス・キューバ)
今月初め、アメリカに経済制裁を解かれたばかりのキューバは、これから急速に資本主義色に染まっていくことだろう。
崩壊したソ連に置き忘れられたレトロな街のアフロビートも、今後はアメリカナイズされ、また新しい音楽が作られていくのだろうか。
’97年グラミー賞を受賞したアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の天才老キューバン・ミュージシャン達を現地に訪ねたノンフィクション。
言葉に表現しきれない感情を迸しらせるように、しなやかな身体から打ち出される本能のリズムと叫び。
その背後に広がる、濃い歴史と人生と風土。
やられた。完璧。
2015-07-13 14:21
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