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自宅、ラリルレ論 [マイハーベスト]

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何日か、えも言われぬ美しい夕暮れを見た、と思ったら、いきなり台風が来て、九州や四国をめちゃめちゃにして、そしてやるせなくスタッキングな猛暑が列島を襲って来た。

軽井沢に逃げ込んでも、ここ2年ほどはそれほど避暑にならない。

山荘ですから・・・と設計者は言い、自然の涼を感じるためにも、環境を破壊しないためにもエアコンを取り付けない森の中の家は、これまでこの地にはあり得なかった30℃超えという異常な暑さが最近続き、息も絶え絶えである。

ヒートアイランド現象の一番の被害地であるベッドタウンに位置する我が家では、言わずもがなである。

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お手上げでございます。

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練習用の電子ドラムが置いてある2階のリビング全体を冷やすのにかかる時間と浪費を省いて、一番使用頻度の高いパウダールームに簡易のトレーニングパッドを置いて、ひとっ風呂浴びる前にここで一旦汗を流すことにする。

この頃、自分のドラムの最終目的地が見えない。

この年の習い事は、ゴールを設定しない、日々進歩すること自体が目的なのだとうそぶいてはみても、なかなかゴールの無い疾走というのはキビシいものである。

クラシックからどこでもドアでポピュラーミュージックへやって来たので、RADWINPSというバンドも、野田洋次郎という人も知らない。

書評を読むと、業界では才能のある人としてつとに名高いヴォーカリストであるらしい。

バンド系の楽器を始めてしまった者として、きちんと活動している王道ライブバンドに属する人達はどういう生活をされているのだろうと興味の赴くままページを繰っていく。

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「ラリルレ論」(野田洋次郎著/文藝春秋)

最近お笑い芸人さんが芥川賞を取ったことで、異業種の人間の文学的なセンスが急に脚光を浴びている。
本著、400ページのエッセイというのは本業の人でもかなり力が要ると思うのだが、これまた異業種の音楽界からさらりと上梓である。

実を言えば、芸人として登っていく過程を独特のセンスで書いたかの芸人さんの方は、力足らずで私はあまり評価できなかったのだが、半年に渡るツァーの間書き綴った日記をもとに著されたこちらの文章は、ことさら文学的に仕上げようというスフォルツァンドが感じられず、すっと染み込んでくる96度のスピリタスのような純度が素晴らしいと思う。

言葉で芸をするお笑いの世界もある意味文学センスを養うのだろうと思ったが、もっと刹那的な歌という短いフレーズに世界観を込めるシンガーソングライターは、さらにであろう・・・と思ったら、「歌詞なんて曲の飾り物じゃないか」とあっけらかんと言い放つ。

29歳の若者のしなやかさ。

しかし、その歌詞を書くことで、経験や表現を自分に再認識させているのだと、さらに一歩踏み込むところが彼の人生の奥行きなんだろうと思う。

範疇外の人間からは「簡単に言うなら不良??」と括られがちなカテゴリーから、人間なら持って当たり前なしごく真っ当なモラルや生活感が、その角度から来るのかという絶妙な入射角で心に入ってくる。

バンドという個性の調和の集大成を、気負い無く、個々のメンバーへの大いなるリスペクトを持って描き切り、その中の自己の立ち位置をまっすぐな視線で捕らえた客観性がたまらなくステキだ。

バンド、あと30年若かったらやりたかったなあ、とオバサンドラマーは羨ましいぞ!!



孫娘の誕生日。
息子しか持たなかったので、指を咥えて見ていたひらひらドレスをおおっぴらに買える日だ。
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夏。
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いろんな思いを乗せて。
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