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ふじみ野、脇役 [クリニック・シンドローム]

結局、脇役なんだなあと思う。

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サラリーマンの娘が医者になるかどうかもわからない学生と結婚し、その医学生が紆余曲折を経て20年後、東京のベッドタウンに小さく4床の産科診療所を、ビルを間借りして開業する。
最初は人手を雇う経済力も無く、掃除や食事の配膳も私がやったなあ、としみじみ懐かしい。

そこから17年。
HPを改訂するために、自分でクリニック・アラウンドを撮影して廻る。

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普段、見ているようで見えていない自分の職場。
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多くのスタッフと患者様たち。
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少し古びてきてはいるが、白い小さな産科クリニックは夫の理想の形でもあり、歩みを未だ止めないでいられる。
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雇用機会均等法が無かった1970年代、4年制大学卒女子の正式採用は無く、父から「メシの種にならない学問をすることこそが女子の特権」と叩き込まれ、うかうかと児童文学なぞにのめり込み、特権と言われたからには頑張って勉強して、卒論は各科から一論文だけ掲載される卒論集に載せて頂いたような気がする。

その卒論の題材が、「宮沢賢治作品のリズムと韻」だったことを昨夜はたと思い出し、え、リズム? それが今のドラムに繋がっているのかという(そこか!)想像に行き着いて、眠れなかったりもする。

閑話休題。
逸れたね。

最近、文系を大学教育から外す議論が喧しいが、それもよかろう。
文系と理系を分別するのは日本だけだというエッセイも読んだが、それも本当だろう。

特に文学部については、大学での修業がなかなか特化したスキルになり得ないのも、私が証明できる。

でも父が言ったように、メシの種にならない学問ほど、本当はスゴく楽しいものかも知れない。
何の駆け引きも無く、打算も、目標すらも無く、自分が面白いと思ったことをとことん勉強して追いかけていく。
大学時代に、その醍醐味にほんの少し触れたことは、私の人生の無駄にはならなかったような気がする。

役に立たないからと言って文系を追放するのは、なんかちょっと効率重視の打算がすぎる気がするんだけど。

文学というフィールドを知ったおかげで、カンペキ理系医学部卒の夫とはまた違った、多様で面白い人生を享受できていると思うのは、毎日毎日完全燃焼、趣味を語るヒマなど無い夫への負け惜しみ、そして、彼が開いた診療所のサポートに追われる自分への無理矢理な自己満足なんだろうけれども。
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脇役ならサイコーの脇役を楽しんでやりますよ。

余裕があってこそ感じられる実りの芳醇さ。
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心に吹き抜ける風の軽やかさ。
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ドラムなら、曲のニュアンスを決めるハイハットってとこかな。

叩き出す老夫婦の2ビート、あともう少し聞いてください。







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