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大手町、Aman Tokyo [セルフィッシュ・ジャーニー]

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高層階のホテルの部屋からは、皇居を眼下に挟んで、千鳥ヶ淵の我が家が見える。
辺りと水濠一面が薄紅色に染まるのも、あと数日だろう。




S子とのAmanenu滞在を僅か1週間前に置いて、夫が連休スケジュールが空くというので、急遽今度は、同じKerry HillがTokyoをデザインするとどうなるかを見たくなる。

土曜診療を終えて出て来る夫とは夜銀座の鮨屋で待ち合わせることにして、まずは美容室で我が身をリセット。
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1年前にオープンして話題を呼んだヒップスポット、こちらも武装して出掛けなくては。



チェックイン後、ウェルカムシャンパンで夕焼けを見ながらまず一人で酔っぱらう。
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東京に最近進出目覚ましい外資系ホテルのご多分に漏れず、この高層ビルの上層階をホテルに仕上げるスタイルを、実はあまり評価していない。

ビル自体に特徴がなく、ホテルのエントランスが分かりづらく、都内のタクシーでも迷うことが多い。

エレベーターで上がる経路もさらに複雑で、レセプションからまた違うエレベーターで部屋へ上がらなければならず、ホテルに到着した時の高揚感が、乗り継ぐエレベーターの上昇と反比例してぐんぐん下がっていくのを何度も経験しているんである。

Aman Tokyoは、途上国の未開の地形と安い人件費を洗練されたデザインホテルに上手に取り入れたリゾート開発で成功してきたAmanが、大都会の、それもリゾート地とは真逆の一大オフィス街大手町に進出した、ある意味Aman史上画期的なランドマークである。

永代通りに面した最新のオフィスビル34階の、レセプション、ロビー、レストラン等パブリックゾーン一手に集めたスペースは、2層分をぶち抜き、ある人曰く神殿のような圧倒的な空間である。
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マンダリンやパークハイアットもパブリックゾーンは2階分を解放した空間ではあるが、その巨大な「神殿」っぽさを強調するのは膨大な面積の壁面に貼られた暗灰色の大谷石の圧倒的な分量だろうと思う。
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中でも気に入ったのは2層分の壁面を利用した大ワインセラー。
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フードマネジャーが「特別に」(・・と誰にでも言うのだろうが)と案内してくれたセラー内部には、出番を待って300種1500本がひっそりと呼吸している。

以前ワインセラーが書斎に設置されたバンコクのレジデンスに憧れ尽くしたが、ワインセラーとは食欲、所有欲、あるいは自己顕示欲を刺激する実に雄弁なインテリアツールだと再認識する。


Aman Resortは、日本進出にあたってまず京都を目指したと言うが、諸問題で頓挫。
結果、東京と伊勢志摩になったのだというが、その京都への後ろ髪引かれる思いが随所に表現されているように思うのは穿った見方か。

バーカウンター。
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町家風の伽藍の後ろに見え隠れする厨房。
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このパーティションは、チャイニーズとコンフューズ?
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外国人が解釈するジャパニズムを見る時、この混同はままあることだ。



個室はさらに「和」である。
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再開発目覚ましい大手町のビルクレーンが目の前にあるのが惜しいが、このバスタブは気持ちいい。
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外国のホテルの長いバスタブに横たわっていつも溺死しそうになるので、日本式の間口が小さく深い浴槽に縦に入ってこそ日本人かと。

かけ湯用の柄杓も完備。
ここは、浴槽を出て身体洗うんだよというジャパニーズスタイルを外国ゲストに押し付けようという意志の強さがびんびん感じられ・・・

説明するスタッフも大変だろうが、Oh, my God! It's so stupid !の悲鳴も聞こえるような気もするけれど。

薬湯の用意も。
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時として、日本文化を至れり尽くせりで紹介している必死感が、日本人としては少し滑稽でもある。

バスタブが見える雪見障子ってのも、外国人の発想っぽい。
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(だって外の景色ならバスタブから見放題なのだからして・・)


遺産に登録された「和食」を始め、世界中の美味しいものが集まる銀座や赤坂にいくらでも繰り出せるロケーションに、そこは一歩譲ったか、ダイニングの料理は特に評価に値しない。
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一晩は銀座の鮨屋に繰り出して大正解。
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しかし想像以上に、Kerry Hillのデザインは、和と東京のダイナミックさを上手く捕まえてビルの無表情な空間を逆手に取り、迫力をばっちりオーガナイズしたなとちょっと感動する。

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同じ外国人デザイナーの日本解釈という点で比較しても、大人しすぎるAmanenuより、私は完全にこちらを指示。

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夫婦の短い休日に、新しい東京。
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It's not so bad.


留守部隊はおおいにふて腐れていたけれど。
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