ふじみ野、パチュリの思い出 [フレグランス・ストーリー]
最初の記事は、2007年11月26日。
「おいで!パチュリ」は、一番好きな香りの名前からだった。
イギリスのアロマテラピーを学んでトリートメントサロン「オフィキナリス」を設立し、夫のクリニックを補佐する自分の立ち位置から、本来の代替医療としてのアロマテラピーを追求していこうというスタートラインに立った頃だった。
院長室を区切ったにわか作りのトリートメント室から、妊娠・出産期をアロマテラピーを併用して自分の意志で乗り切っていった患者様が、沢山初々しい母になって巣立っていかれた。
エッセンシャルオイルの薬効成分による実際の効用だけでなく、会話と掌から伝わる患者様の人生に40週、産科医の夫とは逆のベクトルから寄り添う毎日は、私の人生にとっても大きな方向転換であった。
非科学的な領域と結びついて呪術的に語られることも多かった古来のアロマテラピーに、100年近く前にエッセンシャルオイルの成分分解をもって科学的な光を当てたルネ・モーリス・ガットフォセやジャン・バルネ医師が提唱したアロマテラピーの医学的利用は、最初の抗生物質ペニシリンが発見されて以来、目覚ましく進歩を続ける西洋医学に追い越されて、徐々に価値を薄れさせてきた。
ましてや日本にアロマテラピーが普及し始めたのは1995年以降。
西洋医学がごく一般的となっている今日の土壌に、アロマテラピーの医療的導入は非常に難しいと、いざ現場で働くとそれは身に滲みて感じた。
それでも夫の理解とアロマテラピーのある生活の質を評価してくださった患者様に支えられて、15年の歳月をこの仕事に費やしてきた。
その実践の場を、ここで得られたことは本当に幸せに思う。
近年アロマテラピーは、抗生物質の耐性の問題や、予防健康法、未病における早期治療の観点からひとつの活路を見いだしつつある。
また嗅覚に捕らえられる香りの刺激は信号として脳に伝達され、記憶や自律神経調節に密接に関与することから、エッセンシャルオイルの芳香を利用した認知症や心理障害改善への期待も高まっている。
最近助産師とアロマセラピストがタックルを組んだ我がクリニックの妊娠・出産期におけるアロマテラピーが、簡単ではあるが文献として専門誌に掲載される機会を得、これまでの試行錯誤が一つの形になったような気がしている。
仕事の裏側の私生活では、その間息子達が独立し、両親を送り、東奔西走しながらもようやく母親と娘という二つの立場の責任から、還暦を迎えた歳に解放されることになった。
ふと立ち止まって考えると、時にたまらなくなるのは、大学生活の延長のように結婚生活に入ったせいで、自分の一人勝負の機会に今まで巡り会わなかったことだった。
自分一人でできることは、いったいどれだけの大きさ(あるいは小ささ)なのか。
自分の素性を全く知らない人達の中の私の価値って如何ほどのものなのか。
賑やかな家族や友人がいない寂しさは何色なのか。
大好きなものに触れられない体温はどれだけ低下するのか。
それらを知るのがこういう突飛な方法であることに多くの人が驚愕するが、それ以外の手段を私は見つけられず、また思いついたら迷う暇がないうちに実行へ移すのが信条。
そして、約半年で準備が整った。
長らくお読み頂いた「おいで!パチュリ」
これまでこのブログで出会えた多くの方々のお心寄せに心から感謝。
今度はシンプルに「おいで!パチュリ2」と名を変えて、違った舞台と視点から人生模様をお伝えしようと思う。
皆さま、今度ともどうぞよろしくお願いいたします。
おいで!パチュリ2はこちら。
http://n-officinalis.com/blog_patchouli2/
「おいで!パチュリ」は、一番好きな香りの名前からだった。
イギリスのアロマテラピーを学んでトリートメントサロン「オフィキナリス」を設立し、夫のクリニックを補佐する自分の立ち位置から、本来の代替医療としてのアロマテラピーを追求していこうというスタートラインに立った頃だった。
院長室を区切ったにわか作りのトリートメント室から、妊娠・出産期をアロマテラピーを併用して自分の意志で乗り切っていった患者様が、沢山初々しい母になって巣立っていかれた。
エッセンシャルオイルの薬効成分による実際の効用だけでなく、会話と掌から伝わる患者様の人生に40週、産科医の夫とは逆のベクトルから寄り添う毎日は、私の人生にとっても大きな方向転換であった。
非科学的な領域と結びついて呪術的に語られることも多かった古来のアロマテラピーに、100年近く前にエッセンシャルオイルの成分分解をもって科学的な光を当てたルネ・モーリス・ガットフォセやジャン・バルネ医師が提唱したアロマテラピーの医学的利用は、最初の抗生物質ペニシリンが発見されて以来、目覚ましく進歩を続ける西洋医学に追い越されて、徐々に価値を薄れさせてきた。
ましてや日本にアロマテラピーが普及し始めたのは1995年以降。
西洋医学がごく一般的となっている今日の土壌に、アロマテラピーの医療的導入は非常に難しいと、いざ現場で働くとそれは身に滲みて感じた。
それでも夫の理解とアロマテラピーのある生活の質を評価してくださった患者様に支えられて、15年の歳月をこの仕事に費やしてきた。
その実践の場を、ここで得られたことは本当に幸せに思う。
近年アロマテラピーは、抗生物質の耐性の問題や、予防健康法、未病における早期治療の観点からひとつの活路を見いだしつつある。
また嗅覚に捕らえられる香りの刺激は信号として脳に伝達され、記憶や自律神経調節に密接に関与することから、エッセンシャルオイルの芳香を利用した認知症や心理障害改善への期待も高まっている。
最近助産師とアロマセラピストがタックルを組んだ我がクリニックの妊娠・出産期におけるアロマテラピーが、簡単ではあるが文献として専門誌に掲載される機会を得、これまでの試行錯誤が一つの形になったような気がしている。
仕事の裏側の私生活では、その間息子達が独立し、両親を送り、東奔西走しながらもようやく母親と娘という二つの立場の責任から、還暦を迎えた歳に解放されることになった。
ふと立ち止まって考えると、時にたまらなくなるのは、大学生活の延長のように結婚生活に入ったせいで、自分の一人勝負の機会に今まで巡り会わなかったことだった。
自分一人でできることは、いったいどれだけの大きさ(あるいは小ささ)なのか。
自分の素性を全く知らない人達の中の私の価値って如何ほどのものなのか。
賑やかな家族や友人がいない寂しさは何色なのか。
大好きなものに触れられない体温はどれだけ低下するのか。
それらを知るのがこういう突飛な方法であることに多くの人が驚愕するが、それ以外の手段を私は見つけられず、また思いついたら迷う暇がないうちに実行へ移すのが信条。
そして、約半年で準備が整った。
長らくお読み頂いた「おいで!パチュリ」
これまでこのブログで出会えた多くの方々のお心寄せに心から感謝。
今度はシンプルに「おいで!パチュリ2」と名を変えて、違った舞台と視点から人生模様をお伝えしようと思う。
皆さま、今度ともどうぞよろしくお願いいたします。
おいで!パチュリ2はこちら。
http://n-officinalis.com/blog_patchouli2/
2017-02-06 15:45
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まなセンセ、
ふじみ野ふさ子です。現在は川崎市溝の口にダンナの転勤で家族できています。
まなセンセ、
かっこいいっす!!!パチュリ2、楽しみです!!
送り出してくださるご家族、本当に最高です!!!
by ふじみ野ふさ子 (2017-02-07 14:48)
ふさ子さん、お久しぶりです。
3人のお姫様、お元気ですか?
ふさ子さんは最も印象に残るクライアントさんのお一人で、私もパワーをたくさん頂きました。
またロンドンから珍道中をお伝えしますね。
お暇な時にパチュリ2、ご覧ください!
by mana (2017-02-08 08:14)
こっそり読んでいた38歳の一主婦読者です!
2も楽しみにしています!
by ゆうこ (2017-02-08 14:07)
ゆうこさま
ありがとうございます。
こっそりでなく、おおっぴらに読んでくださいませ(笑)
パチュリ2もどうぞご贔屓によろしくお願いいたします。
by mana (2017-02-09 18:24)