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丸の内、リセットする日 [ウッド]

「manaさんなんか、あんまり悩むことなんてないでしょう」

よく人に言われるが、他人にそれを見せちゃいけないと踏ん張ってるだけで、煩悩満載、問題山積。
本当は何もかも放り出して蒸発しちゃいたい!と心折れそうになることもよくあるんである。

でも若い頃より今にアドバンテージありと思うのは、そういう落ち込みや逆の興奮状態から自分をすくい上げるツールをいくつか会得したことで、特にアロマテラピーを学んだことの効果は大きい。

ちょっとヤバいな、と思ったら、深刻な状態にならないうちに、それらの方法を使ってすぐに正常な位置へ自分を戻してやること。
それが50年余の人生を使って得た、バランスを保つための教訓なんである。

東京がすっきりと晴れ上がった6月&レバ刺し最後の日は、昔の友人二人と、ちょっと美味しめのランチに行く。
今の友人だと現在のまずい状態がフラッシュバックするので、無条件にバカを言い合える「昔の」という要素が不可欠。

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グリルうかい。
http://www.grill-ukai.jp/
大好きな丸の内ブリックスクエアでご飯食べるには、絶好の土曜の昼下がりである。

夏らしいサザエのグリルは、白ワインとパリパリのフランスパンにばっちり。
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12:30から町並みに夕暮れの色濃く映る19:30まで、場所を変えつつ、話題を飛ばしつつ、お互い知り尽くしているプライベートをいじくり倒して大笑いである。

帰宅後は胃に詰め込んだ肉とスイーツの固まりを中和させ、アルコールを解毒するため、夕食は摂らず、フルーツビネガーをたっぷり飲む。
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寝る前に、先日ロンドンのカンファランスの会場で手に入れたフランキンセンスを焚く。
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フランキンセンス(Frankincense:Boswellia carterii)は乳香とも言われる樹脂で、古代エジプトの埋葬品の中からも見つかっている世界最古のお香である。
もちろんエッセンシャルオイルも手に入るが、実際に樹脂をバーナーで焚いてみると、えも言われぬ芳香が煙とともに立ち上がり、香を焚くという一連の動作と相まって、煩悩が煙とともに空へ消えて行くような浄化感が味わえる。
(注:家の中で焚く場合は換気扇の下か半戸外で。消防車がすっ飛んでこないように)

このTHE FRANKINCENSE STOREでは、ちりちりと可愛らしく燃えるバーナー用カーボンタブレットを付けてくれた。(フランキンセンスをのせるくぼみ付きのタブレットはこう使うと解釈したのですが、間違ってるかもしれません。)
その上、水に溶かして「飲む」フランキンセンスもゲット。
(飲む方は、後日報告)
http://freeyoursenses.co.uk/home/4555294453

ウツウツのリセット完了!
明日からはレバ刺しの無い(ここ、こだわる!)生活のリスタートである。

千鳥ヶ淵、冬に香るオイルたち [ウッド]

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「うわお、mana、これ何の匂いなの?」と玄関を入ってくるなり、フィリップが声を上げる。

新潟ではお孫ちゃんがおたふくにかかり、水戸の両親はノロにやられたと連絡が入り、新型インフルで戦々恐々としていた去年に比べて楽勝じゃんと思っていた今年も、じわじわVirusと対決体勢に突入しつつある。

千鳥が淵も我が家もディフューザーがフル回転でラディアタやティトゥリーを拡散しまくり、部屋中の殺菌消毒に全力投球である。

グロブルス(Eucalyptus globulus)よりカンファー臭の強いラディアタ(E.radiata)やマイルドなスミシ(E.smithi)をよく使うが、フィリップは「小さい頃、母親に塗ってもらったヴェポラップの匂いだ!」と懐かしがっている。
同じ年頃の愚息たちは部屋に何の匂いが充満していようとワンフレーズもコメントを発しないので、やはりアロマテラピーが生活に深く根ざした国に育つと、アンテナの向く先が違うものだなあと思う。
(次男は、「一応仕事だから、ヤツは気を遣ってんじゃないの?」とイジワルを言うけれど)

夜が長いと、アロマキャンドルも出番が多くなるものである。
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バーグ校長のハンドメイド、ラヴェンダー&アンバーのキャンドルが、密度の濃い香りを満たしているパウダールームで毎夜フラの練習をするのも、新年から憂鬱な仕事満載の日常に豊かな時間を提供してくれる。

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「オカン、ワシ、この匂いにも慣れて来たで」

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「糖尿のワシとしては、もちょっと活気づく匂いが欲しいねんけどな」

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「なーに言っちゃってんのよ。止めなさいったら、このデフューザー!この匂い嗅ぐと、イーって自然に歯をむきだしちゃうんだってば!」

現在、読破中。
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「イヌは匂いの夢を見るーなぞに包まれたイヌの嗅覚を科学するー」(外崎肇一著/フレグランスジャーナル社)



めぐろパーシモンホール、舞台へ [ウッド]

発表会と名が付くものは、子どもの頃のピアノの発表会ぐらいしか経験が無い。
教育者だった両親は、私がどんなに懇願しても芸能系の習い事を一切許してくれなかった。
濃い舞台メークや派手な衣装を嫌ったらしい。

50歳を過ぎてフラを始めたのは、舞台に立つことが目的ではなかったけれど、「楽しければいい」カルチャークラブとは一線を画した「人に見せられるフラ」を、というスタジオの考えに従い、今回初めてホイケ(ハワイ語で発表会)に参加することになったのは前述のとおり。

何十年も踊っている年配の女性のフラは本当に優雅で美しいが、昨日今日始めた50過ぎのオバサンのフラを観客が見たいかどうか(私は見たくない)は、甚だ疑問ではあるのだが。

先生を頂点にしたヒエラルキー的人員構成の舞台は、その他大勢(もちろん私もそこにいる)であっても、持てる力をすべて出し切って個々の役割を果たすことが要求される。
それはとりもなおさず、舞台を盛り上げるのにはどうしても必要な底辺であるからだ。

準備のためにここ数ヶ月、イレギュラーな練習も沢山あったし、感情の揺れもあって、診療に忙殺されている夫にも仕事にもミナサン(トイプー3匹)にも、多大な迷惑をかけた。
個人で開業している以上、私にはまず夫をサポートしなければならない大前提があるはずなのに、である。

優先順位を付けてみた時に、今、本当にフラを一番にすべきなのだろうかと自問自答も嫌というほどした。

それでもホイケに参加するのを辞めなかったのは、この山を通過して初めて見える景色を見たかったからだ。
踊りの力はもちろん、価値観や、限界への意識はどう変わるのだろうか。

永遠にその日をたぐり寄せることは出来ないような気がしたが、ホイケの日はやってきた。

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めぐろパーシモンホールは1200人収容の新しいホール。
前日からの雨も上がって、快晴。

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前日夜遅くまでの音合わせに引き続き、当日は5時起きで集合。
我々のクラスだけの楽屋には、ここまで来たら体力勝負よと、沢山のおにぎりやお菓子が。

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お弁当もロコモコ風。

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舞台前の緊張緩和にラヴェンダー(Lavender:Lavandula officinalis)とサンダルウッド(Sandalwood:Santalum alba)を持ち込む。
本当はデフューザーを持ってきて楽屋中に拡散したかったけれど、香りが苦手なクラスメイトもいるかも知れないので、嗅ぎたい人だけが使うようテーブル上に置いておく。

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ここ数日、踊りの練習がほとんど出来ないほど4曲分の衣装と小物の準備に追われ、晴れてそれを身につけるクラスメイトたち。

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開演直前まで、多くのスタッフが舞台の準備に追われている。

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観客の入るほんの数時間は、単なる結果でしかない。

舞台は、そこへ至るまでに費やされる膨大な練習と準備の時間と労力にこそ意義があり、そこに生まれる連帯感や達成感を獲得することが個人を突き動かすのだ。

その長い準備は終わった。

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さあ、舞台へ・・!


内幸町、シャンパンゴールドツリー [ウッド]

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ホイケを5日後にして、ようやく最後の衣装が出来上がってくる。
踊る『Ka Lehua 'Ula』の曲にちなみ、真っ赤なレフアの花の色だ。

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玄関の向こうにはもう明日が忍び寄っているというのに、4曲分のレイやヘアクリップを仕分けしたり、衣装を着て踊ってみたりして、なかなか日付が変わってもベッドに行き着けない。

しかし翌朝は6時起きである。

さすがに背中全体が痛んで身体が暖まらず、起きるのがめちゃくちゃ辛いけれど、ずっとアロマの患者さんが入っていたり、フラの自主練があったりで行けなかった聖心の英会話土曜クラスは、今年最後のレッスンである。
這ってでも行こうと決めている。

ようやく着けば、3人のクラスメイトは全員欠席。
なんだよー、みんな!」と憮然としたが、後でメールチェックすると、この年末皆仕事で(1人寝坊)ご苦労様という感じだ。

カリフォルニア育ちのJohnnyとマンツーマンで、マスクはウィルスを遮断するのに効果があるのかないのかとか、ティーンエイジャーに親が言う小言はどんなことについてだとか、ほぼ世間話を90分する。
帰りの電車まで一緒になって再びマンツーマンレッスン開始、「日本のタカラヅカってどうよ?」みたいな話しもする。

内幸町で彼と別れ、ホイケの準備でとてもそれ以上気が回らないため、午後のベルリッツはお休みすることにして、帝国ホテルへ。
本館ロビーに展示されている「花の建築家」ダニエル・オスト氏が手がけたクリスマスツリーを見るために。
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6mを超える巨大なモミの木には、シャンパンゴールド基調の1700個ものオーナメント。
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モミの枝が見えないほど、ぎっしりリボンやオーナメントがついているのに、過剰な感じを与えないのが見事だ。

ひとつひとつのディティールが、なんともロマンティック。
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このオーナメントは25日展示終了を待って、チャリティーにかけられる。

帝国ホテルは開業120周年。
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今は施設で暮らす父が、こよなく愛したホテルでもある。

そして、ツリー脇のティーサロンで一人ランチ。
ひとりでもゆっくりくつろげるコーナーソファの席に案内してもらい、クリスマスツリーを眺めながら食べた海老フライのサンドウィッチとリンデンのお茶が本当に美味しくて、ホイケ前のそわそわと落ち着かなかった気持ちがゆっくりとグラウンディングする。
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慌ただしさに飲み込まれそうな時、このシャンパンゴールドのツリーの魔法に、一瞬捕われてみるのもいいものだ。



自宅、夏風邪到来 [ウッド]

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[揺れるハート][揺れるハート][揺れるハート][揺れるハート]

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「今回は忘れなかったんやな、ハワイのおミヤゲ」

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「ちょっとぉ、なんでアタシのはクロのを架け替えて撮るわけ?」

それはあ!

写真撮る前にみんなで1個勝手に食べちゃったからでしょー!

ちゃんと3つ買いましたけどお。

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「え?あたしたち、そんなことした?」
「してねえ、してねえ」

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したよ!

まったく油断も隙もあったもんじゃない。
高いところに架けとかなきゃ。

ハワイの最後の日から喉が急に唾も飲み込めないほど痛くなり、何だか急速に免疫力低下傾向。

やっちまったなあ。
夏風邪かなあ。

ローレル(Laurel:Laurus nobilis)とヒソップデキュンベンス(Hyssop Decumbens:Hyssopus officinalis)のお風呂に入って免疫力をアップし、ラヴェンサラ(Ravensara:Cinnamomum camphora)やユーカリブルーガム(Eucalyptus,Blue gum:Eucalyptus.globulus)のようなスースー感のあるオイルをマスクに染み込ませてかけている。

しかし・・・
この酷暑の中のマスクって相当つらいもんだ。

鼻の下にあせもができそう・・・




自宅、What's the matter? [ウッド]

なんと久々の病欠であろう。

前回熱を出したのは、一昨年の2月ラオス・ミャンマー国境を一人旅している時だったから、2年以上も前の話しである。
その後は新型インフルだろうが、ノロ&ロタだろうが、寄せ付けずに突っ走ってきたんである。

ラオスでは休暇中だったから実害は自分の身だけであったが、本日は仕事、英会話(午前・午後)、美容院すべての予定がキャンセル&欠席である。

不甲斐ない。

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昨日の朝から頭がぼーっとして重く、肩と腰に鉛を付けられたような鈍痛が走っていたが、決算期と借り入れ利息の見直し(これを2銀行に競合させたら大変なバトルになり、もう収拾が付かなくなった)、クライアントさんのトリートメントもあり、「具合が悪い」ことを言い出せない一日となる。

夜、夫と見ているクイズ番組の答えを考えることも出来ないほど頭が重いので、熱を測ったら37.9度である。

たいした熱ではないのだろうが、滅多に熱を出さない私にとってはかなりしんどい。

原因はただひとつ、初動捜査の誤りである。

この頃加圧ジムでも「体力つきましたよねー」と褒められたりして、自分の健康を過信していたんである。
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2、3日前から喉がひりついていたのに、まーイケるだろうとたかをくくって、何もしなかったんである。

普通なら、紅茶でうがいラディアタ(Eucaryrtus radiata:Eucaryptus radiata)を染み込ませたマスク、ベイローレル(Bay Laurel:Laurus nobilis)の擦り込み、タオルを首に巻いて寝る、で、一晩で押さえ込むことが可能なのに、である。

今はもう、何をしようが遅いのである。
悔しいが、しぶしぶ抗生剤と葛根湯を飲み、白旗を掲げ、ベッドに再び潜り込む。

エッセンシャルオイルによる早期の手当が、いつも私を守ってくれていることへの謙虚さを忘れた自分へのしっぺ返しである。

ちょっと突っ走り過ぎ、また来週はさらに突っ走らなければならないので、ここらでちょっと休んでおけ、ということでもあろう。

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ぼーっと熱に浮かされながらも、『What's the matter?』というタイトルの病気に関するチャプターを思い出して、次男へのメイルの英文を考えたりしているところが、我ながらすげーと思うんである。




麻布十番、アロハハワイ [ウッド]

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「呆然と ツリー佇む デフレかな」

今年はいつまでたってもクリスマス気分というものに浸れず。
心無しかどのツリーも「何だか私だけぴかぴかしてて申し訳ないっす」という感じに見える。

おす!閑話休題。

フラのクラスは新しい曲に取りかかる。
『Aloha Hawai'i Ku'u one Hanau』

もう涙が出そうにめっちゃいい曲だ。
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=N22puRmimtw&feature=related
連なるハワイ諸島を「神のための真珠の飾り」に喩えて。

いい曲だということと、それを踊れるかどうかということは全くの別問題なんだが、そこは置いとく。

デッキにこの曲をセットし、レッスンへの行き帰りの車中はハワイへの大いなる讃歌で満ちる。
またクリスマスが遠離る。

しかし、身体はフラ、頭はホットでも、朝夕さすがに冷える。

マヌカ(Manuka:Leptospermum scoparium)、ジンジャー(Ginger:Zingber officinalis)、ベンゾイン(Benzoin:Stylax benzoin)のブレンドでお風呂に入る。
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んー、クリスマスっぽい。

そして、寝る前にショウガジャムをお湯に溶かして、ふーふー言いながら飲む。
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んー、味見したい。

「仕方がない」
There is ( )( )( )( ).
ビンでも舐めよう。

「どうしたらオレの気持ちをおさえられるんじゃい?」
How can I (change)(my)(mind)?

白金、Christmas songs for me [ウッド]

ようやく身体に自由が戻って来た土曜。

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おいでなさい、悩める子羊たち。
はーい
私の誕生日ももうすぐですよ。

Gregのクラスへ急ぐ車窓から見るTOKYOは、なんと美しいことか。
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千鳥が淵もこんな感じ。

そうだ、京都行こうって大渋滞の古都へ大挙して向かう必要はない。
行きたいけど・・・・

「How was your week?」
で始まるGregのクラスで、ヤン氏とのやり取りを報告すると
「Sounds good!」(よかったんじゃん?)みたいな反応。
通じたんかいな???クリスマスツリーのギャグ。

そうなのよ。

今年は盛り上がんないと思ってるのは私だけなのか、Christmas season。
それでも買ってみるChristmas songs。
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達郎サンの『クリスマス・イブ』が最コーだ!と思った時期もあり。
思いっきりジャズっぽくアレンジされたキャロルがカッコイイと思った時期もあり。

でも今年は王道をいきたい。
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『Christmas with the Stars』

おこちゃま向け、家庭団らん向けのうれし楽し系は一切無し。
トラディショナルと実力派の楽曲ばかりのセレクトは、ホーリーな夜を約束する。

キリ・テ・カナワが高らかに歌い上げる『O TANNENBAUM』でクリスチャンの両親の元で過ごした昔の聖誕祭を思い出し、最後、オックスフォードの聖歌隊の『ADESTE FIDELES』ではもう涙が出てくる。

ファー(=モミ Fir:Abies balsamea)の香りを焚いて、せめて心を洗おう。

これいいで、というクリスマスのCDあったら、ご紹介下さい。



石坂、兄弟ゴルフ [ウッド]

12時間、みっちり寝たろうか。
7時に起き、やっぱりな、という腰の筋肉痛を確認し、シャワーを浴びる。

昨夜お湯に入れたサンダルウッド(Sandalwood:Santalum album)が、まだバスルーム中に香っていて、もう一生で今ぐらいこの香りを欲する時はないんじゃないだろうかと思うほど。身体と脳に染み渡る。

昨日、体育の日。
6月以来のゴルフ。
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やりたくないけど、1年に1度のクリニック主催のコンペを来月に控え、「クラブの握り方忘れました状態」じゃあんまりだ、と、重い腰を上げることに。
国の決めた「体育」という趣旨にものっとっているしな。

メンバーはこれも珍し、夫の兄弟3人そろい踏み。
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全部名字が「◯島」で、おじいちゃんの命令とかでこれまた全員「重」がつく漢字熟語みたいな名前。

プレー前の集合写真は顔がばっちり映っているのでアップできないのが残念なんだが、3人これまた同体型、同クドい顔。

キャディさんの大混乱が予想される。

この3人、普段そんなに仲が良い感じは受けない(むしろ素っ気なさ過ぎる)のだが、親の教育が良かったのか悪かったのか、全員医者。
そして、正月のファミレスでバラバラに注文した朝食が、3人とも胸焼けがするような「ハンバーグとスパゲティ定食」だったというレジェンドが残る、傍目には似たもの兄弟。

でも、ゴルフってやっぱり性格がでるなー。

見栄えのためなら人並みはずれた努力も惜しまない長男(夫=ブー)は、何百回も回ったであろうこのコースを、手練手管で攻めまくる。

3人兄弟の輪からどこか外れたがる次男(=フー)は、左右にOBを華々しく打ちまくり、最後の頃になって焦点が合ってきて手堅くホールアウト。

石橋を叩いても渡らない三男(=ウー)は、おもむろにスタンスを決め、美しいフルスイングをするのでボールの行方を追おうと皆がいっせいに彼方を見ると準備スイングだったりして、とにかく慎重。でも、腕前はピカイチ。
(ブーフーウーを知らない人は置いてくよー)

じゃーお前はどうなんだよと、当然なるわけだが、もう前夜2時間しか寝ていないのと、昼食で飲んだスパークリングワインが回って、ゴルフというカタチにすらならず。

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もっぱらコースの「秋」を見つけて遊ぶ。

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ホールアウト後、10数年ぶりのチョコレートパフェに食らいつくぐらい疲れた。

ちなみにこの時、長男はミックスソフトクリーム、次男はチョコパフェ、三男はビールジョッキに盛ったクリームソーダに食いついていた・・・・レジェンド更新か。

銀座、ノーソックス・マイライフ [ウッド]

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我が家もプサってくる。

プサイ族をご存じないですと?

http://ameblo.jp/reonunit/entry-10045218527.html

銀座でウィンドウに鼻を擦り付けているトイプーに惹かれて入店した店で、「犬に洋服必要なし」という己の禁を破ってしまう。

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クロ「どおどお?」
メグ「このクソ暑いのに、なんで洋服よ[むかっ(怒り)]

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孤高の爺は「飼い主のやることには逆らワン」と超越。
しかしなんで、またがる?

暑いというより湿度に参る。

素足で先の開いていないミュールを履くと、やっぱり蒸れて、銀座の真ん中で脱ぎ捨てたくなる。

かかとが開いていたってこうなのに、男性の靴なんか大変だろう。
『ノーソックス、Jライフ』の某有名タレントさん、大丈夫ですか?

Athlete's foot[足]
アスリートって水虫なんか。

日本が靴を脱いで家に入る習慣は、この湿度と水虫対策と無縁ではないらしい。

素足で靴を履く前には必ず。
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一日履いて歩いた後は、消毒とさっぱり感を求めて足湯。
シダーウッド(Cederwood:Cedrus atlantica)とサイプレス(Cypress:Cupressus sempervirens)をブレンド・希釈して1週間分を作り置き。

可愛くて履き易い室内履き、みーっけ!(注・室内履きにしているのは私の勝手)
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Made in U.S.A。
家にいる間、足はなるべく開放して。
http://www.oka-b.jp

やっぱりミナサンの洋服は封印して、人犬ともに快適な夏を過ごそう。



交詢社ビル、ひとりごはんを楽しんで [ウッド]

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年をとるということは、面倒だ。
人様が見て不快にならない程度に容姿を保つのに、しなければならないことが年々増えていくんである。

若ければすっぴんだろうが、素爪だろうが、それを見る方が不快に思うことはないだろうが、50の峠を越えればそうはいかない。

美容院にいけば半日仕事である。
カラーリングをし、カットをし、フットジェルネイルをしてついでに足裏の角質を落としてもらい、ヘッドスパで凝った肩と頭皮をほぐしてもらう。

「どうしたんでしょうか!?」

毎回ヘッドスパを担当してくれるホンダさんに言われる。
肩がこちこちなんである。

加圧トレーニングをやり始めて、筋肉が緊張状態であることを告げると、「それじゃあ、筋肉内の疲労物質を流しましょう!」と言われ、ジュニパー(Juniper:Juniperus communis fructus)、グレープフルーツ(Grapefruits:Citrus paradisii)にペパーミント(Peppermint:Mentha piperita)をちょっぴり入れて、排出効果抜群のスッキリ系のブレンドとなる。


「◯しじまさんのフルコース」と呼ばれているこの行程の所要時間5時間半。
午後早くに入ったのに、出るころは遅い夕食の時間である。

さて何を食べようか。
女一人でふらりと入って不自然に思われない店は時間が遅くなるとそう多くない。

小粋な蕎麦屋などはかなり得点が高い。
行きつけの鮨屋があればいいんだけれど、まだここ銀座は開拓途上だ。

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美容院と同じビルの中の「逍遥」で、ピータンをつまみつつ坦々麺を食べ、杏仁豆腐で〆る。
車で来てしまったんで、飲めないのが残念。

ひとりでゆっくり好きなものを食べるのもこの年になると惨めさがないし、若いと様にならないかも知れないひとりごはんは、私の中で結構旬かもと思う。





青山、男もアロマ(若者編) [ウッド]

「お母さんのところでさ、男二人、アロマ受けることってできる?」

おう、何事だよ?

普段こちらから送ったメールもろくに返信してこない次男である。
それがいきなりアロマって・・・・

聞けば7月に行われる、若手建築家の登竜門とも言えるコンペに、友人と二人で挑戦するのだと言う。
そのテーマにアロマテラピーのできる建築物を想定するらしい。

「アロマって得体の知れないものじゃん?」という彼の言葉に、何を!と俄然奮起する。
じゃん?じゃねー。
得体を知りなさい。

オフィキナリスで私がやってあげても良いのだが、ここはちまたのアロマテラピーサロンがどんなものか、彼達は見ておくべきだろうと考える。

・・・で、行きつけの青山のサロンへ、3人分の予約を入れる。

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我々セラピストも、自分が受ける側に立つことはものすごく勉強になるのと同じように、その容れ物を作るのなら。心地よさを自分の身体で確かめることは彼らにだって必要だ。

室温が十分に配慮されているのは最低限のことだが、エアコンの風がオイルを塗られた身体に直接当たれば気化して寒い。
換気が十分行われていることも当たり前のことだが、意外にその音がうるさい。
そして、プライバシーの保護や遮音のための閉鎖性と、リラックスのための開放性をどう共存させるのか。
建築的な工夫のネタは、そこここに散らばっている。
そんなことを実際に肌で感じてもらいたい。

予約の30分前に、近くのスタバで待ち合わせをし、前日に急いで作った「アロマテラピーとは何か」のレジュメを渡して瞬間講座を開くが、友人君だけ熱心に耳を傾けてくれて、次男はいつもの自弁をかますだけでさっぱり。

サロンでは3人のセラピストが総出で迎えてくれ、1時間のホリスティック・アロマテラピーを受ける。
花粉症と残っている旅の疲れのせいでだるい私は、ミルラ(Myrrh:Commiphora molmol)にパチュリとスイートオレンジをブレンドしてもらう。

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「お母様孝行ですねえ。アロマテラピーサロンを設計なさるなんて・・・」
セラピストさんがお愛想を言ってくださるが、いえいえ、違うんである。

「いや〜、自分のいびきで3回ぐらい目が覚めたぜ。」
っておまえ!
フツーにリラックスしちまったのかい?

実体験でいい設計を引き出させてあげようという意図は、こうして破れたのである。





恵比寿ガーデンプレイス、Here we go! [ウッド]

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このところはっきりしない天気が続いたが、日曜は天晴れ!
喉の痛みはマヌカ(Manuka:Leptospermum scoparium)のアロマティック・グロッグを飲んだり、ロザリーナやニアウリを吸入しているうちに癒える。

Here we go!

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恵比寿ガーデンプレイス。
ミシュラン星のクラシックなレストランが高層ビルをバックに建っている様は、ちょっと不思議だ。

・・・で、ここじゃないんであるが、その先のご飯処で、LSA(London School of Aromatherapy Japan)の15期生の新年会である。

4年前、「思い立ったが吉日」主義の私は、もう募集を締め切ったLSAに無理矢理小論文を送りつけ、やれやれ顔の校長の面接を受け、何にも知らずに初日に教室に飛び込んだ。

その日から1年半、一緒に学ぶクラスメート達は20〜30歳代。
ぴちぴちお肌のキャリアガール達に囲まれて、初めて自分がどんなに無謀な環境に足を突っ込んだかを自覚した日だ。

LSAでは理論を学ぶだけではなく、トリートメントの練習でお互いボディを白日の下に晒して、文字通り裸の付き合いだ。
みんなのすらりとしたボディで練習させてもらえる私はよくても、50歳のよれよれボディで練習する皆さんには申し訳なくて冷や汗が出た。

それでもこんなオバサンを疎ましがらずに仲間に入れてくれ、一緒に試験勉強をし、結果に一喜一憂したIFAの試験までのほぼ2年間は、何だか学生に戻ったようで楽しかった。
何歳になっても学ぶことは楽しいんだ!と声を大にして言えるのも、彼女達あってのことだ。

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LSAを卒業して2年が経とうとしている。

頑張って自分のサロンを起こした子。
縁あってオフィキナリスで働いている子。
病気から立ち上がろうとしている子もいる。
私にハリー・ポッター読破の核心を奪われた子も・・・・(謝)。

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2年前には存在しなかったこんな可愛いアタシは、ご飯の食べ方を「学び」中。

人生のいっとき、年齢や環境を超えて学校という磁石に吸い寄せられ、また広い社会に解き放たれてそれぞれの道を歩んでいく。
視界の隅に、お互いの存在を意識しながら。

学び舎の仲間とは、そんな偶然と必然に満ちた素敵な関係をこれからも結んでいきたい。













自宅、花粉orウィルス? [ウッド]

やばいです、やばいです、やばいです!

喉が痛い。
ディフューザーが壊れて(しかし!ディフューザーが壊れたという人が結構いる。ヤワだぞ、ディフューザー!)ここ2、3日ユーカリの拡散はしていないけど、アロマ的に万全の態勢を敷いていたはず。
なぜに!!

今までのラディアタを一旦止めて、マスクにニアウリ(Niaouli:Melaleuca qiunquenervia)を垂らしてかけてみる。
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学名を覚えるのに七転八倒したこのオイル、すーっと喉に染み入るような感覚はユーカリ類と同じだがやや甘めの香りは、なかなかやるな、クインクエネルビア。
折しも新しいディフューザーも到着。

風邪だとばかり思っていたが、TVのCFを見ていて・・・
もしかして早々と花粉症?

風邪ならこれだけ喉が痛んで熱が出ないわけは無い。
そういえば腫れる、という感じではなく、ざらざらと引っかかるような痛さだ。

流行の先取り。
ニアウリ・マスクはよろしかろう。

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流行。
ファッションすべてがかっこいい、と感心していたオバマ夫人の舞踏会のドレスが意外に少女っぽくてがっかり。
反対に「やっちまったなあ」と拍手したのはエリカ様のカサブランカ・打ち掛け。

モンテーニュ通りのバレンティノであまりの美しさにひとり立ち尽くしたショーウィンドゥのドレス。

パリに行きたくなって来た。
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オフィキナリス、召しませ座浴 [ウッド]

What is this?
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そう、アメリカ製のSits Bath なんである。

お産の前後は、痔疾や切開痕の悩みがつきものだ。
流水ではいけない。
溜めたお湯に浸かることが治癒を促す。

昔は洗面器にお湯をはり、クレゾール液をたらして消毒していた。
洗面器、きつそう。
クレゾール、臭そう。

このクリニックを建てる時、夫はどうしても座浴室を作ると言い張り、国産で無いなら外国から取り寄せろと命じてこのSits Bathを設置した。
当初、狭いシャワー室にあってうまく活用できなかった座浴室だが、明るいアロマ棟に移設され、ものすごい匂いのクレゾールの代わりに、収斂作用のあるサイプレス(Cypress:Cupressus sempervirens)と鎮痛・殺菌作用にすぐれたラヴェンダー(Lavender:Lavandula officinalis)を使うことによって、座浴の持つ悲壮なイメージを払拭できるようになった。

ラヴェンダーの香り立ち上る暖かめのお湯にちゃぽんと座って、15分。
雑誌など読みながらリラックス効果も抜群。

「あったかくていい匂いで気持ちよかったです!」
と好評である。

我々セラピストも
「私たちも入ってみたいよね」
と言い合っている。

ちょっと未体験ゾーン。
やってみたいけん、なんちゃって。



自宅、さよなら、ハリー [ウッド]

ディフューザー、無惨。

風邪、インフルエンザから身を守るために、毎朝毎夕ティートゥリー(Tea tree:Melaleuca alternifolia)やらユーカリ・スミシ(Eucalyptus smithii:E.smithii)やらをばんばん焚き込めていたら、ついに力尽きたのだ。

スイッチを入れても僅かにオレンジの弱々しい明かりが灯るだけで、ガラスの細い口から芳香が立ち上ることは無い。

ちょいと鼻につんとくる、消毒感のある匂いが家の中に無くなると、何だか途端に心細くなる。
折しも町田のサナトリウムでインフルエンザの集団感染が伝えられ、大急ぎで同じディフューザーをネットで購入する。

日曜、ランチを食べる約束をしていた友人が風邪を引き、時間が空く。

軽井沢で上巻だけ読み終えていたハリー・ポッターの最終作の読破にとりかかる。
ハリーとハーマイオニーのキャンプにロンが帰って来たところからスタート。
もう止まらない。
最後はどうなるの?どうなるの?

昼前から読み始めた分厚い下巻は、夜がとっぷり暮れた頃にクライマックス。
日本の童話と違ってハッピーエンドになるとは限らないイギリスのファンタジーだから、もしかして・・。

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きっかけは、次男の中学の夏休みの宿題だった。
文科省の実験校でもある次男の学校は、教科書を使わずご自分で作成されたプリントや教材を使われる先生も多かった。
その夏に全世界で注目され始めた「ハリー・ポッターと賢者の石」の原語本を教材に使われていた英語の先生から、『原語本を読んで』感想文を書く、という宿題が出た。

まあ、顛末はご想像の通り、次男は8月の末日に本屋へ走り、日本語に訳された装丁本を買って読み、2日ほど遅れて感想文を提出した。
次男が用を終えて放り出したその本を手にしたのが私とハリーの出会いだった。
そしてめくるめくファンタジーの大渦巻きの中にたちまち私は飲み込まれていった。

数年前、コッツウォルズを訪ねる途中で立ち寄ったLacock Abbeyが、映画のホグワーツ城のロケ地だったのは偶然だったが楽しい思いをした。

隔年ごとに新作や映画が発表され、追い続けて10年近くが経った計算になる。
何だかきっかけがきっかけだったので、一作ごとに大人になっていくハリーが、次男の成長と二重写しになる。

そしてその日。
ハリーは宿敵ヴォルデモードを倒して、真の英雄になる。
そして、そして・・・なんとお父さんになってしまう。
書き過ぎだってば。
その手前で止めておいてほしかった・・・・。

さよなら、ハリー。










サンルーム、美しすぎる母 [ウッド]

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外気温は10℃に達しない日でも、サンルームは日だまり。
洗濯が終わるのを、ブランコに揺られて待つ時間は無駄なようで楽しい。

その間、足下にお湯を張ったシリコンの洗面器を置き、サイプレス(Cypress:Cupressus sempervirens)を落とし、素足を浸す。
ほわーっと足元が暖まると気持ちまで溶け出すようにほぐれてくる。
ブーツで足の汗が籠りがちなこの季節、時間に余裕を見つけて制汗作用のあるオイルで解放してやる。
ロンドンのメイ達が送ってくれたジャスミンの花茶をゆっくり開かせて飲みながら。

午後、コンペ用の土地を調査に来た次男とその友人を送ってから、買ったのに見ずじまいのDVDを2本観る。
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星3つは「HAIRSPRAY」。
有名なブロードウェイミュージカルの映画化だが、まさにノンストップのノリのよさ。
小学生の頃憧れ続けた60年代のフリルたっぷり、ペチコートでめいっぱい膨らませた可愛いドレスのオンパレード。
思わず身体が動き出すビートに引き込まれながら、ミックスダンス(白人と黒人が一緒に踊ること)がタブーとされていた時代がまだすぐ近くにあったことを気付かせてくれる。
一昨年、来日した舞台を友人と観た時の感動が甦ってくる。

星無しは「美しすぎる母」。
プラスチック(ベークライト)を発明した大富豪ベークランド家で実際に起こった事件が源流にある。
ドヌーヴ、ジャクリーン・ケネディを思わせる美しい衣装が見たくて、AMAZONで2ヶ月かかって取り寄せたのに、エロすぎ。
もっともっとジュリアン・ムーアの「美しすぎる衣装」を見せてほしい。

ヘアスプレー、プラスチックという現代では邪魔者になりつつあるモノが、一躍脚光を浴びていた時代。
景気後退の暗い足音の聞こえる毎日の中で、元気だった世界を見るのもまた活力が湧くものだ。

オフィキナリス、仕事始めはしなやかに [ウッド]

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仕事始め。
11月にお産を終えたクライアントさん。
産前から心の揺れが大きく、本当に悩まれた方だ。
こうやってぽつりぽつりではあっても、調子を見計らってオフィキナリスに来てくださる。
ここに来られるなら大丈夫、と私も安心する。

ベルガプテン・フリーのベルガモットと手足の冷えにスイートマジョラムを選ぶが、香りがちょいとすーすーし過ぎのような気がして、ベンゾイン(Benzoin:Styrax benzoin)をそこにブレンドすることをお勧めする。
「甘くていい香りですねぇ」
と言ってくださり、決定。

着替えをされている間、オイルのブレンドにかかる。
ベルガモット6滴、マジョラム3滴、あとはベンゾイン3滴・・・出ない。
おい、どうしたベンゾイン。
樹脂ゆえ毎回出にくいので苦労するベンゾインだが、今日は特別・・・っていうか無い!
遮光ビンを光に透かしてもどう見てもカラ。
「べ・ん・ぞ・い・んがなぃぃぃ〜」

あんなにお勧めしたのに、どうする西島?
心に汗、気持ちに涙。
やることはただひとつ、ドロッパーを外して真っ逆さまに振る、降る、フル。
・・・・出ました、2滴。
ベルガモットを1滴足して、準備完了。
やる前からどっと疲れる。

それでも70分の施術を終え、「ここに来る時だけ嫌なことから気をそらすことが出来ます。」とおっしゃってくださり、何だか無性にうれしくなる。

人生、いろんなことがある。

したり顔でクライアントさんのお話を聞いている私だって、ベンゾイン2滴であたふただ。

人生、しなやかにいきましょう。

いつも悩まれている方にはそう肩を押す。







自宅、2009年は明けて [ウッド]

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うちの「INDIA」、いい具合にひび割れているんではないか。
インドの枯渇した大地のようだ。

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朝起きて来ると、ミナサンが無言で見たことも無いような大きなささみジャーキーにかぶりついている。
「お年玉やったよ」
と夫。
どこから持って来たんだ。
べっちゃんはもう歯が無いのに、まずいんではないか。

2009年はこんな感じでふつーに明ける。

昨日はお手伝いのサツさんと、雑煮の仕込みから筑前煮(夫の実家から受け継いだ「がめ煮」を作ってみたんだが、なんか味が違う)作り、数の子の塩抜きと一日中忙殺される。
最初はべちゃべちゃしゃべりながら作っていたんだが、だんだん時間が無くなり、二人とも無言になる。
私は必死に野菜を刻む。
サツさんがそれを調理していく。
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頑張った割に、家族の今日の反応はイマイチ。
がっくり。

正月にしか帰ってこない次男は、気が緩んだか元旦から熱発。
喉が痛いというので、マスクにラディアタ(E.Radiata:Eucalyptus radiata)を滴下し、「くせぇ」と言う口と鼻をふさいでやる。
ユーカリの威力を思い知れ!

82歳の父と89歳の母は絶好調(舌好調というべきか)。
長男のおヨメさんから送られて来るあおちゃんの写真が映し出されるPCの画面に向かって手を振っている。

後ろから追いまくられた去年を反省し、今年は能動的に新しいことに着手しよう。
具体的には語学か臨床心理学、どちらかを学び始めたい。
両方とも去年、どうしても自分に必要だと深く感じたものだ。

学ぶこと。
自分が行き詰まったり、辛くなった時には、後戻りするのではなく、とにかくそうやって先に進む。
先に進むことに全力を傾けているうちに、嫌なことは時間が解決してくれている。

2009年。
がんばりまっしょい!







自宅、わたしはギフト [ウッド]

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ギフトな季節である。

街を歩けば、お店では小さなものにもお洒落なラッピングを施してくれる。

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「香ほろん」はちょっとしたおつかいものに重宝している。
和三盆やきな粉といった和の優しい味付けがほろりと溶けるクッキー生地に絶妙なマッチング。
桐箱入りというのも泣かせる。
送りつけるのではなく、あくまで手みやげとして持っていきたい。
http://www.yokumoku.co.jp/wabisa/kahoron.html
仕掛人はあのヨックモックである。

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ロンドンにいる台湾人の姉妹、リンとメイからはハロッズの花茶が送られてくる。
「オミヤゲ、ナニ欲しい?」
と聞かれるたび、台湾の花茶をリクエストしていたのだが、ハロッズのものは初めてだ。
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開く前のカタチもこんなにいろいろあるなんて。
中から出て来る花はどんなカタチなんだろう?
そうだ。
来年の一人旅はロンドンにしよう。

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このウェブサイドを管理しているデザイナーさんからは呼吸器に作用する1.8シネオールと鎮静作用の強いリナロールを豊富に含んだロザリーナ(Rosalina:Melaleuca ericifolia)と殺菌作用の強いマヌカ(Manuka:Leptospermum scoparium)のEOやマヌカハニー、オリジナルのデザインを収めたCDが、手作りのクリスマス・サックに入って届く。
この頃、インフルエンザだ、風邪だとブログで騒いでいるんで、ニュージーランドのこれはどうよ?と心強い手を差し伸べてくださったんだと思う。
自分の体調管理にアロマテラピーを取り入れて実践している、私にとっては道しるべのような方。
我慢できなくて、クリニックでマヌカハニーを一さじなめて、そのキャラメルみたいな濃厚さにノックアウトされる。
早速明日の朝、つけて食べようとかりかりのフランスパンを買って帰る。

さて、私も日頃お世話になっている方にちょっとしたものを贈りたい。
今年は骨董通りで見つけたパリっぽいお店の手作り携帯ストラップを。
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自分のはこれ。
一つ一つ手作りでそのセンスに脱帽するものばかり。
全部お見せできないのが残念!

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夜、クリスマスの窓の向こうに煌煌とした月が登る。
ハワイ語で月を意味するPo(ポゥ)は、なんと絶妙な発音だろう。


通い詰めキラリふじみ、HAKUを作る [ウッド]

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「ワォー〜〜〜ン!」

関東地方にインフルエンザ流行の兆しというニュースを受け、にしじま家ではデフューザーがフル回転である。
ブレンドはスミシ(Eucalyptus:Eucalyputus smithii)、ブラックスプルース(Black Spruce:Picea mariana)、スイートオレンジ(Orange sweet:Citrus sinensis)が定番だったりする。

スミシで私や夫が外から持ち込むウィルスを消毒し(特に医療施設からなので深刻なものも時にはある)、ブラックスプルースで呼吸を楽にし、オレンジで香しさを高めて気分を明るくさせる。
効用重視でユーカリ類だけだとちょっぴり香り的にキビシいので、このブレンドはこの季節お勧めである。
新型インフルエンザなど物騒な話題も多いこの頃だが、先ずは予防に徹する。

免疫力はストレスによって確実に低下するので、なるべくそれを逃がせる楽しみを作ることも私は予防の一つだと思う。
夫がこの10年、一度も床に伏すこと無く診療を続けてこられたのは、ひとえに彼の楽天的な性格のせいだと思っている。

さて例年通り料亭での演目競合制となった忘年会を来週に控え、診療時間終了後のクリニックではあちらこちらでそれぞれのチームが準備と練習に余念がない。
今年はお食事会、なんてのたまっていた夫がその舌も乾かぬうちに、先頭を切って医事課を抱き込み猛特訓を開始しているとあっては、他のチームもおちおちしてはいられない。

今宵、我々フラチームは練習会場の冷たい体育館の床に座り込んで、頭に被るHAKU作りである。
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カットした花を、先生の指導下でリボンにグルーガンで貼付けていく。
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完成はこんな感じ。
顔が小さくて髪の長いみきみ先生が被るとかなり見栄えがするんだが・・・
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おいおい、A。面白すぎだ。コントじゃないぞ。
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白い衣装に合わせてのこの配色。
「持ってくるものは、はさみと新聞紙と楽しむ気持ち!」と言うみきみ先生セレクトです。

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HAKU完成を祝って焼肉屋になだれ込み、乾杯。
隣のブースでは院長with医事課が大盛り上がり。

やっぱ・・・この人の免疫力は絶対低下しないって確信があるな、私。

こちら業者さんからのビンゴ用協賛品の中に入っていた商品。
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犯罪っぽい揚げ粉だ。

日常、ヨロしい!ものたち [ウッド]

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このところ3日続けてリツェアキュベバ(Litsea cubeba:Litsea cubeba Persoon)を溶かし込んだお風呂に入っている。

ぐんと寒さが増した夜。
レモンキャンディのような甘く、フルーティな香りのお風呂に入れると思っただけで、何だかすごく幸せな気分になる。
軽井沢で手に入れたスピリタスが大活躍だ。

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パーソナルなオイルケース。
チェンマイの工芸品の漆塗りの箱に大好きな香りたちがぎっしり。
白いラベルは使用中。
黒いフタは未開栓で、どんな時に開けようかと胸がときめく。
眺めているだけで幸せになれるアングル。

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『E PILI MAI』の衣装が出来上がり。どんなもんだろう?
ネイルも衣装に合わせ、白にしてもらう。

流行っている睫毛のエクステンション。
早速してきたスタッフには「あんたら、長過ぎだ!」とツッコミを入れたりしていたが、今日のアロマにいらしたクライアントさんがとっても自然ですてきにつけていらっしゃるのに感心。
足のジェルネイルも可愛いピンクにに塗られていて、妊娠中の身体をきれいにして楽しんでいらっしゃるのがよく判る。

香り、ネイル、睫毛のエクステ。
無ければ無くてもいいもので、そんなものと切り捨てるのは簡単だ。
でもあればモチベーションが上がって楽しく、ちょっぴり幸せになれるものたちは、自分の日常にちりばめておくとヨロしい。

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こちら、人間で言えば60歳を過ぎたオッサンなのに、お嬢さん睫毛のべっちゃん。





軽井沢、リトリート(隠れ家)へ・・ [ウッド]

日常の中の憂鬱な出来事を忘れるためには、埼玉から軽井沢までの距離が程よい隔たりとなる。

別荘地は静まり返り、この連休、今年の夏の後片付けをするには遅すぎるくらいだ。
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山荘の周りは赤の絨毯。
毎年、11月の末に犬たちと掃除を名目として籠るこの3日間が、山荘の1年の中で私は一番好きだ。

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朝食はBenoistのスコーンをたっぷりのクロテッドクリームで。
おまけにつけてくれたマロンとバニラビーンズのジャムとの相性は抜群。
これにたっぷりの熱いミルクティーがあれば、気分はコッツウォルズのイングリッシュ・ブレックファストだ。
一昨年の9月に訪ねたイギリスの田舎町での満ち足りた思いを彷彿とさせる。

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明日は雨、という天気予報に、俄然身体がはりきり出す。
山荘仕舞いの一番の仕事は、布団干しとリネン類の洗濯だからだ。

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ミナサンたちは一日中私と一緒にいられる場所、とわかっていて、終始のんびりムード。
いつも仕事で留守番ばかりさせているのが、申し訳ない。

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足が心配なべっちゃん。
とりあえず2週間経過観察です。

後ろのライブラリーへのドアは、清朝のアンティークなのでもう隙間だらけのぼろぼろドアだ。
毎年最後にシダーウッド(Cederwood:Cedrus atlantica)を無水エタノールに溶かしたものをドア全体に
スプレーする。
木食い虫が食べ残した心材は太古の寺院建築に用いられ、また虫を追い払うための薫香としても珍重されたシダーウッドは、来年の春までこのぼろドアを守ってくれるはずだ。

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冬を一人で守る木馬は、心無しか寂しそうに見える。



銀座、シダー・ボール [ウッド]

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雨の銀座。
「オヤジ殺すにゃ刃物は要らぬ」
バーニーズのショウウィンドウはのっけから物騒だ。
何でもこの秋のジャケットは、肘当てのパッチが流行だよ。
オヤジ、パッチを付けろよ、ということらしい。

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10月のパリに備えて、マロン色のタートルをLoro Pianaで買う。
カシミアやパシュミナの品質はピカイチのブランドだ。
ショッピングバッグにブランドネームが入ったシダー・ボールを付けてくれる。

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シダーウッド(Cedarwood;Cedrus atlantica)は古代エジプトでミイラの保存や寺院の建築に用いられたという、芳香物質の中で最も古いものである。
虫を寄せ付けない成分を持つので、タンスも作られる。

カシミアのニットの保存に、と気の利いたノベルティである。
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これで、この秋のマロン色のコーディネートは揃った。
こっくりと、お洒落の季節到来である。


高坂、ごくろーさん [ウッド]

このところ、周りに風邪を引いている人が多いと思っていたら、来た来た、来たーっ!

喉が痛くなって来たので、寝る時にユーカリ・ラディアタ(Eucalyptus radiata:Eucalyptus radiata 今更なんだが、オイル名と学名が一緒なんだな、これは)をディスポのマスクに2、3滴落として、それをかける。
最初涙が出るほど「来る」が、喉がすーすーしてかなり楽になる。
それで何とか凌いでいる。

台風13号の余波で朝から雨。
お世話になっている会計事務所のゴルフコンペに夫と参加する。

ゴルフが嫌いで下手で年に2、3回しかやらないので、コンペのお付き合いはできるだけ避けて通るようにしている。
以前から誘われていたこのコンペは、今回はちょうど休診日に当たり、夫が勝手に私の名も書いて出席返事を出してしまったので、担当の税理士さんからわざわざ「奥さんはボクと一緒の組にしました♡」とお電話まで頂いてしまい、引っ込みがつかなくなったのだ。

でも!
昨日まであんなにきれいな秋晴れが続いたのに、今日は一転。
台風って、いったいなんでそんな天気なのに外で遊ばなきゃいけないの?!

もう朝から全然テンションが上がらない。
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スタート時点でもうびしゃびしゃの雨降りである。
キャディさんが、大きな帽子の上からまた白い大きな三角巾を被って、まるでオバサンKKK(クー・クラックス・クラン)だ。
写メ撮りたかったけど、チャンス無し。

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この時期の雨はレインウェアを着ると蒸れて暑いので、中はこんな真夏のような格好だ。
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先日POLOSで買ったゴルフシューズの脇の数字を見て、かの税理士さんが「ごくろーさん、ですか?」と真顔で尋ねる。
一瞬、あ、そうなのか、と確信しかけたが、いや、イタリアのブランドだ、ごくろーさんはないだろうと思い返す。

そんなこんなで138というゴルフの初心に戻ったようなスコアを叩き出し、這々の体でBBだけは免れて逃げ帰って来た本日である。
以上、報告終わり。


自宅、机に向かって世界へ飛び出す [ウッド]

昨夜、フラの練習の後に生グレープフルーツサワーを2杯飲んだら、朝から頭が痛い。
もうとっくに誕生日を過ぎているので、この休みは免許の更新に行こうと思っていたのに、体調悪過ぎ。
例の一時停止違反のおかげで、府中まで行かなければならないんだもの。

あきらめてデスクワークに没頭することに。
自分の机にしているファミリールーム中に、ブラックスプルース(Black Spruse:Picea mariand)の香りとケアリー・レイシェルを流す。
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このファミリールームからは玄関までが見渡せる。
スケールは、フィリップ・ジョンソンのNYのタウンハウスをパクったもので、私が自分の家中で一番好きなロケーションだ。

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夕刻になれば明かりが入って水庭に映り、なお一層イイと自負しているのだが、あいにくいつもその時刻には家にいないことが多い。

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「始めから終わりまで全くの一人旅」を計画中。
ガイドブックを切り抜き、ネットで情報をゲットし、メールを打ち、ホテルやショップとのコンタクトを図る。

リクエストを投げたホテルが、偶然今月号の雑誌に載っている。
辻仁成がレポートしている。
「妻(中山美穂だ)が初めてパリに来た時に傘を買った、とっても可愛らしいパラソル屋ALEXANDRA SOJFERもここからすぐのところにある。」
はいはい。
ここですね。
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私もすっごく可愛いと思ったもん。
買おうとしたら、仏頂面の次男に止められたけど。

一人旅、今度は誰にも止められること無く、可愛いパラソルも手に入れられるだろう。

ある人にこの計画を話したら「言葉の壁が全くないんですね。うらやましい。」と言われた。
誤解である。
言葉の壁、大有りだ。

言葉、体調・・旅には不安がつきものだ。
でも、好奇心と期待感がその不安に勝った時、人は旅に出る決心をするのだと思う。

青山、200ℓ [ウッド]

やっちまった。

来週、車が新しくなる。
なのにエンプティ・ランプが点きっぱなしだ。
これから青山のアロマテラピーサロンまで行くのに。
よおし。
ぎりぎり1週間分オイルを入れよう。

スタンドで駆け寄ってきたお兄さんにきっぱり言う。
「ハイオク、200ℓ入れてください!」

お兄さんが目を見開いた。
「200・・・ℓですか?」

あれ?ケチ臭い?
満タンにしろってか?

でもそんなに要らないんだもん。
「ええ、200りっとるっ!」
きっぱり言い放つ。

お兄さん、引き下がって何やら後ろの方で先輩に報告している。
丸聞こえだ。
「お客さんが200ℓ入れろって言ってますが」

先輩の方が近づいてくる。
「お客様、200ℓとおっしゃいましたが、満タンでも60ℓぐらいしか入りませんが。」

どひゃーっ!
今まで給油っていうと満タンとしか言ったこと無かったもん。
自分の車に何ℓオイルが入るかなんて考えたこと無かった。
500ℓくらいかな〜なんて当てをつけてみたのだが。

小賢しいこと言ったり書いたりしていても、実際はこんなことだ。
何がエコだ。
何が原油高だ。
西島、その日52歳となる。

いつものサロンでガルバナム、メリッサ、プチグレン(Petitgrain:Citrus vulgaris)のブレンドで施術を受ける。
オレンジの小枝から抽出されるプチグレンは、少し青臭い。

齢52にしてなお未熟。
プチグレンの香りはそんな自分のようだ。

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まったく関係ないけど、なにやらゴージャスなホテルの部屋を思わせるパン。

ふじみ野、鼻は腫れています [ウッド]

顔なじみのドクターは、私の顔を一目見た途端、「あれ〜、おできだね!」
心の中で「キャイーン」と小さく啼く。

昨年末から何度か繰り返す鼻の腫れ。
1回目はティートゥリーでしのいだ。
2回目はさすがに夫に言われ、抗生剤を3日くらい飲んだら治まった。
しかし、3回目である。
夫には「アロマのやりすぎじゃない?」と一番言われたくないことを言われる。
そんな馬鹿な・・・と表面は完全否定しつつも、このところ連日連夜クライアントさんと接しているので、確かに自宅ではもう香りを嗅ぎたくないという表面張力ぎりぎりいっぱいまでEOが体内に蓄積されているのは事実で、完全否定の隅はちょっぴり欠損している。

この日を待っていましたという感じはニアウリ(Niauli:Melaleuca quinquenervia)。
ティートゥリーやタイガーバームの主原料になるカユプテと同じ仲間だが、その強者二者の陰に隠れてなかなか出番は少ない。
強力な殺菌作用はそのままに、しかし皮膚や粘液に塗布する際には前出2種よりとてもマイルド、という点で本当はもっともっと出番が多くてもよいオイルだ。
副鼻腔炎、咽頭炎、にきび、おできなど直接患部へ塗布することが最大の目的の場合は、このニアウリが助けになってくれるはずだ。

3度目ということで、綿棒で鼻に塗り付けたニアウリだけではさすがに心配、耳鼻科か皮膚科か迷って、日曜でもやっている馴染みの皮膚科に行くことにする。

もしかして悪性の腫瘍?とおそるおそる先生の顔を見上げたら、冒頭の言葉だった。
「鼻毛、抜いた?鼻クソ、掘った?」
先生、いくら五十路とはいえ、まだ女のつもりでいる者にそれはあんまりです。

鼻毛は抜いてないが、私には思い当たる節があった。
アロマテラピーを仕事にするようになってから、異常に鼻の中の掃除に夢中になってしまい、ちょっとでも異物感があると、綿棒でこすり取らないと気が済まなくなった。
そのため、繊細な鼻粘膜が破れたのか何度か出血したことがあった。
多分、そこから細菌が入って毛嚢炎になったのではないか、とのこと、「鼻の掃除、毎日しちゃだめだよ。」と言われた。

抗生剤はお宅で出せるでしょ、と塗り薬だけ処方してもらい、帰宅。
アロマテラピーで治せるものの境界線を超えてしまったものは仕方が無い。
仕事に没頭するあまり、行き過ぎた衛生観念を持ち、EOの効果に頼り過ぎ、香りの摂取にも行き過ぎてしまったことを反省する。

どんな仕事でもそうだが、自分がよいと信じたものが評価され始めると、そこに偏った観念を持ち、それが社会通念や例えば医療という厳然たる事実に照らし合わせて真っ当なものかどうかを忘れてしまいがちだ。
それは自分の評価への奢り以外の何者でもない。

そんな自戒の念を込めて、腫れた鼻の自分を一枚。
お見苦しくて申し訳ありませぬ。
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嵐山、わんわんコンペ(ゲンさんコンペ改め) [ウッド]

見事な五月晴れの日、ヘタクソで遠離りがちなゴルフに出かけることになった。
ミナサンがお世話になっているプードル・トリミングの第一人者と言われてる方から「ゲンさんを偲ぶコンペをするから是非参加して」と言われ、それなら、と重い腰を上げたのだ。

「ゲンさん」は家の近くの小さな商店街の中のスナックの店主だった。
人当たりがよくて世話好きなゲンさんは、ふた月に1回地元商店街の人たちを中心にした「ゲンさんコンペ」を主催し、集まった参加費の一部をチャリティーに寄付したりしていた。
私はゴルフが下手なのと、ゲンさんのちょっぴり怪しげ(?)な雰囲気に溶け込めないのと、商店街の方たちの話にうまく加われないのとで、1回しか参加したことがなかったのだが、夫はだいたい参加していて地元との交流にとても意味が有るコンペだった。
クリニックで事務をしていると、近くに住むゲンさんがいつも犬を連れて散歩をしているのが見え、ゲンさんは私を見つけると笑いながらコンペから遠ざかっているのに手を振ってくれた。

そのゲンさんからかなり進んだ脳腫瘍が見つかったと夫の携帯に連絡があって、その後ごく親しい人たちで開かれた「ゲンさんを励ます会」にも所用で参加が叶わぬうち、わずか半年でゲンさんは逝ってしまった。
主催者を失い、ゲンさんコンペも自然消滅したように見えた。

四十九日が過ぎ、残された奥様から丁寧なお手紙をいただいたりして一段落がついた昨今、先ほどのトリミングの大御所が世話人となり、追悼コンペを企画した。

地元商店街のある社長さんが10人乗りのワゴンを出してくれ、もう行きの車中から缶ビールの栓がぽんぽん開けられて、久しぶりに集うみんなが浮き浮きしているのが伺えた。
顔なじみのトリマーさんが発起人だったので私もすんなりその中に入ることができ、何となく敬遠していた商店街のおじさんたちは話してみればみんなとても世話好きで苦労を厭わない人たちで、車を出して自分で運転してくれたくだんの社長さんをはじめ、重いゴルフバッグをさっさと出し入れしてくれたり、会とゴルフ場側の連絡に走り回ったり、ほんとにそれぞれがコンペを維持するために率先して働いているという感じだった。
ゲンさんが作ったコミュニティーってこういうものなんだ、と、今更ながら気がついた。

滅多に行かないゴルフだが、5月だけは新緑のコースを歩きたくて出かける。
この日もまさにそんな日であった。
踏みしめるラフの上に白いジャスミンのような小花が一面に散っているところが数カ所あり、見上げると大きな木にいっぱいそのかわいらしい花が垂れ下がっていて、甘い香りを漂わせていた。
キャディさんに聞くと「エゴノキです」との返事。
エゴノキ科のEOがあったなあと、クライアントさんに人気のベンゾイン(Benzoin:Styrax benzoin)を思い出した。

運動不足の毎日ゆえ、ゴルフをやった次の日には必ず筋肉痛である。
それを緩和するには当日の夜に、ラヴェンダーをたっぷり溶かし込んだお風呂にじっくり入る。
筋肉の緊張がじわじわとほぐれていくのが分かり、次の日にっちもさっちもいかないような筋肉痛からは逃れられる。
その晩はゴルフコースのエゴノキを思い出してラヴェンダーにベンゾインをプラス、少しぬるめのお風呂にゆっくりと浸かってぐっすりと寝た。

ゲンさん、見てますか。
あなたが作ったコミュニティーはこうして維持されています。
ゲンさんがいる間に、自分の偏見を捨てることができたら、私はきっともっと楽しむことができたんですね。
でもそんな私にゲンさんは散歩道から手を振ってくれていました。

ゲンさんコンペは、その日の発起人を記念して「わんわんコンペ」と改名された。
ゲンさんが作り上げたこの集いは、こうしてこの先も引き継がれることになった。


















クリニック、赤ちゃんの産み方 [ウッド]

初夏の気持のいい快晴が続いた後に、3月下旬並みという寒さが雨を連れてやってきた。
連休後の混雑が続いている中でのそんなある日、一件の帝王切開術(以下、C/S)が行われた。

患者さまは妊娠中からずっとオフィキナリスに通われていた方だ。
明るくて楽しいおしゃべりが大好き。
私も彼女への施術の日は、本当に楽しい気持ちにさせていただいた。

第一子を他院で緊急C/Sで出産した彼女が、今回にしじまクリニックを選んだのは、VBAC(前回の出産がC/Sだった方が、経膣で分娩すること。縫合壁からの子宮破裂が予測されるため、行わない産院が多い)を希望してのことだった。

VBACは子宮の縫合痕と陣痛時にかかる圧力との、文字通り皮一枚のせめぎ合いなので、院長がこれ以上の陣痛の継続は危険と判断した時点で緊急C/Sに切り替わることも多く、私がレセプトで判断する限りでは成功率は半々といったところだ。
それでもVBACを希望して当クリニックを訪れる方は後を絶たない。
自分の力で産みたい!という母親の気持がどれだけ強いかが痛いほど分かる。

彼女は妊娠半ばで骨盤位(いわゆる逆子。分娩直前まで修正の可能性があるが、そのままだと選択C/Sとなる)と診断され、一生懸命逆子を直す体操をし、修正がかなった時は本当にうれしそうだった。
私までもがこれでVBACへ向けて一直線!と気負いこんだものだったが、36週の健診で今度はCPD(児頭骨盤不均衡。胎児の頭が骨盤の出口より大きい状態。これも選択C/Sとなる)の診断が彼女に下った。

その診断を受けた足で彼女は私のところへやってきた。
「だめでした。連休明けにC/Sしてもらうことに決めてきちゃいました。」

いつものように明るく、さばさばした口調であり、特に医療従事者である彼女は冷静に診断を受け止め、状況も十分理解し、覚悟もきっぱり決まっているようだった。
諦めきれないのは私のほう。
なんで?なんで?
夫の下した診断で、医学的には仕方がないんだと分かっていても、混乱してしまっていた。

「陣痛時の助けにすることはできなくなったけど、せめてOPEのときに大好きなベンゾイン(Benzoin:Styrax benzoin)を嗅いでいたいです。」
との彼女の言葉に、奮起した。
夫に脊椎麻酔でも香りが分かることを確かめ、ベンゾインとラヴェンダーを3:1でブレンドし、拡散しやすいように少量の無水エタノールに溶解させたブレンドオイルを作った。

手術の朝、デフューザーとブレンドオイルを持って、彼女の部屋を訪問した。
病衣に着替えた彼女はイケメンの旦那様(私のクライアントさんの旦那さまはなぜか皆イケメン)とにこやかに迎え入れてくれ、持ってきたオイルを覗き込んで
「わあ、いい匂い!」
と喜んでくれた。

彼女が入室する30分前からOPE室にそのオイルを拡散させ、彼女が入ってきた時に香りを感じてもらえるようにした。
OPEが始まって30分ほどでかわいい女の子が誕生、デフューザーのベンゾインは大切な役目を全うした。
私はOPE室の外で元気な産声を聞いていた。

クライアントさんはすべて妊婦さんという特殊な環境ゆえ、何人もの方の妊娠から出産への心の変遷に寄り添う毎日である。
その中でいつも思うのは、お産には個性が伴う、ということである。

私が出産をした26年前には、お産は医者任せ、個性も希望も、もちろん選択肢もなかった。
子供は無事に産めさえすればそれでよし、産み方そのものにこだわるなんてことは微塵も考えはしなかった。

しかし、少子化、情報化の時代、医者任せのお産でいいのか、という風潮が広まり、個人が自由に産み方の希望を言えるようになり、また医療技術の進歩や医師の努力によってそれが大部分において叶えられるようにもなった。
事実、そんなニーズに応えて、にしじまクリニックには「お産の企画書」があり、患者さまがどのようなお産をしたいかを発信できるようになっており、医学上の制限がない限り、その希望にできるだけ則した出産ができるようになっている。
ネットをはじめいろいろな媒体から発信された情報をフルに活用して理想のお産を目指す方もいるし、あまりこだわらずスタンダードなところを望まれる方も沢山いて、十人十色の個性が見て取れる。

「産み方」は母親だけの個性の反映だ。
産み方で人生が左右される、という方もいる。

しかし産み方は新しく生まれてきた赤ちゃんの人生までは左右しない。
たとえ希望の方法が何らかの理由でできなかった場合も、安全にこの世へ我が子を送り出すことができれば、母性はそれでなんら咎められる理由がない。

彼女は小さな赤ちゃんを抱いて本当に幸せそうだ。
この子の元気な産声には、経膣で産まれてこなかったことへのこだわりは微塵も感じられない。











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