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上野、ぶらぼーですっ! [ブレンド・プロダクツ]

ヴィ・アロームの「オランジェリー」が気に入ってしまい、デフューザー・オイルを大人買いしてしまった。
オランジェリーのいいところは、柑橘系で万人向き、香りに持続性が無いこと。
持続性が無いことは欠点のようであり、実は「飽きない」うえでの長所でもある。
毎朝のシャワー、洗面、ドレッシングといった一連の作業を持続して行う間、パウダールームに流しっぱなしにしておくと、人生観が変わる勢いだ。

さて、上野文化会館に、ウィーン国立歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』を次男と観に行く。
久しぶりのオペラだ。

バレエやちょっとしたコンサートなどは、自分で観たいものに一人でぷらっと行くのがなんと言っても気楽でいいが、オペラや歌舞伎はやはりお相手がいた方が断然楽しい。
長い幕間にちょっと飲んで食べて、気持ちよくうとうとしながら観劇するのが、大衆芸能の醍醐味だと思うから。

夫がまるで芸術モノに興味が無い人なので、だいたいオペラは次男を誘う。
「どうせ誰も一緒に行ってくれる人がいないんでしょ」
と憎まれ口を叩きながらも、オペラだけは付き合ってくれるのが彼だ。
(だって、夫以外にオペラに誘ってくれるような殿方がいる方が危険じゃありません?)
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文化会館は超満員。
入り口付近には
『チケット求む!』
と書いたプラカードを持って立っている人がいるほどの人気演目だ。

「お〜お〜、なかなか学生には入れないとこですなあ」
次男は演目よりも建築に興味津々だ。

1961年、コルビジェの直弟子で、戦後モダニズム建築の旗手前川國男の作であることを彼から説明される。
前から気になっていたヘンな壁の装飾も、彼から見れば
「すげぇ(木材の)厚さ!」
P1020539.JPG
と、全く別の方向からの見方があることを知る。

モーツアルトの喜劇『コシ・ファン・トゥッテ』は最高に面白く、前半昨日の疲れでうとうとしながらも筋書きがはっきり判り、30分の幕間を挟んで意識が戻った後半は、ぐぐっと引き寄せられる。

永遠の愛を誓い合った姉妹2組のカップルの男性達が、おのおのの彼女の真意を確かめようと、出征したふりをして異国人になりすまし、お互いのお相手を口説く。
淑女達は貞淑さを守らねばという思いと、満更でもない気持ちに挟まれてじたばたするのだが、その大仰な仕草が本当に可笑しい。
あっという間に誘惑に乗ってしまった妹と、最後まで抵抗し続けた姉も陥落して、男性達は自分の手練手管に満足しつつも、淑女達が自分を裏切ったことを嘆く。

最後は正体を明かしてめでたしめでたしなんだが、このありそうでなかなか考えつかないストーリーが、モーツアルトの明るく楽しいメロディに乗り、奇想天外な仕掛けがちりばめられて続く4時間。
何だか久しぶりに晴れ晴れと楽しくなった。
最近のオペラ舞台は(特にドイツオペラなんかは)超モダンで素敵でもあるのだが単調だ。
今回はウィーンらしくクラシックでちょっとあか抜けないんだが、このモーツアルトらしいエスプリの利いたストーリー、マシュー・ボーンあたりが演出したらどんなにか美しく楽しいだろうと想像する。
P1020535.JPGP1020537.JPG
幕間にピンクシャンパンを飲みながら、次男の建築評と音楽評を聞きながらしゃべって、満足な一夜でした。







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コメント 2

朋子

いいですねえ、オペラ。
誰か(男性で!)私のこと誘ってくれないですかねえ(笑)。

オランジェリー情報、ありがとうございます。
うちも買ってみます。

by 朋子 (2008-10-25 13:49) 

mana

・・・・ですよねえ。

われわれの前列は見事なまでに初老のカップルばかりで
「みんなぱたぱたやってるなあ」(奥様方がみんなお扇子で顔を扇いでいる様子)
とは次男評。

ほんと、趣味が一致しているご夫婦がうらやましい。(朋子さんのところみたいに!)

私をオペラに連れてって!
by mana (2008-10-25 13:59) 

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