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川辺の焼肉屋、おくる季節 [フレグランス・ストーリー]

2月はイタい月である。

28日しかないって。
なぜいきなり3日も減らす?

経理をちょこまか担当しているものにとって、月末の3日は場外乱闘状態。
それがすっぽり抜け落ちて、いきなり3月。
乱闘すらもできない、梯子外され状態。

2月最後の日。

転勤となったM浦君を送る。
夜寒の川縁にある焼肉屋で。

産婦人科に出入りする業者の中で、一番濃い付き合いをするのが製乳会社だ。
M浦君はM乳業の担当クンだ。

ここの粉ミルクはキューブである。
今のママは、哺乳瓶にぽこんとそのキューブを入れて外出するだけ。
楽だよー。

P1030914.JPG

「付き合ってる人、いる?」

若い独身のMRが配属になれば、半ば着任挨拶のように聞く。
普通なら可愛い受付やナースのいるこちらを見透かして、いたとしても否定が常道。

でも、M浦君は、私のお愛想をすっと見通すようなまっすぐな視線で「います」ときっぱり。

M乳業に入る前は大宮のホストクラブにいた、という同僚の誹謗中傷(?)もうなずけてしまうほどのイケメンなのに、ああ、まじめな人だと、思わずへらへら笑いを引っ込めたのを鮮烈に覚えている。

その彼女とは昨年めでたくゴールイン。
軽井沢の別荘にも二人で来てもらったし、職員旅行で香港にも一緒に行ったし、宴会好きの院長を慕ってことあるごとに先頭になって仕切ってくれた彼を送るのは、何だかうちの職員を一人失うような寂しさが募る。

転勤先は水戸。
「さあさ、ちょっとのべずりあがって、お茶でもずんずりなんしょ」
なんて今は誰も言わないと思うな。

梅の香りも町中に満ちていることだろう。

頑張って。








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