水戸、喧嘩をやめて♪

実家に帰ると、


ムスカリ。

匂い水仙（・・と母が言っている）。

クリスマス・ローズ。

母が植えた春の花が、枯れ芝生の中に可憐な姿を見せている。

実家に帰ると、
両親がケンカしている。



我が家にあるひとつの大きな問題をめぐって、二人の見解が割れたんだという。

「女高師（現お茶の水女子大）を出たくせに、知性のかけらもねえ！」（どこも出てないアンタもだ！）
と父が言えば、
「母親を早くに亡くして、愛情を知らずに育った人の言うことだ！」（それを言っちゃオシマイよ！）
と母が言い返す。

おー。
相手に一番言っちゃいかんことを言っちゃってるよ。

積年の恨み噴出といったところか。

83歳と90歳。
人間、晩年に近づくと、「これを言ったら相手がどんなに傷つくだろう」なんて配慮や、夫婦間のタブーなんてものはなくなるんだな。
受け止める側の感覚も鈍ってるし、ま、いいか。

私が思春期だったら家出したくなるんだろうが。
こんな両親の姿。

でも、あんたら、幸せだ。
言い合う相手が、その年でいるんだから。

なんでもかんでも言ってしまえっ！

墓場まで持っていくことなんか無い。

私と二人になると、父はオラが正論を振りかざし、母はほろほろと泣く。
私、どっちの味方もしませんから。

◯多田ヒカルが本出す気持ち、よく判る。
こうなると人生の壮絶さが、返ってギャグになるんだ。


夫婦喧嘩はトイプーも食わない。