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自宅、旅の靴 [フレグランス・ストーリー]

靴というのは、どうしてこんなに女心をくすぐるものなんだろう?

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旅先で出会った靴やサンダルを連れ帰ることが多い。

パラソルほどかさばらず(しかし、パラソルはかさばっても買いたいんである)、さほど高くもなく、実用性と装飾性がその小さな個体の中でせめぎ合い、しかもその国のお国柄を顕著に表す履き物は、いつの旅行でも心惹かれるアイテムである。

22センチという極小サイズの足ゆえ実際に履けない靴もあるが、デザインに惹かれて買い、こうして階段ホールのディスプレイになっている。

私が初めて降り立ったヨーロッパの街はミラノ。
寒くて、おしゃれで、ドォーモの尖塔がまっすぐに心に突き刺さってくる街。

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まだ大学1年生だった次男と二人、モンテナポレオーネ通りをそぞろ歩きながら買い求めたのは、小さくて私の足にもぴったりのサンダル。

足をするりと入れた時はシンデレラの気分。
クリスタルビーズがころんと可愛くて、もう一目で夢中になったサンダルだ。

今では日本でもキラキラした靴がいくらでも手に入るが、当時は「こんなきれいな靴があるのか!」と、通りの靴屋さんすべてに入ってみたかったくらいだ(もちろん次男が許してくれなかった)。

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実際に履くことはないけれど、一番気に入っているのは、結婚25年めで行ったドバイの靴。
アラジンもきっとこれを履いていたんだろうと思わせる、独特のデザイン。

この靴を見ると、まだ勢いが止まらなかった頃のあの国の、48℃という、堪え難く乾いたスーク(市場)の熱風を思い出す。

パラソルや傘は、日射しや雨を防ぐという第一の目的があり、その役目を損なわないという制限のもとでデザインが工夫される。

増してや靴は、履く人間の全体重を担って道を進むという、およそ身につけるアイテム中では最もハードな役目を負うものであるが、昔から人はその小さな面積の中にあらゆるデザインを施してきたのだ。

その制限の中の自由と、力学を熟考した美学に、いつも私は魅了されるのだと思う。




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