自宅、オレから

このヒトは、この頃、時折こういうことをするのである。


千鳥が淵お花見プラン（この名前、来年から変えよーバスツァーの宴会名みたいだ）に滑り込むように、ようやくお堀の水に花影が映るようになる。

２月並みの寒さから解放された30日、桜もヒトもどっと放出され、千鳥が淵周辺は観光バスが違法駐車しまくって大渋滞である。（取り締まりなさいよ、麹町警察署）

サロンでひとり黙々と準備を整え、大荷物積んだ車を出し、50m進むのに20分はかかる靖国通りを眠眠打破して、帰宅は20時。
夫はすでにサツさんの作ってくれたご飯を済ませて、当直のため、クリニックへ出向いた後である。
今日が本当の結婚記念日なのは判っているが、さすがに２回もお祝いされた後なので、いつもどおりのすれ違い夫婦である。

「パパ行った。でもママ帰ってきた」的な複雑な喜び方のミナサンに挨拶し、2階へ上がる。

食卓の上には私の食事と、白い春の花々。


見慣れた花屋のラッピングから推測するに、もしかして毎年記念日に行っていたフレンチの店からか？！
まだ覚えてたんか！この日を！！

せめてお礼の電話ぐらいせねばと、翌日クリニックで夫を捕まえて問う。

「あの花、どこから？」

夫はPCの画面に視線を固定したまま言う。
「あ、オレから」



だーかーらー！

急にテキに塩送るなって。

優しくされる（または謝られる）＝死期が迫っている（または死ぬほどワルいことをした）
30年もすれば、妻の思考回路はこう出来上がっているのだからして。

コメント 3

素敵ですっ！
年月重ねた時にそんな夫婦でいたいですー。
（今はなんだか「同士っ」みたいな間柄。。。）

お花見プランの季節なのですよね。。
今年は引越しに上の子の入学、下の子の保育園転園と
ぐちゃぐちゃです（涙）
一段落したら伺わせてくださいー。





by KURE (2010-04-01 13:51) 

＞優しくされる（または謝られる）＝死期が迫っている
＞（または死ぬほどワルいことをした）

だめー！
おかしすぎる！！

私は夫が無口だと
「言いづらい部分が痛い」という
思考回路になっています


by 朋子 (2010-04-01 14:05) 

KURE様

ご長男、ぴっかぴかの１年生（死語？）なんですね。
おめでとうございます。

我々は、一緒に仕事をするようになって11年経ち、今こそ同士って感じです。
30年はお互いの忍耐の上に降り積もったほこりの厚さでもあります。


朋子さん

今までムチ打たれていたのに、急にアメ投げられると困惑するんですよねー。

ウチのダンナは、言いづらいことは墓場まで持ってくと思います。

by mana (2010-04-01 20:02)