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銀座、クダを巻け [フレグランス・ストーリー]

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息子相手にクダを巻く。
これ、母親にとっては密かな楽しみのひとつである。

この年になると、他人相手にクダを巻いたのではみっともなくて仕方が無いから、「巻かれる」のは必然的に夫か息子となる。
夫は長年一緒に仕事をしていれば価値観が似てきてしまうので、同調を求めたい時にはありがたいが、ふたりでずぶずぶと同じ論調にはまり込んでしまう怖れもある。

その点息子は痛烈である。

基本、親にはハンタイ、というポジションだから、時には私が本気で泣いてしまうほど批判され、叩きのめされる。

何だかグダグダしてにっちもさっちもいかなくなった時は、「そういうアンタがダメだっ!」と非情に切り捨ててもらうことも必要だと思うんである。

LSA(London School of Aromatherapy)の実習が終わった夜。

銀座に次男を呼び出して、『全く関連のない二つのことを同時進行で仕上げる。しかもそれらの成果にはそれぞれある程度の完成度が要求される』ことについてクダを巻くことにする。

『全く関連のない二つのこと』とは、今回の場合、ようやく終わったLSAの実習と、翌日のパーティでフラを踊ることである。
当然この二つ以外の仕事がメインの日常なので、ここに費やす時間は当然限られており、逆立ちしてもこれ以上は無理、と追いつめられると、心臓と胃を振り絞られるようである。

えーやないか、適当に終わらせば、
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(ソファの背にまたがって寝ているべっちゃんの後ろ姿である)
とは、どうしても思えないA型が悲しい。

「振りが入っている(覚えている)というだけではダメです。私から踊りを盗んで」という先生が、私のような者に要求している完成度とはどこまでなんだろう?
LSAの実習の日に他のフラのメンバーは集まって自主練習を積んでおり、そこに入れず、明日みんなの足を引っ張るかもしれないと思うと、パーティ自体を欠席したくなる。

「はっ?」

アンタ何言ってんのという語調で次男のツッコミが開始される。
「つらいなら辞めれば。誰も止めないし、迷惑もしないよ」

そのとおりである!

自分が好きで選んだ2つである。
私が辞めても、誰も喰いっぱぐれたりしないんである。

そして、「辞めれば?」「もう無理でしょ」と言われると、「いや、頑張れる!」と言ってしまう私を、大変よく判っていらっしゃる。

かくして、実習と飲みの疲れをいっぱいに溜めつつ、翌朝6時にベッドからずるりと引きずり出て、『Ka Lehua 'Ula』を10回懸命にさらい、舞台に立つ私であった。

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「あたしも美しいでしょ」

はいはい。

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