SSブログ

自宅、頑張れ東北!「これだけで十分」 [フレグランス・ストーリー]

「東上線、やっぱりダメだ」
夜10時過ぎ、池袋にいる次男から電話。
全線運行の20時半を待って池袋に行ったはずなのに、今度はポイント故障で不通とは、東上線本当に使えない。

次男は都内に住んでおり、震災後も仕事だと言って埼玉には帰らず何かと心配だったが、とうとう事務所から自宅待機命令が出て、帰って来ることになった。
京浜東北線で浦和まで来るように言い、最後のガソリンを振り絞って迎えに行くことにした。

家を出たのはすでに23時近かった。
途中、信号で停止している時、車がグラグラと揺れた。
慌ててラジオをつけると、静岡震度6、東京埼玉は震度3という情報。
あちこちで強い余震が起きるのがいかにも不気味だ。


ようやく彼の顔が見られると思っていたのに、これで電車がまた止まってしまう、と胸にシャッターが降りたような気がした。

閑散とした浦和駅に着いて彼に電話すると、案の定通じず。
普段便利に使っている携帯通話や交通手段がこんなにもろいものだと、この災害で感じた人は多いと思う。

明日朝まででも待つつもりで、ダウンを着込み、ガソリン節約のためにエンジンを切った。

・・・と、暗い歩道を歩いて来る人影。
地震直前で駅に着いたらしい彼であった。

飛びつきたいほど、うれしかった。

同じ日、新潟の長男も、おヨメさんの実家に預かってもらっている最中に被災して会うことができなかった碧ちゃんを迎えに行き、震災後5日目にして一家が寄り添うことが出来た。

未曾有の震災に遭い、これからどうなるのだろうと不安な時、それでも家族さえ一緒にいれば、心は十分に満たされる。
TVに映し出される、行方の判らない家族を捜す被災者の方々の姿には、心を引き裂かれる思いだ。

原発は。
物資不足は。
停電は。

不安と、悲しみと、暗い思いだけが渦を巻く。

だが、
「他には家族や家を失った方もいる。(どんなに不便でも)命があるだけで十分です」
とおっしゃっていた避難所生活の方がいる。

水戸の両親が暮らす施設でも、例外無く物資食料不足で大変だというが、戦争をくぐり抜けてきたお年寄り達は皆我慢強く、「おにぎりを一つ頂ければ十分です」と言っているという。

豊かな生活に慣れ、自分を含めた我々の「十分」は普段ものすごく大きなレベルに達してしまっている。
こんな時、本当に何さえあれば「十分」なのか考え直し、それ以上のものは不足しているところへ。

外国からは、こんな災害に遭いながらも、暴動一つ起きず、被災者の方々が整然と指示に従って行動する、日本の姿に感嘆の声が上がっている。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2790613/6951747

日本はきっと立ち上がる。

頑張れ、東北!

私ひとりが気炎を吐いても仕方ないかもしれないけれど。
「これだけで十分」と心に留めて。

IMG_3999.JPG
「ワシたちは、いざという時にすぐにお母さんと逃げ出せるよう、リードを常時装着。おかあさんと一緒にいられれば十分や」

いよっ! 災害本部長!

ボケてなんかいられませんよ。

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。