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NY弾丸トラベラー、ティファニーで朝食を [セルフィッシュ・ジャーニー]

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「意外ですよねー」

アメリカ本土へ一度も渡ったことが無いというと、必ず言われる。

無意識のうちに全くの異文化を求めるのか、さてどこへ行こうかと考えた時にはいつも気持ちが西へ西へと向いてしまい、太平洋を横断する(実際にはもっと北を回るのだが)機会には恵まれなかった。

「なんでさ?」
と口を尖らせるフィリップに、
「だってアメリカは歴史も浅いし、NYなんて東京と同じでしょ」
と無謀にも言い放つと、彼は皮肉たっぷりに、
「まあ、行ってみてご覧よ。きっと意識が変わるぜ」
とおっしゃるのであった。
(彼はフランス人だが、ご両親がアメリカ在住である)

イギリスの自由気ままな一人旅から帰ってジャスト1週間で、逆に地球を回ってNYへ出発。
今回は夫も一緒の、オフィシャルで3泊5日というかなりタイトな日程である。

西からの時差ボケを引きずったまま東へ逆行するというのはどうなんだろう?
3泊のうち、二晩はブラックタイのフォーマルなパーティという非日常はどうなんだろう?
懸念材料満載の弾丸トラベラー。

しかし、人間やろうと思えば何とかなるもんである。

なんとなく気持ちが後ろに向きがちであったが、Never give up, Mana!とフィリップにお尻蹴飛ばされて、行って参りました!

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着いたのはNY、マンハッタンのど真ん中、フィフスアベニュー。

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大西洋に面したニューヨーク湾の中の島を、東西をStreetで、南北をAvenueで、と完璧に人工的な碁盤の目状に区切ったこのマンハッタンが、普通我々がNYと聞いて思い浮かべる場所である。

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まるでぞっくりと立ち上がった摩天楼の森。
それが東京のように近代的なビルではなく、1900年前半のクラシックな建物であることが一番の驚きである。

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一度も行ったことが無くても、この街が世界一イメージがしやすいのは、ハリウッドで作られる映画の4割(・・とドライバーが言ったと思う)にこの街の風景が描かれているからだ。

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あ、『ホームアローン』のプラザ!

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『メイド・イン・マンハッタン』でジェニロペが歩いてた路!(in セントラルパーク)

こんなふうに、マンハッタン自体が、映画撮影のために作られた巨大なセットであるかのような錯覚さえ起こさせる原風景がここじゃないだろうか。
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巨大ジュエラー、ティファニー本店。
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パリ・ヴァンドーム広場の数々の老舗ジュエラーは、クラシックでこじんまりとしていてなかなか一介の東洋人は足を踏み入れ難いが、そこはアメリカ、どーんと広くてEveryone OK!て感じである。

その名の通り『ティファニーで朝食を』体験を前に、私の頭の中では”ムーン・リバー”が鳴りっ放しである。
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ティファニー・ブルーで彩られたダイニングには、ジュエラーらしくまるでダイアモンドのネックレスのようなシャンデリア。
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ティー・ストレイナーの上に、さらに重ねたチュールがものすごく優雅である。

実際にはヘプバーン演じるホリーの朝食は、紙袋からパンを取り出してかじりながらゴージャスなウィンドウを眺めるだけなのだから、ちょっと趣旨には反する気もするが、「ティファニーで朝食を」という邦題が頭にこびりついている日本人にとっては直球ど真ん中ストライクな体験である。

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実際には店内ではなく、お隣のこれまたゴージャスなホテル、The St.Regisのセントラルパークを望むティファニー仕様スイートでの朝食であったが、これは演出として最高でしょう。

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セント・レジスのアーティスティックで印象的な階段。

ジュエリーにはあまり興味がない私ではあるが、まさかここで朝食だけというハズシはできず、夫にちょっとしたジュエリーを買ってもらう。
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いきなりハードル上げてしまったが、一歩外へ出れば、そこは生き生きとしてフレンドリーな息づかいが感じられる巨大他民族国家である。

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NYお約束のベーグルと、あまりにも綺麗に割られた栗の屋台。

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路上芸人のジーンズと飼い犬。

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ビルディングのこの外階段も、私にはIt's NYである。

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フィリップお勧めのミート・パッキング・ディストリクト(名前の由来は肉の卸売店が建ち並ぶエリアだったことから)付近のハイライン(The High Line)は、高架鉄道の廃線を利用した細長い公園である。

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あまり天気が良くなかったのに、ここに着いたとたんに日が射し、しばしの空中散歩を楽しむ。
どこまでもどこまでも、強かったアメリカを歩いていけるような気がする。

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え?オレたちここに入るのと夫が躊躇したバーガーショップ、5 Guys Burgers and Friesは、フィリップ制作の「身体に悪そうなジャンクフード店」リストから。

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紙袋に無造作に投げ込まれたバーガーとフレンチフライ。

お味はNot Badでございました。

NYならセントラルパークでしょう、ということでホース・キャリッジで園内一周というフィリップ大爆笑のアトラクションにも挑む。
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他意は無いのだろうが、馬車の両脇に飾られたチープな造花が仏壇の供花みたいで笑える。

ぱかぱかという蹄のリズムと共に巡る大都会の中の、人間の手による大自然。
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時にはこんな管理人も。
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ドイツなまりの御者が、あれはジョンレノンが住んでいたダコダ・アパートメント、あれはゴースト・バスターズに出てきたマンションと、景色を紹介してくれる。
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いやいや、これもNot Badである。

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ショウウィンドウの飾りも、

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デパートのクリスマスのディスプレイも、

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遠くに見えるエンパイアステートビルも、

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ランチを取ったデパートのレストランも、素敵すぎる。

フィリップ、ごめん。
NYは、全然「東京と同じ」じゃなかった。
初日でアッサリ前言撤回。

私はアメリカの何を自分から遠ざけようとしていたんだろう?

とんでもなくゴージャスな一面もあるけれど、誰をも受け入れんとする巨大なNYの懐に魅せられる。

セントラルパークで馬車とすれ違ったジョギング中の人々からかけられた「Welcome to NY!」の言葉の意味が、決して上辺だけではないと感じさせるところがすごい。


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しょーこ

秋のNY! 憧れであります…!!!
なぜか、メグライアンとトムハンクスのyou've got a mailを見てから、ずっと秋のNYに恋しています。mana さんのお話を読んで、ますます行きたくなりました〜

by しょーこ (2011-10-18 21:52) 

mana

しょーこさん

本当に数え上げればきりが無いほど、NYを舞台にした映画って多いですよね。
だからなのか、NYには夢がいっぱい詰まっているような、あの映画のようなシーンが自分にも用意されているんじゃないかと錯覚するような楽しさを感じました。

まだちょっと紅葉には早かったけれど、コートの襟を立てて歩くような季節に行きたいですよねー
by mana (2011-10-19 10:55) 

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