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目白、カラオケルーム [フレグランス・ストーリー]

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水、ぬるまず。
まあ、どんだけ寒いんだろうって話である。

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水戸近郊に住む従姉妹が「もうそろそろ(時期は)終わりだよ」とアンコウのぶつ切りを送ってくれた。
早速あん肝を煮とかした味噌鍋に仕立てる。

私が高校生の頃はまだ、通学路にあった小料理屋の店先には、この時期アンコウがアゴを大きな鉤で引っ掛けられて吊るされており、6時起きの朝練へ急ぐ身を切るような寒さが、そのずるりとした様相にいや増されたことを思い出す。

縮み上がるような強い乾っ風が吹きすさぶ日曜、陽気な友達夫婦のお誘いで、夫や、もう一組の友達夫婦と、目白のご自宅を訪ねる。

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ご主人は一級建築士で、お父様から一棟まるごと受け継いだ立派なマンションのルーフバルコニーにカラオケルームを作り、一階の部屋の下には昔なら防空壕、イマドキにいえば核シェルターみたいな地下室を掘って趣味のドラムセットを持ち込んでいる。
違法建築スレスレのかなりヤバい一級建築士である。

そのカラオケルームで80点以上出さないと「帰れまテン」をやるから来いとのお達しである。
(何がテンなのか、意味不明である)

桑田とサザンに身も心も声も捧げた夫はいいとしても、正直まずいなーと躊躇したのは私である。

苦手なものはほとんど努力と練習で克服できると信じているが、50ン年コンプレックスを抱き続けた母似のガラガラ声だけは持って生まれたものでどうにもならず、カラオケなぞは考えつく限りの言い訳を駆使して回避し続けてきた人生である。

さて、どうなるか。

ご主人がドラム、夫人がピアノを弾くこの夫婦は、口を開けば離婚寸前のようなことばかり言うが、どうしてどうしてシェルター内のセッションだってぴったりである。
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子育て中に一緒に住んでいた横浜のマンションでは二人のこの面があまり目立たず、この破天荒なダンナの巻き起こす騒動に夫人がじっと耐えている印象ばかりが残っているが、目白のお城に帰った道楽息子は見事にその道楽に花を咲かせ、かつ、その中で寝たきりのご母堂を自ら介護する孝行息子でもある。
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何だか世の中うまくまとまるもんだなあと、一緒に波乱の子育て時代を暮らした者としてはしみじみ嬉しい。

さて、懸案の私のカラオケはと言えば、たった一曲歌った竹内まりやで81点をたたき出し、ようやく帰る許可を頂く。
次回は3月、としっかりスケジュールも確保され。

いよいよ人生最後のお題、カラオケ克服に挑戦か。




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