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マダガスカル・マダム芳香紀行、イランイランの島 [セルフィッシュ・ジャーニー]

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「ノシベ島って島中にイランイランの香りがするって本当ですか」

日本に帰ってからセラピスト仲間から聞かれたけど・・

答えはYes。
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イランイラン(Ylang Ylang)は、放っておけば30〜40mにも達する大木である。

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しかし、ノシベ島で訪ねたSPPM COMPANY PLANTATIONで、その木は酷くねじ曲がっている。
女手でも容易にその花を摘み取ることができるように、育ってくると真上から芯を叩き割られて、こんな枝振りになるという。

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身長156cmの私と同じくらい。
(ねじ曲がった木とマラリア蚊防護のため完全武装の女。すごい構図)

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無骨な男たちによって、マリリン・モンローが素肌に纏って寝たというシャネルNo.5の主原料になるあまやかな香りが運ばれていく。

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イランイランは、インドネシア語で「花の中の花」の意。

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ほら、おしべが赤くて特別なイランイランだよ、とフランコム博士。

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蒸留釜に入れられて湿り気を含み、より一層艶かしい香りを立ち上らせる。

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村の小屋の中に仕立てられた素朴な蒸留釜。
磨きたてられているわけでもなく、もちろん近代化のかけらも見当たらない。
アランビックはその名の通り、アラビアでオイルの水蒸気蒸留法が発明されてから何百年もそのシステムも道具もほとんど変わりが無い。

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オイルが抽出されてくる。

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素朴な黒板にかき込まれているのは、100kgの花からボトル(FLC)22本分、120kgからは26本分のオイルが採れるという意味(らしい)。

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使い回したオロナミンCの空き瓶みたいな125ccボトルが容器。

要は125ccのオイルを採るのに4.5〜4.6kgの花が必要って計算だ。
この抽出パーセンテージと熱帯でガンガン育ちまくる奔放な植物科であることが、ジャスミンやローズに比べて比較的イランイラン油が安価な理由だ。

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花の置き場の端っこの方で恐る恐るマリリン・モンローの気分。


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どの蒸留工場を見ても、その労力を担っているのは、自分たちが抽出したオイルがどんなfinished productsになるか、きっと知らない人たち。

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プランテーションに行く途中で立ち寄った、木の実を使った手作りアクセサリーを住民が売る簡単なストール。
女性が顔に塗っている黄色い泥のようなものは現地の日焼け止めみたいだ。(しかし、この期に及んで日焼け止めって必要?マダムはあっさり放棄してお肌ボロボロです・・・)

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澄んだ湖をバックに、観光客用に化粧を施した母親と子どもたち。

この潤んだ目、よく見たなあ。

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マダガスカル航空のシンボルマークでもある旅人の木と村人たちと私たちのぽんこつバス。

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旅人の木は茎に傷をつけると水が滴り落ち、その昔渇きに苦しむ旅人を救ったという大きな扇形の木。
その木陰は、真冬でこの気候というマダガスカルの強い太陽からも旅人たちを守ったはずだ。

空が青いよお。

ノシベ島から、今度は反対にプレジャーボートで本島に渡り、さらに大きなMILLOT社の蒸留工場の見学にも行く。

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湊までの道連れは、黄色いオート三輪の陽気なおっちゃん。

波止場は、モノを運ぶ人やお出掛けするのに民族衣装をまとった人で賑わい、カラフルだ。
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果物を売る母子の明るい表情が過酷な旅の疲れを癒してくれる。

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コーラは、水がアヤシいここでは日本人にとって一番安全な飲み物のような気がして飲みまくり、帰国後体重測ったら1.5kg増。
(ビールは長時間移動が怖くて、昼間は飲めなかった)

決して食べ物が豊富とは言えないマダガスカルに行って、太って帰ってくるワタシっていったい・・・

コーラ、やっぱり危険な飲み物だと思う。


船着き場には、2隻に分かれて乗れという我々のプレジャーボートが。
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ぎく。

この小さなボートで片道40分もかかるんですか。

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おーい、負けてはお国に生きては帰れんぞぉ〜〜〜
(いったいいつの時代?)

了解いたしましたああ〜〜〜


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熊本から参加された竹酢お爺ちゃんのかけ声(御年82歳っていうんだから恐れ入る)で、2隻の乗組員はお互い相手を抜去れと現地人の操舵手をけしかけて大騒ぎ。
波を縦に突っ切って走るので、ダンダンダンと上下に大きく揺れて、振り落とされないよう舳先にしがみつくので必死だ。

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ワタクシ、この後も続く悪路の長時間ドライブを含め、この旅ほど乗り物酔いしない我が身をありがたく思った旅はありません・・・。

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マダガスカル名物のバオバブの木は、ボートから1本だけ見えた。

対岸の本島アンバンジャ(Ambanja)のMILLOT社まではさらに、お世辞にもきれいとは言えないバンで1時間。
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森林にひっそりと実をつけるグリーンペッパー。

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コブ牛が運ぶレモングラス。

ああ、ドナドナだなあ。

使役牛を見るたびに、何故か感傷が湧き上って来るのは私だけ?

MILLOT社は、さらに手広く蒸留を行うフランス資本の会社だ。
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(え?MILLOTしゃって書いてある?)

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摘まれたイランイランが到着。

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蒸留釜に投入される。

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フタが閉じられて蒸留が始まると、スタッフが長いスワンネックを、蒸気を冷やす冷却装置へ繋ぐ。

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冷却装置からオイルとハイドロソル(蒸留水)が分離して取り出される。
1回めのオイル採取の後、取り出されたハイドロソルはこうやって漏斗で上手に受け止められ、また2回めの蒸留に使用されるため釜に戻る。

ちょっと公園の小◯小僧を思い出したり、ピンポンボールみたいにあまりにアナログで上手く受け止める装置に、思わずクスリとする。

そう。

イランイラン油の製造過程で最も興味があるのが、最初の蒸留をし終わった花をまた再蒸留、再々蒸留を繰り返し、成分の異なるオイルを採取することである。

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これは最初に採れるEXTRA SUPERIEUR(最最高)から次のEXTRA(最高)、PREMIERE(一番め)、DEUXIEME(二番め)、TROISIME(三番め)の抽出オイルの成分表(・・だと思う)。
(フランスの植民地であったマダガスカルでは公用語がフランス語なので、もういちいち表示の解読につまる。)

早い段階で採れるオイルほどO2化合物を多く含み、比重が軽い。

なので、イランイランのオイルを買う時は、必ずラベルで何回めの蒸留で取り出されたものなのかを確認することをお勧めする。

他の分野では一番先に採られたEXTRAが一番いいに決まってんだろーということになろうが、イランイランに関しては違った香りが楽しめるし、含有成分も異なることから効用も異なり、香りの好みや効用で何番めの抽出オイルを選ぶかが決まるのだから。

なんか、この段階の説明をもっと詳しく知りたかった。
(ちゃらんぽらんに聞いていた自分を悔いる)

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オイルが出てくる場所を管理しているらしいおっちゃんは、その重要なポジションを非常に誇りに思っているらしく、クソ真面目な顔で花を見せたり、オイルが出てくる管の中にハンカチを突っ込んでみろ、どうだ、この香りは!と自慢する(言葉は分からないが、私のハンカチの端を無理矢理管に突っ込んでみろ!って言うので、そんな感じだろうと思う)。

いいぞ、とぼけ顔のおっちゃん!
仕事にプライドは大切だ。

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蒸気抜きの壁のスリットからこぼれ落ちる南国の日射しのグラデーションが何とも美しい。

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見学後、農園に併設されたレストラン(・・・といっても少し大きめなあずまや風の小屋)でランチ。

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カカオの加工も行っている社のチョコレートケーキが絶品。

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カカオの天日干し。

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行きよりさらに風が出て揺れる海原を、また競争しながら帰る。
行きにも増して大騒ぎである。

でも竹酢お爺ちゃまが発奮されたのは、みんなが船酔いしないように盛り上げてくれたんだろうなあと後で気が付き、今回の参加者の見事なラインナップを改めて見直す。

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買ったチームは、ノシベ島上陸後、勝利の雄叫び。
ワケが分からず、後ろの方でフランコム博士までが拳を突き上げているのが笑える。

えーと、博士。
日本文化を誤解しないでくださいね・・・


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その夜の晩餐が、ことのほか陽気に盛り上がったのは言うまでもない。

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なぜかノシベ島名物だというフォアグラ料理。
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・・・はさておき、大阪は岸和田から持参のさんまの蒲焼きがディナーのテーブルを一気に日常化する。
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ある人は珍しい蝶を追いかけ、ある人は後進国の子どもたちに文房具を届けるために世界を渡り歩いている日本のオジさんたち。
そのバイタリティーとウィットに、ハードなスケジュールの中で何度救われた思いがしたことだろう。

面白いなー、このツァー。

ふう。
書き疲れ。

to be continued again・・・



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