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チェンマイ、「水着を捨てて北へ行け」 [セルフィッシュ・ジャーニー]

「水着を捨てて北へ行」ってみた。

夫の従兄のおかげで、幾度となくタイにはお邪魔し、バンコクはもちろん、そこを足がかりにしてプーケット、パタヤ、サムイへ行ったり、少し足を伸ばしてカンボジアへの国境を越えたこともある。
ヨーロッパへは吸収する旅、アジアへは放出する旅、と自分の中では一応の分類が決まっているのだが、今回は1冊の本に出会って、アジアへ「吸収」しに舵を取ることにした。

「チェンマイに溺れる~水着を捨てて北へ行け~」(永田 玄・ダイヤモンド社)で著者は、「タイと言うと、パタヤだ、プーケットだ、と南国の楽園のイメージが強いが、本当のタイはラオス、ミャンマー国境近くの北方の古都、チェンマイにある」と説く。
私の中でもチェンマイは、日本からなんとか組合のおじさんたちが「視察」と称してお楽しみに行く町、というイメージがなぜか付きまとって、今まで行こうという気になれなかったのだが、この本を読んでついに水着を捨てる決心をする。

熱く、陽気でにぎにぎしいバンコクとは趣が全く違うのは、着陸前の飛行機からすでに見て取れる。
ちょうど日没である。
巨大な一粒のイクラのように赤く透きとおった太陽が山の向こうに落ちていく。
そう言えばこれまでタイで山を見たことがなかったと初めて気付く。
下界は濃い緑の中に洋風の邸宅が点在して、さながら逗子か軽井沢といったところか。

バンコクが東京ならチェンマイは京都(この例えは?だが)、バンコクが孔雀ならチェンマイは雉?、バンコクが甘美なジャスミンならチェンマイは土の匂いのヴェチバーだ。
そう、チェンマイは土の匂いの文化の坩堝。
北方に控える山岳に住む少数民族が、生活の糧に民芸品を持ち込んで観光客に売りさばくための大きなバザールや市場があちこちにある。
昼間は閑散としているストリートは、夜になるとどこからこんなに人が沸いてきたのか不思議なくらい猥雑でにぎやかな顔に変貌する。
たった2日の滞在ではこの街の匂いをやっとそんなふうに感じるだけだ。

ゴルフをし、その後かなりレベルの高いホテルのスパでトリートメントを受け、ナイトバザールを歩いて、こりゃよい、こりゃよいと浮かれていたら、夕食後激しい頭痛と関節痛と熱感が襲ってきた。
もしや・・・と海外渡航情報でやっていた鳥インフルエンザが頭をかすめる。
タイの鳥はおいしいので、最初から食べまくりだ。
やばいなあ。でも熱が通っていれば大丈夫、って言ってたよなあ。
タミフル、持ってきてないもんなあ。
成田に着いても日本に入れてもらえないかも、と想像はどんどん悪い方へばく進していく。
とりあえず持っていた抗生剤を飲み、秘蔵の1本を取り出す。
ベイローレル(Laurus nobilis)は以前カート・シュナウベルト博士が来日した時、海外には必ず携えると言っていた免疫系統に素晴らしい力を発揮するオイルだ。
博士は海外では疲れで免疫機能が落ちるので、毎朝のシャワーの後にかならず腋の下にこれを擦り込むのだそうだ。
腋の下、鎖骨下静脈部分、両足の付け根、みぞおち、耳の下、首の後ろ、と思いつく限りのリンパ節の場所に、セントジョンズワートで稀釈したローレルを擦り込んで、とにかく着込んでベッドにもぐる。

苦しい一晩をやり過ごし、ピン川の向こうがしらじらと明けてくる頃、関節痛は鎮まり、午前中さえ休めば何とかなるだろうというところまで身体は回復していた。
ローレルのおかげなのか、抗生剤のせいか、はたまた両方か。
とりあえず助かったみたいだ。


▲チェンマイで泊まったホテル、THE CHEDIのロビー


▲THE CHEDIは和風旅館のような格子で表通りと隔たっており、外の喧騒と赤茶けた空気が見事なストライプを廊下に織り成す。


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