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たんご坂、ネリーさんの羊 [ブレンド・プロダクツ]

オフィキナリスの主要ブランド、ヴィ・アローム社の創始者、自然療法家のネリー・グロジャン博士が来日した。
プロヴァンスの修道院を買い取って有機栽培の芳香植物を栽培、良質なエッセンシャルオイルの製造とアロマテラピーの普及に尽くしてきた方で、大変な親日家、日本でもファンをがっちりとつかんでいる。

今回は日本での通訳を務めるわがバーグ校長の計らいで、LSAで無料講演を行うという。おりしも半年に渡っての我々のヴィ・アローム・インストラクターコースが終わったところで、修了書がネリー自身の手から渡されるのだ。

講演前の旅行の説明をスタッフがしている時から、ドアの隙間からちょこちょこ顔を出す。何とも愛嬌がある。
いざ登場。両手に持ったルームスプレーを噴霧させながら。(かっこいい!)
エキゾチック・ヴァ-ベインか、フレッシュトニックか。いずれにしてもこれから講義を聴くのだから「目を覚ませよ」という覚醒系だろう。レモン様の香りが狭い教室中に満ちる。

「トウキョウでミナサンにお会いできてコウエイです。」
知っている日本語はこれだけ、と言ってにっこりと笑う。
魅力的な方だ。
事前に乱れ飛んでいたネリー像はもっともっととんがった過激な感じだったのだが、鋭い言葉の羅列の奥のブルーの瞳にたたえられた優しい光は、聴いているものをみなネリーファンにする。
バーグ校長が通訳している間も決してじっとしてはいず、我々に向かってスプレーを吹いたり、椅子の上に胡坐をかいてみたり本当にじっとしていない駄々っ子のようだ。
蒼い眼の奥にいたずらっぽさと強さが見え隠れし、しっかりと自分の信念の上に立っているという姿勢が潔い。
自称55歳、多分それより少し上(?)であろうが、無駄のない体つきとポジティブな考えは、自著のとおり。体は人を表す、とはこのことだ。

ネリーの信念の塊、といってよいのがプロダクツの中の12のフリクションだ。
フリクションは用途に応じた原液のEOのブレンドであるが、それを直接肌に「フリクション(擦り込む)」するとしている。
一般的に(特にIFA規格では)ラヴェンダー以外のEO原液を肌に塗布してはならないというのが常識なのに、なぜ原液同士のフリクションは大丈夫なのか、というところに質問が集中する。
それに対するネリーの答えはすこぶる明解。
「私がブレンドしたんだから間違いはない。」

フランスではEOをブレンドしてクライアントに手渡すことは、医師や薬剤師のような資格を持った者にしか許されていないという。
もちろん日本でも厳密言えば、セラピストが自分でブレンドしたものをクライアントが家で使用するのに手渡すことは薬事法に引っかかるらしいが。
有資格者であり、オイルどおしの相殺効果を十分に考えた自己の長年の研究の成果がこれ(12のフリクション)なのだ、というネリーの言葉に、彼女の生きてきた道の真っ直ぐさが見てとれる。

最後にネリーから修了書を手渡される。
一人一人写真撮影にも応じてくださり、自著にサインもしてくださる。

6月末に修了生でネリーのプロヴァンスの農場を訪ねるプランが本格化した。
「6月にまた会いましょう!」とネリーは去っていった。

父の病状や、仕事の関係でかなりの努力をしなければ私は参加にこぎつけられないけれど、「行く」という気持ちさえ持てば環境は整ってくるはず。
そう信じて眠ったその夜、南プロヴァンスの農場で放し飼いになってネリーを追い求めている私達の夢を見た。
羊の格好の私達だった。(これが言いたかった!)

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