SSブログ

世界各国、香りを閉じ込めるもの [フレグランス・ストーリー]

気がついてみれば、コレクションしているアンティークはみんな「香りの入れ物」だった。

P1010240.JPG
パリでは普通の蚤の市などで、ニナリッチ、ブルジョア、コティなど往年の有名な香水のボトルが5000円〜でほこりに埋もれて沢山売られている。
今では高級クリスタルメーカーとして名高いバカラやラリック社製のものも見つかる。
P1010242.JPG
P1010245.JPGP1010250.JPG
アールヌーボー、アールデコ期のデザインがそこここに見受けられ、なるべく状態のよい、ボトル自体に価値のあるものを探し出すのがコレクションの醍醐味だ。

P1010252.JPGP1010255.JPG
アロマテラピーに出会うずっと前から、清時代の鼻煙壷(snuff bottle=嗅ぎタバコ入れ)に魅せられ、膨大な数をコレクションした。
これはそのほんの一部、珊瑚のカーヴィングの鼻煙壷たちだ。
ニューヨークのサザビーズで競り落とすようなものから、シンガポールの道ばたで売られている1000円ほどのまがい物のお土産品までさまざまであるが、旅先の思い出が、中に残った嗅ぎタバコ(時にはアヘンとおぼしき粉なども!)の香りとともにこの小さなボトルに詰まっていて、どれもいとおしい入れ物たちである。

P1000214.JPGP1000211.JPG
ネリーのミュージアムにも沢山のアンティーク香水瓶のコレクションがあり、その中に鼻煙壷もあって、何だかとてもうれしかった。

「自分のコレクションは他人にとっては何の価値もないものだから、見せられる他人は迷惑だ」と常々父が言っていたことを思い出す。
だからひとりでこっそり楽しむ。
アンティークの香水瓶や鼻煙壷は、中に残りの香水や嗅ぎタバコが残っていて、それを嗅ぐと使っていた人や時代の景色が浮き上がるようだ。

日本の香炉にも素晴らしい芸術品が多いが、香りの入れ物達は一様に美しく凝ったデザインが施されていて、人々が香りを閉じ込めるものにどんなにセンスと知恵と財力を注ぎ込んだかが判る。

香りは宝物だった。
香りの入れ物を見ていると、いつもそう思う。


nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 1

ギャラリー真玄堂

初めましてギャラリー真玄堂の高橋と申します。鼻煙壷につきまして調べておりましたら、こちらのブログに出会いました。アメリカ個人コレクション鼻煙壺展を開催いたしますので、お時間がございましたら遊びにいらして下さい。
by ギャラリー真玄堂 (2012-02-23 13:33) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。