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フランス、美しいトイレ [セルフィッシュ・ジャーニー]

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私がこれまで見たトイレの中で一番美しいと思ったのは、パリの装飾美術館内にあるカフェのトイレだ。
便器はなぜ楕円形なのだろうという究極の疑問に行き着く、こんな形だった。
白いタイルに合わせたデザインで、だから使いにくいということもなく、清潔感があり、スタイリッシュな個室に案内されたような気がした。

日本のお尻は世界一甘やかされていると思う。
「お尻だって洗ってほしい」というコピーで登場した洗浄機能付きトイレはあっという間に日本中を席巻し、いまや「洗えない」「温かくない」トイレを探すほうが難しいくらいだ。
そんなトイレ環境に慣れた日本人(例・夫)は、海外に出るとヤワなお尻が悲鳴を上げるらしく、真っ先に洗えないトイレで大騒ぎする。
マライア・キャリーが来日した際に、この〇シュレットを大量に大人買いしていったことも記憶に新しい。

そこへ行くとアジアはもちろんのこと、ヨーロッパの文化的先進国のトイレはかなり原始的だ。
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東南アジアによく見られるこのような足場だけがついている便器も、フランスの地方ではよく見かけた。
どっちを向いてしゃがむのか一瞬悩むし、うっかり足場に乗ったまま水を流そうものなら靴はびしょぬれになる。
トイレットペーパーを流すことができない(脇の屑かごに入れる。これは結構抵抗がある)トイレも多い。

かと思うと、清浄の発想が180度転換させられるトイレもある。
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これはニースの空港のトイレだが、便座を離れるとウィーンと音がして、便座そのものがぐるっと回りだす。
正面のグリーンの帯に洗浄剤が仕込んであって、便座がその中を通りながら一周することによって清拭されるのだ。
動かない便座をぐるっと手動で拭くことの常識はひっくり返る。

フランスの誇るTGVの車内トイレは、そんじょそこらのカフェのトイレより美しく、トイレットペーパーがかわいらしいピンクのポップアップなのがおしゃれだ。
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コンパクトではあるが、シックでモダンなHotel Montalembertのサニタリールーム。

でも何といっても圧巻だったのは、片田舎にある蒸留工場でトイレを探すわれわれにネリーが放った一言。
「in the field!」
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冗談かと思ったが、ネリーの眼は笑っていなかった。

アロマテラピーのルーツを探れば、それは自然との共生に繋がる。
ネリーの今日の偉大な業績は、ヨーロッパの人々が血筋に刻み込んできたアロマテラピーの土壌に源流を発しているのだと強く感じた。
ネリーはこうやって(本当にin the fieldでネリーが用を足したかどうかは別として)自然と共存し、自分のアロマテラピーを大成したのだ。

たかがトイレなのだが、されどトイレ、いろんなことを考えてしまった。

ちなみに、蒸留工場ではバーグ先生が交渉してくださって、工場の住人の私宅のトイレをお借りすることができ、究極のトイレは使わずに済んだ。




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