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息子たちの部屋、思い出まとめて [フレグランス・ストーリー]

息子たちの部屋を半分つぶして収納を作り、その部屋の前のベランダをサンルームにする工事がようやく終わる。

この日曜は、息子たちの部屋の整理をするために、大事にとっておいた一日だ。

夫が開業して1年、まだ賃貸マンション暮らしのうちに大学進学のために家を離れた長男は、一度もこの家に住むこと無く結婚してしまった。
2年後に都内の大学に進んだ次男も、受験期は代沢に借りたマンションで過ごし、大学入学と同時に今度はぼろアパートに移り住んだので、これまたほとんどこの家に暮らしていない。
子供たちが育つ過程で、物質的な拠り所となる自分たちの家を持つことが出来なかったのは、残念だし申し訳なく思う。

そんな親の思いとは裏腹に、ドライな二人の息子たちはこの家をトランクルーム代わりに解釈して、処分しきれない私物を次々と運び込み、二人の部屋はガラクタの山と化している。

受験期の参考書、教科書、要らなくなった洋服、楽器。
特に建築を勉強している次男に至っては、修学の過程で次々に制作する模型を運び込むものだから、部屋は天井まで段ボール箱とスチロール製の建築群が積み上がっている。

日の当たる部屋の真ん中に座り込んで、先ずは教科書、参考書類を片っ端から重ねて紐で縛る。
それらが入っていた段ボールもつぶして縛る。
クローゼットの奥にひっそりと置いてあった段ボールの中のエッチな本たちにもこんにちはしてしまう。

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たちまちガレージ脇は縛られた本類でいっぱいになる。
真新しい参考書もあり、ほんとに勉強したんかいっ!と一人でツッこむ。

反対に使い古された辞書や、アルバムは愛おしくて捨てられない。
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ほんとに奇想天外な中学時代を送った次男が書いた色紙も捨てられない。
バスケ部の仲間たちの写真は色あせて、まだ小学生のような幼さが遠い昔だったことを語りかけて来る。

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長男のサーフボードは、もう自分を迎えにくることは無い持ち主を永遠に待つ決心をしたかのように、西日の中で佇んでいる。

息子たちの存在の澱は、こうしてほんの少しの気配をこの家に残して、明日の収集車に乗せられていくのである。

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