ふじみ野、29回め [フレグランス・ストーリー]
「今日は何回目だよ?」
「10回目なんじゃない?」
「・・・・・」
YesともNoとも言わず夫が黙り込む。
あら、今日の花見じゃないの?
どうでもいいことはくどくしゃべるくせに、必要なことは省略する。
何の回数なのか、わかんないし!
「3月30日だろ?」
わかりました!
29回目の結婚記念日なんである。
今思えばなんでこんな年度末の一番忙しい時に結婚したんだろ、と思うけど。
決算と花見の狂想曲鳴り響くこの時期。
毎度私はお忘れ気味だが、意外と覚えているのが彼の方である。
1980年3月30日、私たちは23歳と24歳。
彼はまだ医者になるかどうかも判らない大学の6年生。
母校の聖堂で挙げた結婚式の写真を見れば、私は洗いっぱなしのショートヘアをヴェールに包み、強い風の中で友人達と大口を開けて笑いこけている。
親戚と親しい友人達だけで、部活の打ち上げのようにはしゃいだ浅き春の一日。
何も考えない。
何も怖くない。
リスタートの扉はそんなふうに開く。
考えて恐れていたら乗り越えられなかった修羅場を歩いて、その日。
29回目なら「ニク」でしょー。
恒例のクリニックの花見が川縁の焼肉屋で催される。
肝心の主役はまだ2、3輪。
でもぼんぼりが灯った夕暮れの川辺は、バラ色に染まって美しい。
結婚記念日も焼き肉の煙にかき消され、行くなと釘を刺しておいた2次会のカラオケにどうしても行く言い張る夫の姿は、初々しかったあの日からの年月の経過を残酷に見せつける。
カラオケ店のトイレの張り紙。深い。
私の29年の帳尻、合ってる?
2009-03-31 10:13
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コメント(2)
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こんばんは!
偶然ですっ!!結婚記念日同じですっ!!!
うちは7回目。・・・まだまだっつう感じですね。
今年は危うく忘れるところでした。
自分は半分忘れていたくせに旦那に
「今日は何の日?ふっふ~」(みのさんのおもいっきり終わっちゃいましたね)なんて覚えてるか確認したりして(笑)
忘れてたらぶっ飛ばそうと思ったら覚えていてくれてました。
っうか、そんな聞き方したら普通ピンときますよね。
by 日和ママ (2009-04-01 00:18)
日和ママさん、おはようございます!
わー、何だか(特に意味はありませんけど)うれしいです!
どんな結婚式だったんでしょう、なんて勝手に思いを巡らせてしまいます。
車のNo.を見れば、旦那様がどんなに日和ママさんを愛していらっしゃるかわかりますよー。
次の車は0330にする?(お互い)
by mana (2009-04-01 09:02)