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千代田区1-1、あの方に会いたい [フレグランス・ストーリー]

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あの方のお姿を見ると、どうしてこんなに涙が出るほど感情がせり上がってくるのだろう。
あの方のお声を聞くと、どうしてこんなに自分が小さく思えて仕方が無いのだろう。

ご飯を食べながら、皆様のNHKが放映する『象徴天皇ー素顔の記録』の皇后の姿に思わず見入ってしまう。

学生時代、大学の構内に何度かあの方のお姿を見る。

毎年マリアンホールで開催されるグリークラブのクリスマスコンサートには、みんなが着席した後、後方の2階席に必ずあの方が最後に着席される。
スポットライトを浴びることも無く、ひっそりと。

終わると数人のお付きの人が動くので、あの方が一足早く退席される気配がわかるが、学生達は振り向くことは無い。
それが大学の無言のルールだ。

天気のよい日、大学の庭内のテニスコートにあの方のお姿がある。
でもその時、我々学生達がコート脇に群れることは無い。
それが暗黙のルールだ。

あの方は、そうして母校で束の間の「民間」を楽しまれ、あるいはそれでお心の均衡を保たれることもあったのかも知れない。
その場を提供し、それを妨げない。
それが50年前、お妃候補としてトップリストにあの方のお名前を掲げた、大学の精一杯の責任の取り方だったのだと思う。

今もあの頃のように、母校にお出かけになっていらっしゃるのだろうか。

民間から菊のカーテンの向こうに嫁がれ、想像を絶する苦労をされたであろうことはみんなが知っている。
しかし、意外なほどに普通の家っぽい御所のお庭で、天皇陛下と土筆をお摘みになるあの方は、どこまでも自然体で何もことさらに主張されることは無い。

その何も語らないお姿が、人々の胸を打つのだと思う。






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