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有楽町、刹那的な恋 [フレグランス・ストーリー]

想う人は異国にいるのだと。
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桜田門からの逆光の中で、彼は吐露して。

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身内の祝い事で、THE PENINSULA TOKYOに集って。

おいおい、話しはそっちじゃないだろうと。
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長寿と繁栄は、桃から出た桃で祝うのだよ?

しかし、彼は明後日、その恋人に会うため成田を発つと、だたそれだけのために発つのだ、と言って。

先月、ワークショップのために訪れた地で刹那的に恋に落ちたという彼の言葉を聞くうち、ああ、昔、私にもそんな日があったなあと、心の奥がつんとするから。

高校生達の修養会(カトリックの勉強会)で、一瞬にして惹かれ合った相手は明後日、ロサンゼルスの大学に発つ人で。
その3日間の狂おしさを思う時、その精一杯さに自分の人生をほめてやりたいような気がして。

今のように、一瞬にして海を渡る電子メールなんてものもなく、ましてやこの彼のように気軽に一人で海外へふっと発てるような時代でもなく、お小遣いをはたいて速達にしても片道1週間かかるエアメールだけが、刹那の尻尾をつなぐ手段だったから。

大きな段ボールが赤と青の縁取りのエアメールでいっぱいになる頃、ぐいぐい割り込んで来たのが今の夫で、結局遠くの夢より近くの現実を取った私は、今こうしてその結果たる彼に、昔日の想いをえぐられているわけなのだけれども。

「’You Got a Mail’の世界さ」

そういう世界に生きていることに感謝しなよ、と私は彼に言いたいのだけれども。

そして、あの日、遠い憧憬の方を私が選んでいたら、彼も、この逆光の中のデジャヴも、今ここに存在しないはずなのだけれども。

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