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NHKホール、アイーダ [マイハーベスト]

いつも絶対遅刻してくる次男なので、少し時間をはしょって知らせたら、今日に限って時間ぴったりに「着いたよ」メール。
私はまだタクシーの中だ。

ミラノ・スカラ座公演、オペラ『アイーダ』。

平日だというのに、NHKホール前の道路は、運良くチケットを手に入れてこの日を待ちわびた人々を送り届ける車で大渋滞。
私のタクシーも動く気配がなく、開演時間が迫る中、思わずかなり手前で降りて自分の足で走り出す。

一昨年まで、この9月から年末までは、世界の有名な劇場のオペラが次々に来日を果たし、選び出すのに一苦労するほどだった。

しかし昨秋辺りからその数はめっきり減り、今秋に至ってはめぼしいものは、このスカラ座たったひとつという寂しさだ。
大層お金のかかるオペラ一座を呼べる日本の企業が、無くなったということだろう。

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ホール前に憮然と座り込んでいる次男をせかして入場し、席に着いてオーケストラ・ピットから盛んに聴こえるラの音に身を委ねる。
この開演前のちょっとした時間がたまらなく好きだ。

台湾のコンサートホールのコンペに取り組み中という次男は、国内最大級のこのホールの探検に。

ジュゼッペ・ベルディの創作活動の集大成と言われる『アイーダ』。
指揮はダニエル・バレンボイム。
演出はフランコ・ゼッフィレッリ。
そして凱旋パレードの幕で登場するバレエの振り付けがウラジミール・ワシーリエフとくれば、もう面白くないわけがない。

最初の幕が開いた瞬間から、巨大なイシス像を中心にして空間めいっぱいを使った豪奢きわまりないエジプト王朝の舞台に圧倒されっぱなし。
そこへ推定200人以上の人間が一時に「凱旋行進曲」を歌い上げるとくれば、もう100年の不況もどこかへ吹っ飛ぶ。
(場内撮影禁止で、ここにそれをアップできないのが本当に残念!)
今日サッカーの試合でおなじみの凱旋行進曲は、エジプト太守が国歌にしたいと申し出たほど勇壮な合唱だ。

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「いや〜、いいねぇ、いいねぇ!!」
幕間は例によって、耳に残る凱旋の曲を口ずさみながらシャンパン三昧。

ストーリーは、敵対するエジプトとエチオピアに運命を翻弄される3人の若者の心の悲劇で、国家権力の象徴である祝祭の場面がこれでもかこれでもかと豪華で華やかであればあるほど、その下敷きになってうめく3人の声が浮き出つ。

ワーグナーのようにラストに向かってひた走るというより、後半かなりしっとりめなのでちょっと梯子外され感がなくはないが、いやー、ひさびさに盛り上がりました。

1年に1回くらいはこんな贅沢もいいよね。


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