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九段坂病院、胃の中のワタシ [クリニック・シンドローム]

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殺風景って言葉は、こういう場所のためにあるんだろうなあ。

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千鳥が淵サロンのすぐ裏手にある九段坂病院は、国家公務員共済組合の病院で、建物も設備もめちゃくちゃ古い。
どよ〜んとした雰囲気が何とも重い。

あー、病院選び間違ったなあ。

胃・肺・大腸の区民健診である。

息子達が成人して私の手を必要としなくなってから、癌をそれほど恐れなくなっているように思う。
自分がいないことを不都合に思う人は、小さい我が子を置いて他にいないはずだから。

でも、ここらでちょっとメンテしとくか。

千鳥が淵の部屋からサンダル履きでも行けそうな九段病院を選んでGo!
しかし、そこへ行ってから、その淀んだ雰囲気に、安易な興味本位で来るべきじゃなかったと後悔する。

後悔マックスに達したのは、胃の内視鏡検査を待つ時だ。
胃カメラを飲んだのは過去1回。
みんなツライというけど、そんなに辛くなかったのを覚えている。

みんな冒頭の長い廊下で、検査着を来てうつむいてだまって順番を待っている。
誰か一言ぐらい話せよ、って感じ。

昨夜の夜から食事を抜いているので、貧血を起こしそうだ。
持ってきた本も読む気にならない。
ひたすら持ってきたラヴェンダーの香りを嗅いで、気持ちを落ち着ける。

「◯島さぁ〜ん!」(おお、ここはまだ名前で呼んでるんだ)
と呼びにきたのは、きびきびしたきれいな看護婦さん。
「喉に麻酔のお薬流しますねー。動悸や冷や汗が出てきたらすぐ吐き出してくださいねー」
と明るい調子で優しく話してくれる。

ああ、この人に救われるなーと思う。
これを機械的に冷たく言われたら、辛い検査が余計辛くなっちゃう。

「今日はよろしくお願いしまーす」
と先生も明るくやってくる。
(いえ、よろしくお願いしたいのはこちらです)
患者の緊張を出来るだけ拭うよう、ドクターもナースも気を配っているのが判る。

割とすんなり内視鏡は私の胃の中に入って行き、モニターにはまるで洞窟探検のような映像が映し出される。
ちっちゃなポリープの前段階のようなものがひとつある以外は胃に異常なし。
「腸の入り口まで行きますねー」
とさらに奥までカメラが進むと、こんどは洗濯機のホースみたいな襞のある壁面の画像に変わる。
『腸には無数の襞があり・・・』というLSAの生理学のテキストの文章を思い出す。
いかにも”蠕動運動”って感じだ。

何だかあっという間に終わってしまったように感じる。
背中をずっとさすってくれていた看護婦さんがおり、ああ、ここは建物は古いけれどスタッフは本当に患者さんのことを考えるように訓練されているんだなあと感心する。
どの外来へ行っても年配のナースと馴染みの患者さんの掛け合い漫才みたいな話しを面白く聞いたし。

・・・というわけで健診終了。
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「記念に差し上げます」
と内視鏡の写真をもらう。
何だか裸を見られるようで恥ずかしいんだけれど。

結果は2週間後。
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千鳥が淵の緑がまぶしい。


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