自宅、彼の林住期

出入りの花屋さんから「少し早めのお歳暮に」と、白いシクラメンの大株を頂く。

その造形的なフォルムは圧倒的だ。


夜、仕事から帰宅すると、ランプに映し出される妖艶な姿態が「香る」。
花そのものの香りは全くしないにも関わらず。

普段、香りに囲まれた仕事をしていると、全く無香の空間もまた愛おしい。

「っシクラメン〜ほ〜ど〜♪・・・・あれ？何色だっけ？」
人がせっかくエクストラな世界に入り込んでいるのに、後ろから能天気な歌声。
真綿色だよっ！


歌声の主が、ゴルフで取って来た小鉢も健気にがんばり中。

この歌声の方から、先日の勤労感謝の日に何十年かぶりに「ママへ」と題したメールを受け取る。

内容は、
「クリニックをここまでやってこられたのもお前のおかげ」
「お前の向上心には頭が下がる」
の２点で、
「最近ようやく始めたメールの一番の利点は、口で言えないことが伝えられること」
と結んでいる。

それを読んで一番に思ったのは
「やだー、パパ死んじゃうの？」

流行の中高年の鬱？
男性の更年期障害？
職場健診で何か見つかったの？

そう言えば、この前寿司屋で、お墓を買うみたいなこと言ってたな。

言われ慣れていないことを言われた古女房のうろたえは、ハンパじゃない。
私は林住期のつもりでいたけど、彼は「臨終期」だったの？

聞くのもコワいが、聞かずばなるまい、この状況。
・・・で聞いてみると、
「は？別に。」

どうやら始めたばかりのメールの、試験送信の一環だったみたいだ。


お願いだから、急に寄り添わないでくれ。

コメント 2

やだー。
もう爆笑です。

○○じま家、最高ですね。
お手伝いさんで通っていいですか？
by 朋子 (2009-12-03 12:08) 

朋子さん、こんにちは。

いや、結構真剣にうろたえました。
普段されないことは、してもらわない方がいいです。
by mana (2009-12-04 10:08)