SSブログ

麻布十番、手放す日 [フレグランス・ストーリー]

IMG_2396.JPG

その時、何かがぷっつりと切れた音を、聞いたような気がする。
(写真の場合で言うと、パンツのゴムだが・・・・)

自分に負荷をかけることは嫌いではない。

前にも書いたが「もうだめだ」と思った所からの5分が、能力を伸ばすのだと信じている。

「あきらめる」という一番嫌いな文字が、その時は自分を救うような気がした。
時にはつらくてどうしようもなくなる前に、何かを手放すことも、あるいは必要かもしれないと、初めて考える。

ファイティングポーズをとるには、あまりにもすり減っている自分であった。
老親の(今度はよりやっかいな父の)施設入居に関する逡巡が、ここ1カ月ずっと続いている。

先生に「ハワイのパフォーマンスには出ない」と電話する声が震える。
何かができない理由に私事や自己都合を持ち出すのは、自分が最も軽蔑してきたことだったはず。

ゴールの見えない完成形を目指してがむしゃらに練習する気力が、もう1ミリも残っていないと感じる。

数か月目標として練習してきたものを手放すのは、数分の電話。

なんと簡単な、しかし、なんと空虚なものであろう。

同じ日、別の場所で、3人の失いたくない人たちを失うことも発覚する。

5分の休憩の間にメールアドレスを走り書きし、肩を抱いて「必ずメール頂戴ね」とMaueeが言う。
牛角が大好きなJamesは、「ニュージーランドでヤキニクレストラン開くぜ!名前は”キュウカク”」といつものお笑い。

そして・・・
「私は十分働いた。リタイアして九州に帰るよ」
何もしゃべれない頃から丁寧に教えてくれたDankanも行ってしまう。

なんで!

今日はなんなの!!


帰りの電車では涙が止まらない。







nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。