自宅、ベッドルームで群論を [マイハーベスト]
水庭のヒメシャラが黄色くなってきて、葉っぱの数だけ秋が深まる感じ。
予想通りの虚脱感。
吸い続けたレモンに変えて、昨晩はラヴェンダー・ハイアルト(Lavender, High Altitude:Lavandula augstifolia)・・・リンネの学名二命名法、試験これだけは出たな・・・をたっぷり溶かしたお風呂に1時間近く浸かり、ピキーンと張りつめた交感神経を緩めることにした。
昨日ゆかいな仲間たちと「試験勉強をしようとすると掃除がしたくなる」ことについて話したが、私はずっと試験に関係のない本が読みたくてたまらなかった。
それでお風呂に浸かりながらひたすらその本を読んだ。
何も試験が終わったその疲れた日にそんなことしなくても、と思ったが、とにかくやりたかったことをやるべき、と何かが指令を出すのだった。
『ベッドルームで群論を』ブライアン・ヘイズ(みすず書房)。
夏に次男から、母の日と誕生日とクリスマスを束にしたプレゼントとして1冊の本をもらった。
レヴィ=ストロース(ストロースと省略すんなと彼に怒られた)はとんでもなく難しくて、3ページでなんのこっちゃと挫折し、代わりにこれを読むと次男に言ったら、「L=S(レヴィ=ストロースのことらしい)への導入として群論を選んだのは正解」と許可がもらえたのだ。
(こんなエラそうなことを言っている次男とは、現役で入学しながら、日本一学費が安い大学であるのをいいことに、今年は留学、来年は休学と、27歳にもなろうというのにまだ大学院に籍を置いているペケポンである)
本書は数学エッセイである。
群論とは、
「フランスの数学者エヴァリスト・ガロアが着想した現代数学をリードする理論。群とは、1.演算としての積が定義でき、3つの元に結合の法則が成り立つ。2.単位元が存在する。3.云々かんぬん・・(全く意味不明)・・・」で、要は対象変換が満たすべき性質に関係がありそうなんである。(全く意味不明)
数学大嫌いな私がこの本を手にすることになったのは、まずベッドのマットレスをまんべんなくひっくり返すにはどうしたらいいかという最初のトピックが、あまりにもアホ臭くてどうでもいいように思えたからだ。
アホ臭くてどうでもいいことを、こんなに大まじめに考えると数学になるんだということがすごくすごく新鮮だった。
それからベッドのマットレスを、こんなに真剣に何度もひっくり返すのか(私は1年に2、3回だ)ということもかなり新鮮だった。(アメリカでは常識なんだろうか?)
仕事とか試験とかは、必ずやらなくてはならない必然が、その作業より重く苦しかったりする。
そんな時、自分が潰されないように、やりたくなければやらなくてもいいことやどうでもいいことに、脳が自然に触手を伸ばすんだと思う。
試験という必然が無くなれば、とたんにどうでもいいことへの渇望も失せてしまうかも知れない。
だから試験が終わったその日のうちに、私はこの本が読みたかったのだ。
私はベッドに入ってからもこの本を読み続けた。
だって『ベッドルームで群論を』ですから!
私のベッドには群論と一緒に3つの体温がもぐり込んでおり、なんの役にもたたないどうでもいいことこそ、本当に希望の指針になるのかも知れないと気付かせてくれるのだった。
2010-10-25 21:38
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コメント(2)
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こんばんは~♪
設立年数を1960年代と書いたゆずぽんママです。
ちょっと考えれば、それはない! って分るよね~?
ああ~だったら、年数バックれておけばよかった~と後悔(笑)
数学って…、生活の中では
足し算、引き算、掛け算が出来れば生きていける。
ほかにはなにに役立っているのでしょうか?
って、思うけど、ノーベル賞なんかもらった方々の功績を見ると
こ~んなところに、数学や物理学が活躍してるのか~?
などと感心するよね?
本日も肌寒く……やっと、ワンズの価値観アップの季節。
我が家も2ワンの温もりがありがたい。
できれば足元希望!
by ゆずぽんママ (2010-10-26 00:38)
ゆずぽんママさん
「スピリチュアルな問いには答えられないので、次までに調べてくる」と開き直ったmanaです、おはようございます。
校長にはあきれられるだろうーなー
数学って生活の役に立つの?
私もそう思ってました。
でもこの本を読むと、実は日常のあらゆる事象が数学で成り立っているのかも、と思えるようになるんです。
発想がマットレスのようにひっくり返りますよ。
ワンズの体温が有り難い季節になりましたね。
by mana (2010-10-26 07:22)