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浦和、二木屋 [フレグランス・ストーリー]

弁慶橋を渡れば、まだ十分に新しい、ランドマークのその建物が目の前だ。

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先週、フラ・ハラウの発表会リハーサルを見に、取り壊し間近のグランドプリンスホテル赤坂に行く。

1982年、丹下健三作。
バブル最盛期の象徴のように威容を誇る、まさに”白い巨塔”。

クリスマスにはビル全体がクリスマスツリーのライティングとなり、『イブに赤プリで彼とお泊まり』は勝ち組女子の勝利宣言のようなものだった。

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スクラップ&ビルド時代の終焉。
この巨大な建築物が、たった29年しか存在を許されなかった日本の建築市場とはいったい。
(55年は、裏の旧館を含めて、ということらしい)

「美しく懐かしい日本の家、どんどんコワしてしまいます」

3時間にも及ぶフラのマンツーマンレッスンの後、浦和(おおみや市)で学会に出席していた夫と待ち合わせて、国有指定文化財の家屋を使った料亭『二木屋』でご飯を。
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http://www.nikiya.co.jp/nikiya.html

時まさに早春。
庭園にはしだれ梅の花が咲き誇り、邸内はコレクションの古代雛があちこちにディスプレイしてあって、なんとも雅である。
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1955年に厚生大臣小林英三が武家屋敷を譲り受けたというのだから、建築は江戸時代なのか。

築100年はザラ、というヨーロッパの建築物を引き合いに出すのもいかにも手垢にまみれてはいるが、赤プリの30年弱の存在とそれに投じられた(あるいはスクラップのためにこれから投じられる)費用は、あまりにも釣り合わないし、それを許してきた日本人の心からは、この家屋から匂い立つ丁寧さの薫りのようなものが失われたような気がする。
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