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大手町、復興ノート10 [フレグランス・ストーリー]

東京で桜が開花し、ワシントン・ポトマック河畔でも、薄紅色の花びらに日本の被災地想う「全米桜祭り」が開幕。

平日で初めて一日中計画停電が実施されなかった今日、震災後初めて大手町のベルリッツへ行く。

あの地震をここで体験したことは前述した。
当初「エマージェンシーな単語を沢山使いました(笑)」なんて呑気なことを知人に言っているうちに、原発情勢がどんどん深刻化した。

その後しばらくベルリッツは休校となり、多くの外国人インストラクターが日本を離れたことを想像させた。
それをもちろん誰も咎めることはできないし、私だって外国で同じような目にあったらさっさと帰国するだろう。

学校再開の報を受け、思い切って出掛けることにする。
顔なじみのインストラクターがみんな帰国してしまっていたら、結構ツラいなあと思いながら。

こんなことがなかったら一生覚えるはずの無かった、ゆえに今までに考えたことも無かった単語をいくつか電車の中で辞書を引き、iPhoneの自分の単語帳に収める。

a blackout(停電)
riot(暴動)
stand in a line(整列する)
patient(我慢強い)
nuclear power plant disaster(原発事故)
radioactivity(放射能)
after shock(余震)
take refuge(避難する)
group behavior(集団行動)
tap water(水道水)

ミネラルウォーターも水道水もwaterはwaterで、その差異が問題になることなんて無かったから、水道水なんて英単語を考えたことも無かった。
今回その差異を巡って東京で大パニックが起こったのはご存知の通りだ。

ベルリッツの廊下は真っ暗で、使用中のブースだけが弱い明かりが灯る。
前に書いたように、停電の無い都内でも徹底した節電が行われ、それでもまだどこかに節電できる場所があるのではないかと誰もが知恵をひねり出すような、すごくいい傾向が生まれつつあるようにも思う。

インストラクターはAmy。
ワシントン育ちの中国系アメリカ人。

当然アイスブレーカー(緊張をほぐすための他愛無い雑談)は地震について。

英語力不足ゆえ婉曲な言い回しが出来ず、直球すぎるとは思いながらも、
「多くの外国人が日本を離れたけど、なぜここに留まっているのか」
と尋ねてみて、その答えに泣いてしまう。

Amy曰く。
「東京は安全だと信じてるし、私はこの時期に日本にいられてとてもラッキーだったと思ってる。なぜなら日本人の素晴らしいところを沢山知ることが出来るから」

Amy、もしあなたが明日ワシントンの家族に呼ばれて(実際わんわん電話がかかって来るそうだ)帰国しちゃったとしても、私は許すよ。

そして彼女は付け加える。
「この大手町校から去ったインストラクターは1人もいないわ」

Great! Great! Great!

帰り際、スタバで買ったミネラルウォーターを持っていると、Davidにからかわれる。
「君、ミルクが必要なの?」

ああ、そうでした。
赤ちゃんに譲れってことですよね。
外国人の方がよっぽどモノが判ってらっしゃる。


3月29日(火)復興ノート。
・平日で初めて全グループ停電無し
・トヨタ、ハイブリット車の生産再開
・都心桜開花
・水戸ホーリーホック、鹿島アントラーズ練習再開
・ワタシ、フラの練習再開

P1020281.JPG

だいぶ物流が復活してきて、ほとんどの食品が手に入るようになったが、ずっとヨーグルトは見かけなかった。
朝食はヨーグルトとフルーツと紅茶、と決まっている自分にはちょいツラかったが、被災地を思えばそんな贅沢は言っていられない。

帰りに駅のコンビニに寄って、見慣れないメーカーではあるけれどヨーグルトを見つけてうれしかった。

3月29日復興ノート追加。
・ワタシ、ヨーグルトと再会




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