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丸の内、震災時帰宅支援マップ [フレグランス・ストーリー]

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「オカン、こんなに余震が続くのに、出かけるん?ワシ、ちょっと心細いわ」

ごめんね、べっちゃん。
サツさんももうすぐ来るし、できるだけいつもどおりの生活をしようって決めたんだ。
別に行かなくても誰も困らないんだけど、ベルリッツは休まないで行って来るよ。

バッグには教材の他に、小型ラジオとiPhoneの充電器、ミネラルウォーターと小さなチョコと、パシュミナのストール(小さくたためて暖かい)。
3.11以来、都内へ出かける時にはあの時無くて困ったものを持つことにしている。
華奢なハイヒールはやめて、足元はがっちりしたブーツ。

Davidとのクラスの最中にもかなりの横揺れがある。
Davidはデジカメ持参で「揺れたらドキュメンタリー撮るぜ」とバカ言ったけど、一般には不謹慎と取られかねないジョークでもこんな時は救いだ。

帰りに丸善で『歩いて帰る/震災時帰宅支援マップ』(昭文社/800円)を家族分買う。
去年面白半分に1冊買ったのだが、結局1ページも開かないうちに今回の震災を被ってしまった。
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あの日、帰宅困難者の仲間入りをしそうになり(千鳥が淵で助かった)、普段夜更けともなると誰もいないはずの靖国通りをひたすら歩く大勢の人の列を見た。
「すみません、渋谷はどっちでしょうか?」と年配の女性に聞かれ、「あのマップ!」とピンと来たのだ。

もう何年も前にマグニチュード7クラスの首都直下型地震で400万人前後の帰宅困難者が出ると想定して、こういうものが出版されていたのに、これまで我々はなんと無防備で無関心だったのだろうと思う。

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そしてこのシチュエーションでしみじみ読むと、これ、実によくできていると思う。

山手線の主要駅から放射状に12方向30〜40キロ圏内へ。
歩けば5〜6時間といったところか。

途中の坂の上り下りから、渋滞シュミレーション、壊れたら歩くのに障害になりそうなブロック塀やガラスまで表記されている。

我がふじみ野までは、池袋六ツ又陸橋からひたすら川越街道を下って24キロだそうだ。

これを使わなければならない時のことを考えると実に切ないが、それがまるきり仮定の世界ではない現実に緊張する。

・・・・とここまで書いて涼しい顔で数時間アップしておいたのだが、その後いろいろ調べていて、自分がとんでもないお気楽もんだということが判った。

人間一度に10キロ以上歩けるかというと到底無理みたいだ。
30キロを5〜6時間なんて見積もって、モノを知らないにもほどがあるってもんだ。
http://www.nagonavi.com/

帰宅支援マップにも「1時間で歩ける距離は3キロ、1日で20キロが限界」とちゃんと書いてある。
(24キロのふじみ野は1日歩いても着かないってことですね)

都内で被災したら、自宅が10キロ圏以上の人は、場所があるなら動かないのが一番。
このマップの使用は、何日かかっても徒歩で歩いて帰らなければならない、相当サバイバルな場合と、都内の土地勘を養うために。

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