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自宅、お手伝いさんの献立 [フレグランス・ストーリー]

フェラガモのヴァラっぽいリボンの付いたハイヒール。
同じく大きなリボンが胸に付いた襟の高いガウン風コート。

彼女の出で立ちがまず、サツさんで100%形作られていたお手伝いさんへの私の概念を、180度ひっくり返した。

実は年末にかけての私のストレスの一つがこれであった。

5年近く我が家で働いてくれたサツさんが急に家の事情で辞めることになり、代わりの人材探しにはたった二つだけ最低条件を付与した。

料理上手、犬好き。

いとも簡単に「ピッタリの人が見つかりました」と連絡が入り、やって来たのがYさん66歳(!)である。

青森生まれ、洒落っ気無し、口数少なく、頑固一徹で、できるだけ自分の存在を我々夫婦に感じさせないように振る舞ったサツさんとは違って、おヨメさんの言葉を借りれば「自分がお手伝いさんを使っていそう」な風情のYさんは、開口一番「お料理には自信があります」とはっきり言い放った。

動物が大好きで今はネコだが、昔は犬も飼っていたことがあると言うし、相当なお家で働いて来た履歴書もある。
リボンやハイヒールで人を判断すまい。

そして・・・・・・皆さん。

主菜1品、副菜2品、汁物1品ぐらいという構成が、ベーシックな夕食だと思う私の認識が間違っている、あるいは贅沢なのでしょうか?
IMG_6541.JPG

Yさんは、これまで働いて来た(その中には銀座の開業医なんかもいる。履歴書が正しければ)ご家庭では、そんなこと言われたことが無いという。

某日のメニュー。
海老フライ、ホタテフライ、椎茸フライ、さしみ(イカ、エビ、メバチマグロ)。以上。
(主菜+主菜パターン)

また某日のメニュー。
焼き魚、ビーフン大盛り。以上。
(主菜+主菜以上のボリューミィ副菜パターン)

また某日。
筑前煮、紅白なます、かにサラダ、アボカドと生ハムサラダ。以上。
(サラダ攻め、主菜行方不明パターン)

ミナサン(トイプー3匹)のことは可愛がってくれているみたいだし、料理の仕事で生きて来たはずの彼女がそれでいいと言い張るなら、私の認識が間違っていたのかもとうっかり思い込みそうになるが、いや、中学校の家庭科でも基本の献立の品数はこんなもんであったと思い直し、まずはYさん、ウチのクリニックだってこうよ、と写真も見せる。
IMG_6597.JPG

そして百歩譲ってYさんの取り合わせが正しいとしても、私たち夫婦はサツさんが5年間忠実に作って来たその品数で慣れちゃっているんだから、そうしてよと頼み込むと、私では役不足ですかと涙にくれる。

たのむから、Yさん。

私は1ヶ月分が書き込める空欄の献立表をエクセルで作成し、まずは主菜と副菜と汁物に分けてプランを記入するように勧めた。
そうすれば何が足りないか、何が重複しているか分かるはずだし、材料だってどう使い回すかプランニングできるはずだ。

彼女は今までこんなことはしたことが無いし、レシピは頭に入っているから(つまり書いたものは無いということ)出来るかどうか分からないと渋ったが、勉強だと思ってしてみてよと押し付ける。
怒り心頭のグルメ夫を含め、私たちが我慢するのはおかしいよ。

お手伝いさんて、本当に難しい。

留守を預かってくれて、犬達を可愛がってくれるだけで私はOKとしようかという気もあるのだけれど、仕事一筋で滅多に都内へ食事にも出掛けられない夫が楽しみにしている食事をおろそかには出来ないのも、また決して贅沢なことではないと思うのだが。


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