自宅、もしもピアノが弾けたなら [フレグランス・ストーリー]
いやー、楽しすぎる。
もしも〜、ピアノが弾けたならって歌ってばかりいないで、ホントに弾けよ!と心で毒づくこと約5年。
夫の決心がようやく固まったんである。(ったく世話焼かせて・・・)
重いのは体重だけでなく、腰もだったんである。
定年退職後すぐに俳句の同好会に入り、それまでも描いていたスケッチを合わせて、施設に入るまで吟行や句会を楽しんでいた母に比べ、趣味を持たない父の老後はあまりにも無気力で哀れだ。
二人の老後を見比べるようになってから、「仕事が趣味」と公言して憚らない夫に毎日のように私は提言してきたのだ。
仕事は趣味と言いません、て。
どんなに好きでも(まあそれだけ仕事が好きなら、男として半分ぐらい点数あげてもいいけど)義務と責任と対価が生じるのが仕事だ。
年をとって頭と身体が弱れば義務と責任は全う出来なくなるものだから、そこで仕事はお終いになるのがなぜ分からん。
その時、「仕事が趣味」なんてほざいて、自分の「好き」を掌からこぼし落としてきた男の手には何も残らんのだぜ。
そんな夫が唯一「やってみたい」と言い続けてきたのがピアノだった。
所詮「カサブランカ」のAs Time Goes Byに憧れたぐらいなんだろうが、だったらやればいいじゃん。
私だったらその場で検索かけて教室でも先生でも探して、明日から行き始める。
仕事が忙しくて出掛ける暇がないなら3軒先に「ピアノ教室」の看板がかかってるじゃん。
いい先生かどうかなんてまずは考えずに、とりあえず私だったらそこのドアチャイム押してるなって思うが、そこが違うんである。
いろんなピアノ教室のチラシや先生の紹介をちらつかせても、そして息子達も使った私のアップライトが目の前にあるのに、「やっぱりいいや・・・」の彼の一言でいつも話は絶ち消えに。
そんな夫が、ピアノやドラムを家で楽しんでいる友人宅に招かれてから、「やっぱりピアノやろう」と思ったらしいのだ。
私はすかさず銀座の山野楽器に行って、電子ピアノのかなりいいバージョンの購入を決めた。
女房のお古なんかじゃテンション上がらんのだろうし、大人の習い事はまず恰好から、でいいと思うのだ。
値段もみせて心理的に退路を断つ。
FBにもアップしてサポーターも付ける。
ご飯が終わったらすかさず座って弾き始められるように、リビングのど真ん中に置く。
そのために、インテリアのアクセントにもなるハンサム顔のピアノである。
まだレッスンが始まらず譜面が読めない夫にかわって、とりあえず私が試し弾き。
いやー、息子達のヤマハ以来触っていなかった鍵盤楽器、こんなに進んでるとは。
もう20年以上弾いていないし、音感も年と共に衰えるのか、最初はどうしても音が一音さがって聞こえ閉口するも、まあ、インプットされた演奏に合わせて弾けば(しかもデジタル画面で譜面をちゃんと追ってくれる)それこそ弾いているのは右手だけでも「As Time Goes By」だろうが「ミスティ」だろうがめちゃくちゃ素晴らしいムードに仕上がる。
夫が「ん?」と書類から目を上げて「おまえ、うまいな」と思わず一言。
「ま、ね。」と種明かしはせずにおく。
いやー、大人のおもちゃ万歳である。
これから真摯にピアノを習おうというよい子たちや、真剣に楽器に取り組んでいる皆様にはとんでもないオッサンとオバサンかも知れないが、日に日に無彩色に陥りつつある老後生活を彩るための必要ズルであろう。
これなら夫もきっと何とか右手だけでも弾けるようになれば、素敵な曲が沢山弾けるような楽しい錯覚に陥ることができよう。
乞う、ご期待。
私はこっそりドラムの練習を始動。
2013-04-02 22:03
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夫婦で楽器に挑戦!頑張って〜!
私は49歳からフルートはじめました。
昨年、仕事が忙しくてお休みしましたが…今年度、仕事が軌道に乗れば再開します!
チャレンジ!いいですね!
by あっちゃん (2013-04-04 17:39)
あっちゃん。
それがさー、一触即発の私と違って、ここまでお膳立てしてあげてもまだ引けてるダンナの重い腰。
フルート、いいですねー
今さらですが、音楽がそばにある人生は良さそうだ、と思います。
by mana (2013-04-04 22:54)