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自宅、照明選び [フレグランス・ストーリー]

ウィーンに照明を買いに行きたい。

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自宅を建てた時に、コンクリート打ちっ放しの硬質感を和らげるなーと思って、当時ちょっとした流行だったインゴ・マウラーの和紙を使った照明を多用したのだが、悲しいかな、和紙という素材は年月に負けるのだった。

セッティング後15年経って、本当に大好きだったZettel'zの紙片の劣化が酷くなり、とうとうダイニングの照明を変えることにした。

・・・で唐突にそう思ったのだった。

ウィーンのロブマイヤーに照明を買いに行きたい。
奥さん、何寝言言ってんですかって話しである。

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ちょうど千鳥ヶ淵の部屋に手を入れ始めた頃、オーストリア政府観光局のプレスツァーにライターの振りをして紛れ込み、ウィーンとザルツブルグを訪れた。

2月。
氷点下のケルントナー通りに面したクリスタルガラスの老舗ロブマイヤーは、硬質な輝きを放つ無数のシャンデリアで埋め尽くされており、それはそれは美しかったものである。
http://www.lobmeyr.at
日本でこういうショップはなかなかお目にかかれないと思う。

そこで、千鳥ヶ淵のダイニング用に、分離派の建築家ヨーゼフ・ホフマンデザインの、ちょっとモダンなシャンデリアを購入して日本へ送ってもらうことにした。
10年ほど前のことになる。

頑丈な木箱に入って届いたそのシャンデリアを無事取り付けた後、銀座の◯光で同じ物が3〜4倍の価格で売られているのを発見し、心の中で万歳三唱したことは、ずーっと前に書いたかも知れない。

何だかその成功体験(?)が尾を引いたのか、シャンデリアを買うという滅多に無いシチュエーションになってみたら、いきなりウィーンが出て来たのである。
しかし、まさかダイニングの照明を買いに、オーストリアへ飛ぶわけにもいくまいってことで、国内で散々探して、ようやくBarovier & TosoのLuxor(ルクソール)という照明にたどり着いたのが今年の新年のことである。
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これはトーヨーキッチンが代理販売していて、ショールームで見て気に入ったから、はい、明日取り付けてね、という訳にはいかず、オーダーを受けてイタリアに発注して初めてガラスから作られ始めるのだという。

その前にもちょっとこのショップとはゴタゴタがあってキレかけており、何だか一度はやめようと思うくらいテンションが下がったのだが、石の上には3年、シャンデリアの下には半年である。

ようやく、ようやく、その照明が届いた。
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天井高の関係で、ルクソールを千鳥ヶ淵に設置し、ロブマイヤーを自宅に運ぶことにした。
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Zettle'sは素材が和紙だったので10年ちょっとのお付き合いになってしまったが、そうでもない限り、照明は20年、30年単位で家の中心にあるものだろう。
そこに、ウィーンの凍てつく石畳や、まだかまだかと待ちわびた思い出が、一緒に輝くのは悪くない。

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ちなみに、寝室のシャンデリアは、同じく10年前にウラハラの古物屋で2万円で買ったもの。
立派に現役だ。
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