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ふじみ野、仲秋の名月 [フレグランス・ストーリー]

このまま永遠に秋は来ないのじゃないかと思えた激しい夏も、9月半ばを過ぎればやっぱり鳴りを潜めるものである。

義母がどうしても息子達の誕生日を祝うのだと号令をかけて集合した、台風一過の夜。
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松茸、栗、銀杏といった日本の秋が、細密な懐石料理となってテーブルに供される。
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これですよ、これ。
しみじみ日本に住んでいてよかったと思う。

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食事の後に着席したホテルのルーフトップバーには、今年初めての涼風と煌煌とした月光が満ちる。

桜の季節にも思うことだけど、こんなに国を挙げて季節を敏感に愛でる国ってそうそう他に無い。
それは号令とか規則によるものじゃなく、生まれながらに、日本人誰もが育つ過程で、我が身に浸透させてきた皮膚一枚の感覚なんだろうと思う。

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例えば(写真がうまく撮れなかったが)、みんなが駅からの帰り道で満月を見上げる。
ロータリーの菓子舗ではお団子が売られている。
ついこの間まで、汗が滴り落ちたTシャツにカーディガンをはおりたくなる。

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83歳のフラの先生が、「今日は仲秋の名月だから、これを楽しんでね」と育てた夜来香(イエライシャン)の切り花を持たせてくれた。

問題は山積だが、やっぱりこの国が好きだなあと思う。

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クリニックも創立16年目に入り、10年以上勤務してきた50歳前後のベテラン職員の退職がこのところ相次いだ。

本日の送別会での主役R恵さんの名言を借りれば、退職理由は「子どもには目は離せないが手が離れたので、ここで別な人生を考えたい」
皆、同じような離職の辞であった。

母親なら誰にでも、without childrenな自分の人生を思わず考えてしまう時が来る。
プライオリティが子どもから自分に移る瞬間だ。

人生は2回無いが、2種類あるのかも知れない。




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