毛呂山町、ペット霊園 [フレグランス・ストーリー]
クロがいなくなって3日。
今までの習慣で夜中に「あ、クロのオムツ買えなきゃ」と2時間おきに目が覚める。
朝は起きると寝ぼけ眼でインスリンの注射器が置いてある棚へ手を伸ばす。
彼のご飯をふやかすお湯を沸かすために、電気ケトルのスイッチを入れる。
2年半染み付いたクロの世話の癖と、1日10枚は使うので買い置きが納戸に堆く積まれたパンパースSサイズ。
目が見えないのに一生懸命私の後をついて回るクロのオムツのガサゴソいう音が聞こえない日常。
いつも3匹が乗って寝ていたベッドの布団に、2地点にしか重みを感じない空虚さ。
何もかもが悲しい。
クロが亡くなった翌日は、冷たい涙雨がそぼ降る中、ブリーダーさんに紹介してもらったペット霊園に火葬しにいく。
30年この仕事をしています、という霊園のおじさんは本当に穏やかで親切で、焼け残った小さな犬歯やツメを一緒に箸で拾ってくれながら、訥々と「たとえ5年でも10年でも、時間の長い短いは問題じゃないんです。この子が一生懸命生きた時間ですからそれを大切にしてください」と語った。
こぎれいなペット霊園には整然と飼い主さんの気持ちを刻んだ墓石が並び、お墓の下のペットが寂しくないようにと小さな彫像やおもちゃも供えられて、人間の墓地とはまたちょっと違う、どこか悲しいがほのぼのとした雰囲気が漂って慰められる。
クロはお骨になってしまった。
獣医さんが「糖尿の子の世話は大変です。」と最初に言った通り、毎日の注射よりも大量の排泄物や尿の世話には時間も労力も要り、家族の生活も制限され、そのためのお手伝いさんも雇ったくらいだったけど、もっともっと迷惑をかけて欲しかったんだよ、クロ。
クロがこの病気になったのは、ベベとメグに挟まれて手薄になりがちなこの子に強制的に私たちの手をかけさせるための天からの指図だったかも知れないのだから。
今となれば、最後になってしまった日曜の夜、嘔吐が続くので私は初めてクロを自分のベッドから下し、床に敷いたブランケットの上に寝かせてしまった。
「おかあさん、もうボクは逝った方がいいんだね」
クロがあの晩床で震えながらそう思ったのだとしたら、私は何と酷い飼い主だったのだろうか。
FBでは沢山の方に励ましの言葉を頂き、またブログを読んだ職員や出入りの業者さんからも暖かい気持ちを受け取りました。
たかが小さなイヌのことなのに、本当にありがとうございました。
日常の生活をまたきちんとスタートさせて、その中に後悔と懺悔を昇華させるよう努力していきたいと思います。
今までの習慣で夜中に「あ、クロのオムツ買えなきゃ」と2時間おきに目が覚める。
朝は起きると寝ぼけ眼でインスリンの注射器が置いてある棚へ手を伸ばす。
彼のご飯をふやかすお湯を沸かすために、電気ケトルのスイッチを入れる。
2年半染み付いたクロの世話の癖と、1日10枚は使うので買い置きが納戸に堆く積まれたパンパースSサイズ。
目が見えないのに一生懸命私の後をついて回るクロのオムツのガサゴソいう音が聞こえない日常。
いつも3匹が乗って寝ていたベッドの布団に、2地点にしか重みを感じない空虚さ。
何もかもが悲しい。
クロが亡くなった翌日は、冷たい涙雨がそぼ降る中、ブリーダーさんに紹介してもらったペット霊園に火葬しにいく。
30年この仕事をしています、という霊園のおじさんは本当に穏やかで親切で、焼け残った小さな犬歯やツメを一緒に箸で拾ってくれながら、訥々と「たとえ5年でも10年でも、時間の長い短いは問題じゃないんです。この子が一生懸命生きた時間ですからそれを大切にしてください」と語った。
こぎれいなペット霊園には整然と飼い主さんの気持ちを刻んだ墓石が並び、お墓の下のペットが寂しくないようにと小さな彫像やおもちゃも供えられて、人間の墓地とはまたちょっと違う、どこか悲しいがほのぼのとした雰囲気が漂って慰められる。
クロはお骨になってしまった。
獣医さんが「糖尿の子の世話は大変です。」と最初に言った通り、毎日の注射よりも大量の排泄物や尿の世話には時間も労力も要り、家族の生活も制限され、そのためのお手伝いさんも雇ったくらいだったけど、もっともっと迷惑をかけて欲しかったんだよ、クロ。
クロがこの病気になったのは、ベベとメグに挟まれて手薄になりがちなこの子に強制的に私たちの手をかけさせるための天からの指図だったかも知れないのだから。
今となれば、最後になってしまった日曜の夜、嘔吐が続くので私は初めてクロを自分のベッドから下し、床に敷いたブランケットの上に寝かせてしまった。
「おかあさん、もうボクは逝った方がいいんだね」
クロがあの晩床で震えながらそう思ったのだとしたら、私は何と酷い飼い主だったのだろうか。
FBでは沢山の方に励ましの言葉を頂き、またブログを読んだ職員や出入りの業者さんからも暖かい気持ちを受け取りました。
たかが小さなイヌのことなのに、本当にありがとうございました。
日常の生活をまたきちんとスタートさせて、その中に後悔と懺悔を昇華させるよう努力していきたいと思います。
2013-10-31 21:29
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いつも興味深く拝見させていただいています。
私もちょうど一ヶ月前に愛犬を亡くし、
同じ経緯を辿りました。
十年一緒に過ごし、病気が発覚してわずか3日で旅立って行きました。
何もさせてくれず、何も覚悟ができないまま
私たちの生活から居なくなってしまいました。
哀しみをどう乗り越えていいか分からない私に
「乗り越えられるものではなく、そこにあるものだと納得すること
今はいっぱい泣いて、いっぱい後悔してあげてください
その悲しみの深さがわんちゃんとの絆の深さですから」
という言葉で救われた気がしました。
今頃、うちの愛娘とクロちゃん仲良くお空で遊んでいるんでしょうね。
突然のコメント失礼致しました。
by モチョコ (2013-11-01 23:36)
モチョコさん、コメントありがとうございました。
「悲しみの深さがわんちゃんとの絆の深さ」という言葉、胸に沁みます。教えてくださって本当にありがとうございます。
わんこの場合は亡くなった後に一途な飼い主への思いだけが印象に残るので、ある意味人間の家族が亡くなった時より哀れさが増すんだと思いますが、やはり時間が解決してくれるのでしょう。
モチョコさんもどうぞお身体お大切に。
by mana (2013-11-03 08:16)