マウイ、Andaz Maui at Wailea [セルフィッシュ・ジャーニー]
日がな一日、俗世間から遮蔽された場所でたった一人、本を読んでいたい。
そんな夢が叶う。
ホノルル空港からたった30分飛ぶだけで手に入る贅沢。
マウイ島、Andaz Maui at Wailea。
昨年9月に開業したばかりのハイアット系列のホテルだ。
前述したアマンリゾーツが規模の小ささで顧客の優越感をくすぐる手段で成功したのに対し、ハイアットはその対局に位置するいかにもアメリカらしい大味な大箱ホテルだ。
そういう系列ホテルは往々にしてデザインを二の次にした月並みな詰め込みホテルに終始するが、Andaz Maui at Wailea は200室以上と大規模ながらモダンでエッジィなセンスに溢れている。
西の海岸への傾斜の一番高いところにアプローチはあるが、従来のホテルのようなレセプションは無い。
ゲストが思い思いにくつろげるように配されたソファやバーカウンターがあるのみ。
ゲストの情報はチェックイン時からすべてスタッフがそれぞれ持っているタブレット端末で管理され、ラストネームを告げるだけでどのスタッフからも同等のあらゆるサービスが受けられる。
そうそう。
ここでは従来のホテルのように「ミセス・ニシジマ」なんて恭しく呼ばれない。
「ハイ、Mana!」とファーストネームで声かけてくるスタッフはめちゃくちゃフレンドリーだ。
(まあ、ここは賛否両論あろうが)
海風が吹き抜ける高台のロビーの真ん中に、子ども達の恰好の遊び場となるビーチの砂が敷き詰められている。
その吹き抜けのロビーから、3つのインフィニティプールが、まるでライステラスのように段々にビーチに向かって流れ落ちるのが眼下に望める。
部屋はコアウッドの家具で統一され、広いテラスにはハンギングチェアも。
なにもプールサイドまで出向かなくても十分心地良い読書タイムが約束されたようなものだ。
広いシャワーブースとまるで子宮に抱かれるような卵形のバスタブ。
ホテル内デリもインルームキッチン風。
奥のベーカリーで焼いたばかりのマフィンやケーキをそこで買って、お茶を飲みながら食べるスペースもある。
スパがまた秀逸。
レセプションの壁一面に中国の薬問屋みたいな引き出しが配されて、あらゆるハーブやオイルが出番を待っている。
たっぷり半日かけてストレッチの利いたロミロミを受ける。
夕暮れはことさらホテルを美しく演出する。
生演奏のスラックキー・ギターの音が水面をすべる。
ダイニングの特別な席。
一面ブルーに染まる幻想的な夜景。
お役所相手のイライラする仕事を片付けて飛んできた甲斐があった、と嬉しい。
2014-04-28 00:30
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