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スリランカ・ベントータ、バワ兄弟の理想郷 [セルフィッシュ・ジャーニー]

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スリランカ滞在3日めは、Yasithに、スリランカ出身の建築家ジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa)の足跡を辿るエクスカーションを組んでもらう。

日本のバブル期、「裸足のラグジュアリー」という概念を掲げて、従来のホテルの価値観に新しい色を塗り替えたアマンリゾーツ。
その魅力の原点に、この熱帯に生まれ育った彼の感覚が燦然と輝いているのだ。

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時折話題に入り込んでくるおしゃべり好きなドライバーと助手席にはナビゲート役のYasith。

熱帯の雨季特有の、時折スコールが降りしきるあいにくの天気。

それでもアマン創業者エイドリアン・ゼッカが数々の名作ホテルをプロデュースするのに絶大な影響を受けたというトロピカルリゾート建築の祖のデザインを実際に見られる興奮は押さえきれない。

「観光は嫌い。プールサイドで寝ていたい」といつもぶつぶつ言いくさる夫。
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(夫?)

置いてくよー。

ゴールから南西の海岸沿いを、単線のローカル線と共に北上して、可愛らしいベントータ(Bentota)の駅に着く。
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この周辺にバワの軌跡が数多く残されているらしい。

イギリス統治下のセイロン時代に、コロンボの大変裕福な家で産声を上げたジェフリー・バワは、19歳で渡英、ケンブリッジ大学に学び、卒業後は父と同じ法律家の道を選ぶ。
コロンボでロールスロイスを乗り回し、優雅な生活を謳歌していたバワは27歳の時に突然そんな生活を放棄し、英国貴族のグランドツァーさながらの、アジア、アメリカからヨーロッパに至る長い旅に出る。

2年近い旅から帰国して、先にベントータの密林の奥にブリーフガーデンを創造して多くの客人と楽園生活を送っていた兄、ベイビス(Bevis Bawa)に影響を受け、ジェフリーは気に入っていたイタリア湖畔のリゾートをこの地に再現しようと、やはりベントータ郊外のルヌガンガに理想郷を造ろうと試みる。

この共に同性愛者であったという大金持ち兄弟の、金に糸目をつけない理想郷造りの対比が、とても面白い。

兄ベイビスのブリーフガーデン(Brief Garden)。
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どこか中国や日本庭園の趣があって興味深い。

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京都のお寺の石段かと思う。

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地面と水面がぴっちり同レベルの苔むした池。
(なにかと体表面積が大きいツレの身体の一部が写真に入り込むなあ・・・)

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中国的な円形のアーチ。

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(笑)

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母屋の窓から藤棚が見えるアングルは、まるで昭和の日本の別荘。


比べてジェフリーのルヌガンガは、ヨーロッパ貴族の広大な敷地を彷彿とさせる。
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その名もシナモンヒル。

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バワのデザインの一つのポイントにもなる大きなポットが、その距離を慮る基点になる。

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広大なガーデンの数ある絶景ポイントに憩いのスペースが配置され、鉄のベルが吊るされている。
これらのベルは場所によって音色が違い、使用人達はその音でバワがどのポイントにいるかを聞き分けて御用を聞きに走ったという。

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客人用のコテージのリビングは宙に浮かんでいるよう。

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屋内と戸外が自然に一体になるような巧みなデザインは、寒さと縁がないトロピカル建築の真骨頂。

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室内のタイルのデザインがそのまま屋外の地面にも引き継がれる。

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湖が眼下に広がる広大な芝生に設けられたテラス席でランチ。

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なんかこういうツァー大好き。




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