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スリランカ・再びゴール、旅の記憶 [セルフィッシュ・ジャーニー]

もう帰国してから1週間だ。
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ちょっと焦る。

従来旅行にはPCを携えて旅の興奮をリアルタイムでブログに書き留めていたのに、FBという手軽な即時性を持ったツールを手に入れてから、ブログはどちらかというと記憶のアーカイブに。

帰国すれば記憶は日常という大きな欠伸で日々アップデートされ、エキゾティックな興奮はどんどん退色してしまう。

興奮を掻き立てるべくたった一つの頼りである写真群を見返してみるも、驚くべきことに、コーヒー派の夫までが大絶賛したセイロンティーの写真なんか一枚も無い。

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砂糖をたっぷり入れて自分を淹れるような思いで飲む濃いミルクティーは、ぱりっとして中はもっちりのAmangallaのペストリーにとてもよく合う、と思い出は鮮明なのに。

記憶と記録はこんなにもズレがあるものだ。

写真を撮ってそれで安易にメモライズしたと思い込むのは危険だなー。
そう言えば、旅の達人の中に絶対に写真を撮らないという人がいたのを思い出す。

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ベイビスとジェフリー兄弟のそれぞれの理想郷を見た後、ジェフリー・バワが設計したホテルを3件巡り、あの日スコールが降りしきる中、我々のエクスカーションは完了する。

ジェフリーはルヌガンガにあの週末住宅を造る過程で自分の建築知識の不足を感じて再度英国留学へ旅立ち、再び帰国して建築家としてスタート切った時は40歳近かったという。

その後故郷セイロンに数々の熱帯地方の特性を生かしたホテルや住宅を造り、建築界に大きな足跡を残したことは前述した。

素人の私が見ても、彼のデザインが、いくらそれが人里離れたジャングルや鄙びた海辺の町にあろうとも、ひと際洗練された高みにあることは理解できる。

幾本もの梁が永遠に間隔を刻んでゆくかのような回廊。
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(AVANI HOTEL/BENTOTA)

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(JETWING LIGHTHOUSE/ GALLE)

エントランスからまっすぐに海へ突き抜ける視線。
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(JETWING LIGHTHOUSE/ GALLE)

棟の中に巧みに配されたいくつもの中庭。
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(AVANI HOTEL/ BENTOTA)
せっかくの有名アングルなのに、リネンカートを置いて欲しくなかったわ。

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(CLUB VILLA/ BENTOTA)

黒々とした太い梁。
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(AVANI HOTEL/ BENTOTA)

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(CLUB VILLA/ BENTOTA)

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(JETWING LIGHTHOUSE/ GALLE)

アイキャッチとして置かれる大きなポット。
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(AVANI HOTEL/ BENTOTA)

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(LUNUGANGA/ BENTOTA)
ルヌガンガの広大な敷地には数えきれないほどのこのポットがあると案内人は言う。

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(JETWING LIGHTHOUSE/ GALLE)

そして何よりジェフリー・バワの名をトロピカル建築の祖として世界に知らしめたのは、今となっては海辺のリゾートホテルのお約束のようになってしまった、海とプールが一体に見えるインフィニティプールではないだろうか。
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(JETWING LIGHTHOUSE/ GALLE)
(あー、すみません。建物側から撮らないと海と一体化しているかどうか分からないんですが、何しろカメラを構えるのも臆するぐらいの雨だったんです。でもそれでも泳ぐんだなー、欧米人て)

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(JETWING LIGHTHOUSE/ GALLE)
今の言い方で、自然と一体化するなんて言うのは簡単だが、もともと建築物は厳しい自然や外敵から身を守るために発達してきたものだろうから、寒さという大きな自然の抵抗が無い地方の特性を生かし切って内外の隔たりをできるだけ曖昧にしたことは、当時建築の常識を180度覆すものであったろうと思う。

ヨーロッパと熱帯地方が、バワという多才な架け橋によって繋がれたことによって生まれたリゾート建築という意義。

そこに同じ熱帯モンスーンにルーツを持つ、アジアンリトリートの先駆者エイドリアン・ゼッカが多大な影響を受けたことは想像に難くない。

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We leave now.

エクスカーションを企画してくれたYasith、ありがとう。

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シナモンの島を後にする。


毿
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