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ヴィエンチャン、キッチュな街角 [セルフィッシュ・ジャーニー]

それって国なの?

ラオス人が聞いたら激怒しそうな周囲の反応は、日本でのこの国の認知度の低さそのものなんであろう。
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コトの発端は、会計事務所とのいざこざに疲れ果てた夜に、タイの国内ツァー企画会社を経営する従兄と飲んだことである。
エボラのせいで練りに練ったモロッコ旅行を涙を飲んで中止にした直後でもあったので、妙にやさぐれていた私の態度を見かねてか、従兄が「ラオスって 長閑でいいよー」と気分転換を振ってきたんである。

ずいぶん前、一度ラオスは足を踏み入れたことがある。

メコン川を挟んでラオス、ミャンマー、タイ3国が接するゴールデントライアングルと呼ばれる地域で、タイ最北端からメコン川をボートで渡って、小さな寒村に「上陸」したんである。
ホコリだらけの村から裸足で船着き場までついてきて小銭をねだる子どもたちの姿に心がしぼんだその夜、猛烈な食あたり(or水あたり)症状に襲われ、一人旅の心細さと共に半死半生で逃げ帰ってきた思い出があるので、ラオス、あんまりいいイメージが無い。

しかし銀座からの帰りの電車の中で、町自体が世界遺産という従兄の言葉を反芻しているうち、猛烈にこの現実から逃げ出して、そのルアンパバーンという町に到達したくなった。

翌日「いつなら手配ができる?」と従兄にメールを打つと、「今週末にでも」という返事である。

即決した。

しかし、一応仕事を持つ身であるから週末すぐにというわけにも行かず、クリニックの給与振込など月末の処理を繰り上げて片付け終わったその夜に、羽田から飛ぶ。
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(後で気が付いたけど、ハングル表示の場面を写していた。FBでそれを読み切った友人、エラい!!)

父もこのところめっきり弱ったので、最後まで出発できるかどうか気を揉み、しかも直前に留守を預かるはずの夫が虫垂炎かもとか言い出し、もうダメかと思ったけど、飛べた。
例によって、飛行機が離陸した途端、心の中で万歳三唱する。

バンコクで早朝乗り継いだヴィエンチャン行きのバンコク・エアウェイズ機は、間違った飛行機に乗ったんじゃないかと心配するくらいガラガラ、乗客は10人ほどである。
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ヴィエンチャンのバゲージクレイムのレーンに、6個しかスーツケースが載ってなかったのには笑った。

バンコクからは従兄が言っていたルアンパバーンまで直行もできるのだが、やっぱり首都にはとりあえずご挨拶しとかないと。

やけに閑散とした首都ヴィエンチャンのお出迎えは、多分これがヨロシイと思っているのであろうホテルが差し向けた古色蒼然ロンドンタクシー。
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35℃近いヴィエンチャンの真っ昼間、エアコン無し。
かつ古いニオイのする車内に今か今かと待ち構えていたんであろう蚊に、乗った途端刺される。

あーあ、エボラ避けてモロッコ止めたのに、ここでデング熱か?

ラオス、期待を裏切らないな。

「何も無いからすっ飛ばしてもいいよ」と従兄に言わしめたヴィエンチャンであるが、どうしてどうして、なかなか見所ありまして。

一言でいうとキッチュ。

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(逆さのエッフェル塔は、ここはパリではないというメッセージか?知ってるよ!!)

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(寺院の隅に打ち捨てられていた人形?髪だけが毎年伸びていそうで、キモ可笑しい)

なにゆえに、パリの凱旋門を真似る?
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熱心な仏教国なので観光は主に寺院となるが、忌まわしい戦火の歴史を背負っているが故にほとんどが破壊され、建て直したものは冗談のように金ぴかだったり、修復が叶わないものも多く、まじめな見応えとしてはイマイチな感じだ。
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(破壊された仏像の山。首が無いのが多く、結構ブキミだ)

その中でエメラルド仏を安置する目的で建立されたというワット・ホーパケオ(Wat Ho Phra Keo)は、肝心の仏像はタイに持ち去られ、中にはガラクタ(失礼!一応昔の寺院のかけら?)がホコリを被ったまま展示されているだけだが、木の枠にじかにレンガを載せて葺いたという大屋根に感動する。
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だって載せただけですよ?
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下から見てもレンガそのもの。
ところどころ隙間だって見える。
断熱材はもちろん、天井だって貼ってない。

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予備のレンガを見ると、片側に2センチほどの引っ掛ける突起があって、それだけで急勾配からのズレ落ちをふせいでいるらしい。

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これが重なって10メートル以上はあろうかという大屋根になると実に美しい。

列柱や扉もアンコールワットを思わせる彫刻が施してあり、見応えがある。
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地方からやって来たらしいお坊様と。
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橙色の袈裟が配置されるとまた風景が変わるものだ。

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町中は、お決まりの混線模様。
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行商の女性。
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凱旋門(本当はパトーサイ:Patou Xaiという戦没者慰霊塔)の階段の壁面のデザイン。
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ミックスが多いヴィエンチャンの犬の中で、珍しく純血腫。
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Settha Palace Hotel は、フランス植民地時代の面影を残したクラシックな造り。
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朝食のフランスパンはさすがだ。
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一泊後、いざルアンパバーンへ。


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