自宅、インドなんて二度と行くか!ボケ!! [マイハーベスト]
終わったああ〜〜〜
リハーサルが・・・
土砂降りの池袋。
ああ、演歌みたい。
結局6連符は叩けなかった。
本番3週間前、居並ぶ先生たちを前に演奏するこのリハーサルで叩けなかったら、あきらめて16分音符にしようと決めていたけど、なんか出来るんじゃないかって勝手に自分を過大評価してたみたい。
ていうか、香港・ミャンマー歩き回って地道な練習もしてこなかったのに、言うな、下手くそ。
1拍にあと2つ音符を押し込むことがこんなに難しいなんてね。
そして、2つ音符を減らして1拍を叩くことで、こんなに挫折感を味わうなんてね。
仕方無い。
繋がってる6連符じゃ何だか分かんないし。
16分音符でいいよと言われてしまったし。
ものすごい疲労感と一緒に揺られる帰りの電車。
疲労感・・・当然!
前日練習後、ギターとベースのロックなオジさまたちに、VIPでディープな新宿の飲屋街に連れ込まれて、どんだけ飲んだことだろう?
うわー、こんなところへ来て補導されないですか。
来年還暦の精神的未成年オバサマ、オタオタである。
でも、薄暗くごちゃごちゃしている隅っこの方にもぐり込んで飲むって妙に楽しい。
子供部屋の押し入れの中に毛布とお菓子を持ち込んで巣作りしたのと同じ気持ちなんだろうな。
そう、ここはオジさんたちの巣穴だったんだ。
今や、新宿駅のガード下と表通りに面した店の裏側の細ーい隙間に立ち並ぶ無数の赤提灯居酒屋群はコアな東京名所となり、蠢く人々の半数は外国人だけど。
誰か倒れている人がいる。
アンビュランス、アンビュランスと外国人が叫んでいる。
トイレは共同の日本式。
それでも日本のカオスはこんな程度だ。
まだまだカワイイ。
そう、この国に比べたら・・・
「インドなんて二度と行くか!ボケ!!・・・でもまた行きたいかも」(さくら剛/アルファポリス文庫)
降って湧いたインド香料観察ツァー。
一年で一番暑い最悪の時期に、片道7時間の車移動。
想像を絶する衛生事情(いや、ずっと想像はできてた。だから足を踏み出せなかった・・・)。
あの手この手でお金を巻き上げようとする論外な人々。
一抹も二抹も三抹も不安である。
常々、インドだけは一人で行ってはいけないと、一ヶ月彼の地を放浪し歩いた次男が言っていた。
行くなと言われると行きたくなる。
16分音符でいいよと言われると、どーしても6連符が叩きたくなる(ちょっと違う・・・)
一人じゃないし。
誘ってくれたお相手がいるなら行こう、ホトトギス。
・・・で手に入れた、地球の歩き方とこのショーゲキ本。
いやー、想像を絶する(いや、想像はできていた・・)キタナさである。
撮るとカメラが壊れそうで撮れないというのは分かる気がする。
それほどなんだと思う。
「いやー、すごかったわ」と土産話に出来そうな不衛生程度なら撮るもん。
多分比べたら、思い出横丁の共同和式トイレなんか頬ずりできるってもんだろう。
電車の中で読みながら思わずマスクの中で声を殺して笑い、そして最後に泣く。
悪賢くて不衛生なインド人たちと戦いながら、芸人になり損ねた20代の筆者は自分の立ち位置のアドバンテージを後ろめたく感じるようになる。
おっさんの自転車を漕ぐ足元を見ると、裸足である。
ボロ布1枚まとって、子供5人養うために裸足で毎日旅行者を乗せて自転車を漕ぐ。
途中車の窓に映ったオレとおっさんの姿を見比べると、つくづく世の中不公平だなと思う。
もしこの世界が本当に平等にできていたなら、今この場ではオレがおっさんを乗せて必死で自転車を漕いでいるだろう。
明らかにおっさんの方がオレより何倍も苦労しているはずなのに、そのおっさんの汗かく背中に悠々と乗っているオレは一体何様なんだろうか。
だが、それでもオレは、また日本に帰ったらどんなインド人よりもぜいたくな生活をするのである。
(筆者はインド名物のトランスポーテーション、リクシャー=自転車で引っ張るリヤカー風乗り物に乗ってます)
そう、生まれる国を人は選べない。
清潔で平和な日本に生まれ育ってインドへ旅行し、わあ、きたなーい、かわいそうーと言うのは容易い。
ある意味それが観光(?)ポイントになってしまっている。
でも観光客からお金を巻き上げつつ必死に生きているインド人と濃密に過ごした筆者は、その悪賢さを罵倒しつつも、日本人としての不作為な傲慢さに気付いていくのだ。
うーん、深いなあ、インド。
でも大丈夫か、インド?
2015-03-03 00:26
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