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混迷のインド、混迷の衛生事情 [セルフィッシュ・ジャーニー]

私は一生、中国と北朝鮮とインドには行きません。

こうおっしゃる方が何人かおられ、前者の2ヶ国については今はやりの「エモーショナルなモンダイ」かともお察しするが、さて、インドについてはどうなんだろう?

世界に名だたるウォシュレットを開発・普及させた随一の衛生立国(・・てあるの?)に棲息する身として返す返すもインドという国にまず不安を抱くのは、インドの衛生事情、特に得体の知れないトイレ環境と壮絶な下痢との闘いが、過去に語られた数々の訪問記やガイドブックでつとに言い伝えられてきたからだろう。
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自分の感覚が麻痺していないことを願って言うなら、結果的にはNOT SO BADである。

大体、途上国の農村部を訪れることになる何回かの香料視察ツァーでだいぶ免疫が出来ているのかも知れないし、ガールスカウトあがりなので青空トイレも過去体験済みだからかも知れない。

N島さん、ボクと分かれたら一人で贅沢なホテルに泊まるんでしょう。(当たり!)ボクといる時くらい、インドらしいホテルに泊まろうよ。  

と、ミスター稲葉が(多分半分面白がって)用意した今回最低のホテル(1泊2000円)Manglam Palace in Lucknow(ここをパレスっていうな!)だってここまでだ。
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まあ、ここがインドらしいホテルかどうか、インド人のランジャンには異論もあろうが)

基本的に他人と共用でなく、水洗であれば、トイレットペーパーがあろうが無かろうが(持ってきたからね!)、どっち向いてしゃがんでいいか分からないインド式であろうが、私はOKである。

マナさん、ダイジョブですかー。
(ダイジョブなわけないわっ)

ランジャンもニヤニヤしながら面白がっているので、ここで泣き出すわけにはいかない。
何としてでも平気なところをみせなくては。

このホテル、インテリアは斯様。
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カーペットのシミが泣ける。

カバーのかかった掛け布団などどこを探しても無く、足元に畳まれた紫色のこたつカバーみたいなブランケットのみ。
さすがにこれを首元まで引き上げる勇気は無い。(だって誰がヨダレ垂らしてるかわかんないもん)

返す返すも持つべきはおかゆじゃなくてファブリーズだったと後悔。

一応、カギは渡されたもののどうやっても回らない。
スタッフを呼んでどうやってカギをかけるのか聞いたところ、ドア上部のカンヌキ(っていうのかしら?)をガチャと横に引いて「これだけさ」。
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あ、そう。

じゃ、錠前はなんのため?

わんわん蚊が飛んでいるので、部屋とサニタリーに、持ってきた金鳥蚊取り線香を盛大に焚くと、たちまちベッドの上に2、3匹の蚊の死骸。

おー、グッジョブ、金鳥蚊取り!!

その香りに日本の夏を細く細く感じ留めてようやくまどろむ。

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hey!

私の人生でオマエに会うのはこれが最初で最後だわ、マングラム・パレス。

ミスター稲葉、ランジャン、面白い夜をありがとう[もうやだ~(悲しい顔)]
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その他、市中のレストランでも、高速道路のサービスエリアでも、基本、ペーパーレスのセルフウォシュレット(自分で水をカップに汲んで洗浄)だが、水洗なんで不潔な感じは無し。
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鬼門のデリー空港のトイレにはペーパーも豊富に用意されていて美男美女が微笑んでいるし、
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Amanbaghへ向かう4時間半のドライブの途中で寄ってもらったサービスエリアのサインを見た途端、頭の中にエルビス・コステロが鳴り響きもした。
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最終日、ジャイプル空港からの国内線がキャンセルになって成田行きを逃し、窮余の策で泊まったデリー空港近くの8000円のホテルも合格点だ。
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(あの境遇でこれ以下だったらベッドに突っ伏して泣いてたな・・・)

ランジャンが言ってたように、衛生状態については過去の評判を憂慮した政府が頑張って改善対策を講じている成果が、少しずつ現れ始めているんだろう。

ミスター稲葉が察したとおり、彼と別れてからせいせいと贅沢しようと向かったAmanbaghでは、もうじき猛暑でクローズドになる直前のたった一人のゲストだったせいか、予約を入れていたスタンダードルームを大幅にグレードアップして一番高いプールパビリオン(今日コストをHPで見てみたら、1泊14万円だった・・・・)に案内される。
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マングラム・パレスの寝室と、こっちのトイレと、どっちに寝ると言われたら、躊躇無くこのトイレ選ぶわと思うほどの素晴らしいファシリティーである。
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ずっと日本を出てから生野菜とフルーツを我慢してきた甲斐あり、お腹も壊さずに来たので、Amanbaghでは意地汚く2回もフルーツサラダをルームサービスでオーダーする。
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カレーよ、さらばだ!

明日は日本だ。(・・・とこの時は確信していた・・・涙)

サニーサイドアップも、パンケーキも食べる。
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・・・・あ、それまでの食事情も決して悪くはなかった。

ランジャンが気をつけて店を選んでくれたせいか、私の目が必死で訴えていたせいか、特にデリー市内ではお酒も飲めるし(インドでは宗教上おおっぴらに酒を飲む習慣が無いらしく、地方に行けば行くほどアルコールを置いている店が無くなる)、東京と変わらない素敵なレストランばかりである。
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基本、カレーとビリヤーニ(スパイシーなチャーハンみたいなもの)だが、店によっても地方によっても味やスタイルが違って飽きることは無い。
どちらかっていったら、イタリアのバジル、トマト、オリーブオイルだらけの食事の方が辛かったくらいだ。

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完食の図。

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ミルク粥。
もろもろとしたカスタードプリンのようなデザートもなかなか。

ミスター稲葉はランジャンと、市中でヒンドゥー教徒の施しの葉っぱに入ったご飯にもトライしてたけど、君子は危うきには近寄らないのよ。
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しかし、何より美味しかったのは、Amanbaghで2時間のスパトリートメントの後、部屋でインド産白ワインの栓を抜き、一人乾杯をした時に食べた、柿の種(野本、ありがとう)とノザキのコンビーフ。
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涙がこぼれそうになったのは、壮絶な夜を経て一日遅れでデリー空港のイミグレーションを通過後、JALのラウンジで摂った、周りの日本語にまみれたワインとチキンカレー。
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いろいろ貴重な体験をし、心折れることもあったけど、体調だけは常態をキープできたことが、また私の心のベクトルがインドに向いている一番の理由だ。

以下、さらにディープなトラブル篇へ・・・




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