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大曲交差点、ヘルプ・ミー! [ウッド]

レッカー車に乗せられて去っていく愛車から出して運んだエッセンシャルオイル40本が入ったケースはずっしり重く、また2時間以上も首都高高架下の排気ガスの中にハイヒールで突っ立っていたため、足は冷え、浮腫んでいたので、まず自分のためにレモンユーカリ(Eucalyptus lemon:Eucalyptus citriodora)で足をマッサージする。
レモン様の香りが気分をすっきりさせる。

私の人生、なんでこんなオモロイことが起こるねん(使い方、合ってますか)、と思う出来事が時々ある。

場所は新目白通り、飯田橋までもうちょっとのところにある大曲交差点の一つ手前の信号だ。
信号が青になり、右車線のとっ始めにいた私はアクセルを踏んだが、エンジンの回る音がするだけで前へ出ない。
?????
ブレーキを踏んで何度もギアチェンジを試みるが、ギアはNレンジに入ったままだ。

後続車はあきらかにイラついていて、運転手がすごんだ顔でこちらのバックミラーを睨むのを見ないようにして、ハザードを出してディーラーに電話する。
自分の声がパニクって震えているのが判る。
ディーラーの指示でいろいろやってもだめで、ついにエンジンを切り(その後二度とかかることは無かった)、ロックをして安全のため車から離れる。

大通りの真ん中に取り残され、後続車にぶーたれられながら佇んでいる愛車を反対側の歩道から見ているのは切ない。

080328_maser.jpg
大通りのど真ん中に立ち往生したイタリアの貴婦人。


ディーラーがレッカーを手配してくれたが、年度末の週末、道は大渋滞、1時間はかかると言う。
1時間も人々の好奇の目に曝されているのは忍びなく、愛車にはかわいそうだが「私、あの車とは関係ありませんから」というスタンスに移行することにする。
まあ、辺りの印刷会社関係のビジネスマンだらけの昼下がり、ぴらぴらワンピースを着て突っ立っていれば、明らかにハザード・イタ車と私は⇒で結ばれているだろうと想像はつくのだが。

そのうち、なんと自転車に乗ったお巡りさんが2人、愛車の脇にやってきてしきりに中を覗き込み、なにやらピンマイクで報告している。
え?やば。故障で止まっていても道交法違反なの?

仕方ない。
信号を渡って、これ私の車です、と申し出る。

「ああ、故障しちゃったの?いや、不審な車が道路の真ん中に止まってて中に誰も居ないって地元の人から通報があってね。中で倒れていることもあるからね。」
と明らかに交通の邪魔になっている車に迷惑そうな様子のお巡りさん。
不審な車って・・・竹内まりやに歌われているイタリア生まれの貴婦人も形無しだ。

レッカーがなかなか来ないので、年配のお巡りさんは交番に戻り、見張り役に若い方のお巡りさんが残される。

「ここ、よく通るんですか」
と、手持ち無沙汰の若いお巡りさん。
「はい。埼玉から千鳥が淵に通ってるんです。」
と答えると
「へえ、埼玉はどちら?」とたたんで来る。

どうせわかんないでしょうとは思ったが
「富士見市っていうところなんですけど・・」
と言ってみると、彼の声のトーンが急に跳ね上がった。
「ボク、鶴瀬(富士見市内)なんですよぉ!」

そこからは2人で
「市役所の脇ってらら・ぽーとができるんでしょうかねえ」
「いや、だめでしょう」
みたいな地元ネタで大いに盛り上がる。
大東京のど真ん中でマイノリティ二人ががこんなところでこんな形で出会うなんてねえ、と。
すごい確率ですよねえ!

レッカーが来たのは、トラブル発生から結局2時間後だったが、おまわりさんとの会話は市町村合併まで発展し、最後にはちゃっかり
「結婚なさって赤ちゃんを産むときは当クリニックで!」
と宣伝もしてお別れした。

大曲交番の若いお巡りさん、ありがとうございました。
おかげで大凶かと思った出来事も何だかいい思い出になりました。

ただ残念だったのは、女性が一人、車が動かなくて困っていても、それがおばさんだと通りがかりの車は誰も手を貸してくれないという現実を見てしまったことです。

080328_police.jpg
同郷だったお巡りさん。こっそり後ろから撮らせてもらっちゃいました。自転車のボックスにマジックで「大曲」と書いてあるのが笑えます。








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